
これにて短編集、読破。
一日くたばってたら体調はなんとかなりました。
さて、千反田えるの選ぶべき未来。
物語は奉太郎たちが高校2年の夏休みに差し掛かったところ。古典部シリーズは奉太郎たちの高校生活の卒業までを描く物語らしいから、この辺りで古典部シリーズの折り返し地点に差し掛かったということだ。
最初の出会い、『氷菓』から、千反田家の跡取りとして存在感を放っていたえるは、この折り返しからどうなっていくのか。敷かれたレールを自分なりに受け入れ、しかし進んでいたそのレールは今、取り除かれようとしている。えるは突如与えられた翼をこれからどう使うのか。自由の空。自由とは責任が付き纏うと誰かが言っていた。(似てるものとしてペルソナ4の天城雪子を彷彿とさせる。雪子が自分で選んだ道は跡継ぎだったが)
運だけで生きてると言っても大げさではないほど、漠然とのらりくらりと成すがままに進路を決めてきた私にはこの手の物語は居たたまれない。
こんな話を書いてしまうと「私、気になります!」と、えるの目を再び輝かせるのには、輝かせられるだけの説得力を持った話をまた(最低限)ひとつは作らなくてはいけないよなあ。大変だ。
ああ、『連峰は晴れているか』はアニメでも知られてるし、それで知ってたし、新鮮味はやはりなかったからそこは割愛。文章で読むという新鮮さはあったが。
しかし、この物語も奉太郎の気持ちを理解するのには大事な物語だ。
今回の短編集は里志には大きな動きはなかった(より自然体にはなった)ように思うけれど、摩耶花とえるには大きな転換点になる(だろう)話が載っている。それと奉太郎の過去、奉太郎の優しさが強く押し出された一冊になった。
因みにカバーをめくると茜色の傘の絵が載っている。
要所要所で今までの物語を、ちょっとした文章で振り返させる手法は、私、好きなのよ。
今までの積み重ねがあったからこそ紡がれているって気もするし。
次はいつかわからないが、次も楽しみである。
今回一通りの『読書感想文』を書いてからこんなサイトを見つけた。
ネタバレなので注意。概ね、作者の意図するものは上手く汲み取れてたなと満足なの。
https://ddnavi.com/feature/339051/a/
Q&Aもなかなか面白かった。
http://promo.kadokawa.co.jp/kotenbu/
着地点の構想はすでにあるそうですね。
「折木さんと一緒に過ごす未来がどうなるのか、私、気になります」エンドなのかな?
ほろ苦さも何もあったもんじゃないな。爆発しろ。
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Posted at
2017/08/27 10:23:26