国民的RPGとして、ゲーマーでなくてもその名を知られている、恐ろしい知名度を誇るドラゴンクエスト。略称は?そう、ドラクエ。下手に広告を打たなくても序曲を少し流すだけで、あっ、ドラクエだとその名が出てくるんだからこれは物凄いことだ。添付画像のモンスターの名前だって有名だ。
それの交響組曲を一通り聴いてみたが、それぞれの作品の世界観に音楽で浸らせてくれた。すぎやまこういち氏の世界ではあるが、そうではなく「ドラクエ」だった。途中でイコライザーも触ることなく安心安定して聴けた。
東京都交響楽団のCDが主だが、いずれも素晴らしい。私が持っているものとして、ひとつだけロンドン・フィルハーモニー管弦楽団によるⅢのアルバムもある。これがまた良かった!こんな演奏だったか!?という気迫。東京都交響楽団盤に比べてお上品とでも言いたいイメージだったが、良い意味で覆された。しかしOMEGAで聴き直すと、あれあれとそのイメージになるではないか。DP-1000+DC-1000で聴き直すと、やはり気のせいや思い込みではない。
前モデルDP-950+DC-950について柳沢功力さんが要約だがこう仰っていた。「うまく鳴らないディスクをこれにかけるとなんとも良い音で鳴ってくれる」と。その特質を引き継ぎDP-1000+DC-1000が持っていてもおかしくはない。
Ⅴは何とも清々しく鳴る。空気が澄んだような……。ステレオサウンド154号で傅さんと柳沢さんのプレイヤー視聴レビューでクラッセOMEGA2(OMEGA SACD Playerの下位モデル)にて傅さんが、暗い音だ、不明瞭だ、沈んだ音だ、重苦しい、と書いていたが、何だかわかった気がする。因みに柳沢さんは、繊細で軽やか、重厚感に乏しい、パリっと吹き抜け、透明な漂いの清々しさなど、同じ機種を聴いてこうも違う書かれ方になるのかと思ったことが印象に残っている。OMEGAとはメカエンジンが違うため、あくまでも似通った程度だとは思うが。だがだからこそ複数人のレビューは大事なのだ。人それぞれ感じ方が違うから。
ということで、DP-1000+DC-1000は明るさも出すが粘りも出すし、溜めの表現がちゃんとある、というのは私の意見。
Ⅵは低音(特にコントラバス)の重心が低く、深い音が出るようになった。結構久々に聴くので気のせいかと念のためOMEGAでも聴いたが、やはり違う。うんと下の空気が臨場感を高めてくれる。それと録音会場の静けさ。12曲目の『迷いの塔』。これはゲームで使われたものと異なりリズム系が控えめでシンプルな演奏になっているが、音として鳴らない、現場の静けさが聴こえたのだ。いやいや、これは何ともはや、恐ろしいではないか。ということで、ここまで音質を述べながら敢えて避けてきた言い方をする。S/Nが良いとはこういうことなのだろう。
Ⅷは分厚くなめらかで溌剌、深くきめ細かい。ティンパニのロールがじっくりと聴き取れた。ウィンドチャイムの音も実に繊細。オーディオが変われば表情も変わる、優秀録音盤。
そう言えば曲名を表示しないDP-1000だが、表示しないならしないで意外と気にならない。
今回特筆して取り上げたのは、Ⅲ(ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団)、Ⅴ、Ⅵ、Ⅷ(東京都交響楽団)だが、他も上述してある通り、かなり良かったことは確かだ。良くなった良くなった、ばかりでは読んでる方としては単調だったかもしれない(汗)
次回、音質や如何に その6は、プロ集団ではなく、プロを目指す卵たち、洗足学園音楽大学のフレッシュマン・ウィンド・アンサンブルによる音楽がどう聴こえるかをレビューしてみたい。曲目は『響け!ユーフォニアム』シリーズ。
OMEGAでもプロとの違いというのは聴きとれて、やっぱりプロって凄いんだなと書いた覚えもある。だが、演奏者の技能を丸裸にするような聴かせ方をするプレイヤーなのでとっても楽しみである。ひょっとしたら、まんま北宇治吹奏楽部が出現するかもしれないわけで。まあ、キャラクターを演じた演奏者からしたら、何言われるかわからないから(私も何を言うか現時点ではわからない)堪ったものではないか(笑)
ゲーム音楽もじっくり聴きたいが、クラシックオーケストラを聴くのが楽しいので(!)、こっちをやってみたい。『リズと青い鳥』を含め、シリーズを聴き終えたら、またそのときに。キャラソンも聴くよ。
Posted at 2021/09/17 18:16:03 | |
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