2020年10月08日
1枚の絵にまつわるドラマですが、一部想像で書いていますので、一応フィクションとしてお読み下さいね。
時代は1,980年頃にさかのぼります。
戦前に士官学校の同級生だったクラスメートがその後、著名な画家になります。
久々の同窓会の後。
なんとなくクラスメイトの声掛けで、その画家さんの後援会が発足。
その中の一人、仮に鈴木さん(仮名)としましょう。
鈴木さんは、応援の気持ちも込めてその友人の画家さんから絵を購入します。
購入したのは3枚の油絵
総額で約62万円
でも当時その画家さんの絵が画廊で販売する価格は、3枚で約100万円ぐらいだから、きっとお友達価格なのでしょうね。
その約40年後、絵を購入したご本人が亡くなります。
遺品を整理していた遺族は、クローゼットから専用箱に入った古い油絵を3枚見つけます。
多分故人の方は、その絵を購入した事を家族には隠していたのかもしれません。
捨てるのももったいないと思ったご遺族の方は、多分近所のリサイクルショップに持ち込みます。
鑑定したリサイクルショップの方は、一応絵の表面に書かれているローマ字から作家名を辿りますが、一般的に画家さんのサインって、T,Shuzuki みたいな書き方が多いので専門の鑑定士でも無いと作家名や真贋の判断は出来ません。
そして近年、日本ではヘビーな油絵はそんなに流行らないから売れないし、売りにくい。
普通に気楽に買える値段でしか売れないので、絵の買取価格は、多分、1枚1,000円ぐらいだとすると3枚で3,000円ぐらい。
ご遺族の方は絵の元値も知らないし、絵の作家が故人のクラスメイトだった事も知らない。
ゴミとして捨てるよりはと、その値段で絵をリサイクルショップに売ります。
それから数か月後、リサイクルショップを訪れた主人公は、1枚の油絵を観ます。
地中海の風景を描いたF6サイズの油絵。
青い海、青い空、白い建物
良い絵だね。
あまり力が入っていないと言うか、見てるとほっとする。
値段は7,800円
気楽に部屋に飾る絵としては少し高いが、何か気にかかった主人公は、悩んだ末に購入します。
自宅に帰り、中の埃を清掃したい事もあり、額の裏を開けると、1通の手紙が出てきました。
絵の作家さんから購入者の方に送った手紙と、作品目録。
学生時代の思い出話、絵を購入してくれたお礼が書かれていました。
そして別紙に3枚の絵のタイトル、サイズ、販売価格も記入してありました。
その絵の持ち主の名前、書いた作家さん名もこの時初めて知りました。
そんな事もありその絵を大切に自分の部屋へ飾って眺めていました。
しかし絵と言うのは、自分一人で独占して眺めて楽しむものでは無い。
他の方にも観て楽しんでもらいたい。
なのでネットオークションに出品。
3,000円スタートのその絵はあっと言う間に入札が重なり、最終的には20万円で落札されました。
7,800円で買った絵を、1年後に 200,000円で売却。
オークション会社への手数料、送料等経費を引くと、手取りは177,800円
177,800円-7,800円 =170,000円の利益
絵に入っていた手紙を再び読みました。
翌日、主人公は、花屋さんでお供え用の花を買うと、その売却した絵に入っていた手紙を持参してその絵の元の持ち主のご自宅を訪問します。
手紙をご遺族に差し出し、絵を先日売却した事、そして得た利益170,000円を入れた香典袋をお渡ししました。
ご遺族の方は、その絵に隠されたドラマを初めて知って大変驚かれていましたが、そのお気持ちだけでと、お金は受け取ってもらえませんでした。
せめて折半でもと申し出たのですが。
さて、気になるその170,000円の行方ですが、主人公はそこから3万円をそっと抜き、私的流用して、欲しい物を買い。
残りの14万円を遺児を応援するとあるNPO法人に寄付したそうです。
3万円をそっと抜いたそのセコイ行為がなければとても良い美談だと思います。(笑)
涙腺注意!
東池袋で母子の命を奪った事故の第1回目公判。
無罪を主張するドライバー、89歳の被告。
あくまでも私論ですが。
『あなたにはハンドルを握る資格も、懺悔なく生きる資格も無い』
毎日この曲を聴いて懺悔して欲しい。
Posted at 2020/10/08 19:36:22 | |
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