数年前にここで書いた 「シンデレラエクスプレス」の続編です。
総集編とか特別編は書かないと思います、多分。
本ブログは、ほろ酔い気分で書いていますww (笑)
それは、高校2年、17歳の時だった。
放課後に、教室の窓から、景色を一人で眺めていた。
首都高の先に見える、1個の古びたちっぽけな白いビル。
3階建てのそのビルは崖に沿うように建てられていた。
多分、西側のほうの1階は、崖の下のほうから見たら、3階。
そんなけったいなビル。
何の変哲もない、ビルだけど、高速道路とのコラボが妙に面白くて、いつも見ていたお気に入りの景色。
すると、すっと横に人の気配が。
クラスメートのMちゃんだった。
今まで、そう言えば、彼女と話したこともなかった気がする。
そう言えば、クラスメートの男連中は、やたらタイプだとみんな騒いでいたっけ。
とりあえず何事も無かったように、景色を見続けた。
二人とも無言で、5分ぐらいだろうか?
突然Mちゃんが言った。
「私もここから見える景色が好き♪」
自分と同じ価値観と同じ目線でものを見る人は、なぜか心地よい。
隣にいることの違和感が無かった。
再び沈黙が続きさらに10分ぐらいずっと二人で景色を眺めていた。
Mちゃんが、帰ろうとしたとき。
彼女の横顔に夕日が差した。
彼女の目の中に夕日が溶け込んだように見えた。
それはなぜかとても懐かしく優しい色。
「いっしょに帰る?ボクはチャリだから、駅までだけど送っていくよ。」
それが、Mちゃんとの出会いの始まり。
彼女は、電車通学だった。
それも事情があって、かなり遠い親類の家から通っていた。
まもなく僕たち二人は、付き合いはじめた。
高校を卒業する時に、深い事情があって、二人は別れた。
3年後。
渋谷のパルコの某アパレルショップで、バイトしていたとき、偶然Mちゃんが。お客さんとして、お店に入ってきた。
3年ぶりの再会。
店の店長の景子さんに事情を話して、彼女を渋谷駅まで送っていった。
消防署通りまで歩いた時は、どっぷりと日が暮れて、夕日が彼女の頬を赤く染めていた。
3年前のあの教室を思い出した。
そしてこの曲を。
谷山浩子 カントリーガール
カントリーガールの歌の主人公
翌週パスタ屋で、ランチを一緒に食べた。
そのとき、生まれて初めてカルボナーラを食べた。
メチャまずかった。
一生カルボナーラは、食べまいと、その時、心に誓った。
そんな二人は、自然にまた付き合い始めた。
クリスマスに一緒に行った横浜の元町。
そこのカフェで、生まれて初めて食べた ピーチパイ は美味かった。
一生 ピーチパイというスイーツに着いて行こうと誓った。
その年の暮れの大みそか。
実家に帰省する彼女を見送って、東京駅の新幹線のホームへ行った。
電車の発車するベルが鳴る。
ドアが閉まろうとする瞬間。
彼女は、ボクの手を思いっきり引っ張って、車内に引き入れた。
非常にも閉まるドア。
次の新横浜で降りればいいやと考えてみたけど、列車は、 「こだま」じゃ無くて、「ひかり」だ。
次の停車駅は、、、、、、、、、。涙
成り行きで、その晩は、彼女の実家に泊まった。
突然一緒についてきた、初めて見る彼氏。
招かざる客。
両親や彼女の妹のボクを見る目。
せいいっぱいに平常心を装う家族たち。
まさに針のムシロであった。
そして翌朝の元旦もバイトが入っていたボクは、始発の新幹線に乗り、元旦の朝、東京に戻った。
ショップにとっては、元旦の福袋イベントは、年間で最大級の行事だから。
あの時、ボクの腕力がもっと強かったら、運命は変わっていた。
いや、あの時、彼女の腕力がもっと弱かったら、抗えたはず。
運命とは、人生とは皮肉なものだ。
「教室で、最初にナンパしたのは、君だ!」
「いや、いっしょに帰ろうと行ったあなたよ!」
「しかし、あの時、たいした用事もないのにボクの傍に来た君が怪しい。」
「何を言ってるの、一人で寂しそうに見えたから横に行ってあげただけよ!博愛精神と呼んで欲しいわ。」
「いや、ボクの後ろ姿のオーラの魅力に吸い寄せられた君だ!」
そんな、昔のことで、いつまでも、醜いアホな論争はつづく、、、、、、、、、、。
シンデレラエクスプレス
邦訳 拉致電車
来週は、紅葉が見たいと煩いので、どこかへドライブに行こう。
竹内まりや = 不思議なピーチパイ
Posted at 2012/10/19 01:15:22 | |
トラックバック(0) | 日記