書きかけのフィクション小説の抜粋です。
19××年6月
反政府ゲリラと政府軍の内戦が続くB国。
そこへ一人の日本人青年が、訪れます。
数年に渡る内戦の結果、国内はどこかしこも破壊の限り。
いつの戦争もそうですが、戦争は常に弱者に一番の打撃を与える。
反政府ゲリラの拠点の村々はどこも、政府軍によって無差別爆撃を繰り返され、兵士では無い、女子供の見境無く、虐殺に等しい行いが続く。
反政府ゲリラの村々では、食べる物も不足し、栄養失調や病気でたくさんの幼い子供達が連日死んでいく。
そんな現状を悲しむ一人の日本人青年のお話しです。
中略
主人公の青年は、バイト代を貯め、ロタテックを600本購入し、その内戦が続く戦地のとある村へ、単身で向かいます。
ロタテックワクチンは、4週間隔で3回接種型なので、それで接種できる子供は、200人。
数万人のワクチンを必要とする子供達の数から言えば、救える数はそれでも1/100以下。
あらかじめ現地の援助拠点に低温輸送しておいたワクチンを引き取り、単身、ゲリラの拠点のとある村へ。
初めて見る日本人青年の持参したワクチン。
片言の覚えた言葉で、ワクチンの必要性を訴え。
現地の言葉に翻訳した、使用説明書と、ユニセフ発行の証明書を見せるものの、信用しない彼ら。
アイツ政府軍のスパイでは無いのか?
中に毒でも入ってるんじゃないか?
そんなヒソヒソ話しが聴こえる。
「ボクはただ、子供達の命を救いたいんだ!信用しないなら、どれでもいいから、1本、好きなの選んでボクが飲んでみるから。」
(えっ?誰も止めないのかよ?1本、69¢に値切って買った格安ワクチンだから大丈夫だろうか?)
ゴクゴクゴク、、。!
んっ?微かに甘い、けっこう美味しいじゃんコレ?
しかし、本来その村には、200人近くいた子供たちが既にその時には、83名あまり、、。
村に必要ない、余ったワクチンは、ゲリラのつてで、他の村へ。
「1本2$で売れたぜ」札束を見せて、喜ぶ彼ら。
つうか、売るんか!
村で共同生活を始めた青年は、やがて現地の人々と心を打ちとける関係になるのです。
その中で反政府ゲリラの一人の青年Tと、深い友情が芽生えます。
Tの生まれたばかりの妹に飲ませたワクチン。
「全部の病気予防は網羅していないけど、少なくとも乳幼児の発症率や、死亡率は各段に下がると思う。」
「そうか、ありがとな、おまえけっこういいやつだな。」
「おい、銃の練習してみるか?」
そんなある日、Tに誘われた。
闇ルートで仕入れたらしい、M-16初期型ライフル
中略
3か月後。
村の子供たちのワクチンの3回目接種も終わり、青年は翌日、日本へ帰国する。
村はずれの戸外で、14名の参加者の質素な送別の宴が始まりました。
その時です、数か月この村へ攻撃が無く平和な時もつかのま。
2機の政府軍攻撃ヘリが、村へ突然来襲。
村の上空でホバーリングしたヘリは、各家々に無差別に、130mmロケット弾を撃ち込んできました。
幸い村の外れの戸外で、送別会の宴に参加してた場所には、ロケット弾は着弾しなかったものの、破片で数名が命を落としました。
村のほとんどの家は、政府軍の戦闘ヘリのロケット弾攻撃によって、無残にも破壊された。
青年も含めて生き残った村人の7名が、破壊された各家へ、生存者を救出に向かいます。
幸いナパーム弾では無いので、生存の可能性は、ゼロでは無い。
しかし、生存者は、1人もいませんでした。
自分が持ってきたワクチンを接種した村の57名の乳幼児も含め、子供達も含めて、ほぼ200名いた村は全滅。
その中には生まれたばかりのTの幼い妹も。
自分は何の為に、今、生かされているんだろう?
結局、1人の子供の命も救えなかった。
涙が止まらなく流れる。
その時、ふたたび今度は、1機の戦闘機が村に向かって低空で飛んできました。

※イメージ画像です、フランカーに独断の意味はありません。
壊れた家々で生存者を探していた残った村人は、ジャングルへ向かって走り始めます。
「おい!何をしてる、こっちだ!」
親しくなったゲリラの青年Tに、手を引かれジャングルに向かって走る二人。
戦闘機は、既に反撃が無いと判断したのでしょうか?低空で対地ミサイルでは、無く、残った村人を、止めを刺すように、ピンポイントに機銃掃射します。
次々と倒れる村人。
ついに、村人の青年Tも撃たれて倒れます。
倒れたTを思わず抱きかかえる。
「T~!何で!」
再び旋回した政府軍の戦闘機が、低空で引き返してきました。
倒れているTが、胸に抱えている M-16ライフル。
今、この村で生き残っているのは、自分1人。
村が全滅した以上、村人を救う、子供達を救うと言う大義名分は既に無い。
しいて言うなら、再び低空で来襲する戦闘機の機銃掃射から、自分自身の身を守ることだが、この位置に隠れている限り、戦闘機からは見えない、安全だ。
しかし不思議と、自分自身の身を守ると言う感覚はまったく無い。
あるのは、死んでいったたくさんの子供達の笑顔と、仲の良かったTとの思い出だけ。
懐かしさ、と深い悲しみ。
深い悲しみが、怒りと変わった瞬間、青年は、Tが胸に抱えている、M-16ライフルを手に取るのです。
「低空のヘリは、ヘリの全長の2倍前へ、低空の戦闘機は、全長の5倍前へフルオートで撃つ!」
死んだTに教えてもらった言葉が、頭の中でこだまする。
グリップを握った右手の親指で、セレクターレバーを、SAFEからAUTOへ切り替え。
あの戦闘機なら、30mm弾、弾数250発、連射5秒 とすると?
残り弾数は、後連射1秒程度。
ラストチャンス。
低空で飛ぶ政府軍の戦闘機の、全長の約5倍前に、怒りを込めて、フルオートで20発の弾丸を撃ち込む。
この続きはwebでね。(笑)