「音の素描 菅野沖彦・著」 読書感想文

音の素描　菅野沖彦・著 を読んで。

1973年の当時から2020年の今、世の情けはまるで変わってないように思えた。むしろ、その傾向は荒れに荒れているような……。

物作りとは？ 音楽の本質とは？ 売れなきゃ稼ぎにならないとしても、売れればそれで良いのか？ 拝金主義に躍る側、躍らされる、翻弄される側というのはずっと前から蔓延ってたわけだ。

車（ポルシェ）のことなども色々書いてあるし、オーディオを趣味としない人、いや、車を趣味と自認するのであれば、オーディオの部分を車に置き換えて読んでみれば、一読の価値がある。憧れるほどに欲しいものを手に入れるにはどういった心持ちでいることが大切か。そのヒントが書かれている。小さな損をしても大きな得を取れ、と。

定位について。
音像定位の良さとは、楽器の音を活かす音像の出方をさせること。ただ、音が見えるように出現すればいいというのは誤り……と改めて思ったが、菅野さんのオーケストラ音像論説に倣えば、わりと出来てるようだ。