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2020年12月04日

「オーディオ彷徨」岩崎千明・著を読んだ感想

「オーディオ彷徨」岩崎千明・著を読んだ感想 「オーディオ彷徨」岩崎千明・著を読んで。
五味康祐の書籍もまだあるが、まあ、それはいいかな。誤字脱字がなんとかなればもっと読みやすいのに。人の書籍なんだからそこはきちっとやっておくべきではないのかな。

さて。
岩崎氏のことで私が知っているのは、オーディオ評論家でありながらジャズ喫茶を開いてしまい、爆音派だったジャズ愛好家……とかなんとか、半ばエピソードが伝説と化している人という印象。

「高級品というものは、ほんのわずかの余裕を実現するために、価格的に数倍を消費者に強いるものである」
高級品、ひいてはオーディオについても、その僅かな品質を求め、実現させた結果、往々にして価格が跳ね上がっていくことがあり、コストパフォーマンスというもので見ると途端におかしなことになっていく。価格が上回っていたとしても、手に入れたときに「満足感」で満たされるかどうか。その差こそ、コストパフォーマンスに組み入れて物事を判断するべきではないか……と仰る。ひとまず事足りる、ではなく、品質を求めるべきだ、と。
自動車も表面上だけで性能を引き出すことをしない若者が多くなっていると嘆いている。40年近く前、当時の若者というと、今でいう60前後の世代か?

今も変わってないどころか、加速している。
文化、文明、意識の在り方。

評論というものは相手(の水準)があってこそであるが、伝わらないと意味がない。理解して貰えなければ、また意味がない。かと言ってわかるよう稚拙に書いたのではこれまた意味がない。オーディオについて、まだ世間がそこに至ってないことを憂いておられたようだ。

「魅力」は感じるものか、感じ取るものか。
対象と受け手。対象は魅力を放つものでなければならないが、受け手にもそれを認める資質がなければ、魅力は魅力足りえない。これが合致したとき、阿吽の呼吸とも言える整合性が生まれるのだが、この魅力は他人がとやかく言ったことを聞いた程度でその輝きを失うのであるのなら、本物ではないか、受け手の揺らぎが原因であろう。

「魅力」とは「バランスの良さ」である。
「バランスの良さ」はオーディオにおいて、サウンド、メカニズム、デザインの均衡である。サウンドが良い、メカニズムも良い、デザインも良い。そんなオーディオがあれば魅力的でないはずがない。

だが、メカニズムとデザインは良い、しかしサウンドが悪い。こんなものはオーディオとして魅力的ではないどころか何のためにコストを割いてオーディオとして存在しているのか、危ぶまれる。では、デザインとサウンドは良い、しかしメカニズムが悪い。こんなものがあったなら、耐久はどうだろうか、使いこなしに一抹の不安を覚えるだろう。そして、メカニズムとサウンドは良い、しかしデザインが悪い。これは見なければ何とか行けるかどうかというところだろう。しかし耳で楽しみ、目でも楽しめるのがオーディオの質の高さというものだ。

アンバランスの良さがあったとしたら、これらを突破したところに存在できる。ただし、その結果、製品が高価になり、その高価格の稀少性に魅力を覚えるのも間違いである、としている。
高価格を買える自分凄いぞと酔うのは結構だが、それは製品の魅力とは別物の高揚感だからだ。これを狙って価格を吊り上げる、言わば金持ち相手の商法で価格付けされた製品は買うべきではない。まあ、金持ちが満足できれば、それはそれでメーカーも消費者もお互いに利があって宜しいのではないか?(決して支持はしないが)
最低限、利益を出すための価格設定なら問題はない。

食品や一部の自動車メーカーにもありがちだが「価格を上げ、内容を低下させる」という非常に滑稽な、消費者を舐めてるとしか言えない手法が取られているが、これをオーディオでやったらどうか。今までそのメーカーが築き上げてきた信用信頼を一瞬でなくし、まず見向きもされなくなるだろう。価格を上げても、内容だけは低下させてはならないのだ。利益を出したいのなら大人しく、それに相応しい価格を付ければいいだけだ。内容そのままに価格を上げたら購入してもらえないことを危惧しているのなら品質が低いことを無意識に自認していることと同じだ。努力する方向性が間違っている。

閑話休題。

音楽を聴く道具のオーディオは「出来る限りの」贅を尽くしたものであるべし。
音楽は偉大なものなので取り零したり、欠けたりして再生するものは良くない。

「出来る限りの」というのは品質そのものもあるが、やはり物を購入するということだから軍資金をどう捻出するか、どこまで割けるか、まるで音楽への情感を試されているようだ。評論家はともかく、メーカー側はこれを言ってはならぬ。

瀬川冬樹氏の書籍でも触れられているが、当初アンプは放熱の問題から必然的にプリアンプとパワー(メイン)アンプを分けたセパレートアンプとしての体裁を余儀なくされた。技術が進み、一体型のプリメインアンプが登場するのだが、そう意地悪に考えると、限られた筐体にあれこれ納めてあるプリメインアンプの方が実はセパレートアンプより上等なのではないか?という気がしないでもない。半ばジョークとして。

国際化オーディオ。
国産だから、舶来品だからと、意識して区分けして品質の判断をするようでは平等ではない。舶来品を国産と同ランクとして分けた場合、高価になるのはやむを得ない所ではあっても、その「金額面だけ」で区分けしてオーディオの音を比較、判断するのは国際化という括りに入っていない、という。……ステレオサウンドのベストバイはベストバイという名目上、まず金額ありきになっているが、規模ありき(例えばスピーカーユニットの総面積だとか、アンプの出力ごと)での区分けとなっていたら、当然、また違った掲載順になるのだろう。

音楽をオーディオで奏でる場合、その空間が音楽から掛け離れているほど、音にエネルギーがなければ没頭はできない。翻せば、ただの(音楽的雰囲気のない)リビングで音楽を、オーディオを鳴らして、その世界に没頭できるのならば、それは充分なエネルギーを伴っていると言えよう。

親しみと憧れを持って接すること。
手中に納めても、軽く見ない、軽く扱わないこと。それは対象への誇りと威厳を受け止めた結果である。……何でもそうだ。

オーディオの醍醐味はスピーカーにあり。
プレイヤーやアンプはせいぜい置き場所と置き方を検討するくらいの気遣いをするくらいだが(せいぜいと言ってもかなり慎重にやる)スピーカーはその比ではない。スピーカーを鳴らすのに検討するのはプレイヤーでありアンプであり(これらはどこかを優先的にというより、平行して組み合わせを考えるのだが)プレイヤーやアンプのためにスピーカーを選ぶというのはあまり考えたことがない。
スピーカーの選び方として、まず聴きたい音楽は何か?どのようにその音楽を聴きたいのか?から始まって、その規模に対して適切に目星を付ける。

物質的な豊かさは精神を貧しくしてしまう。
欲しくて欲しくて、だが容易には買うことができなくて、何度も製品レビューを読み返したようなものをやっと手に入れたときは感慨もひとしおだ。今のメインシステムで最初にやってきたのはLINNのプリアンプKlimax Kontrolだった。何の変更もなく20万円値上がりするというので、休日の合間を見計らって手に入れたものだ。本当はパワーアンプも一編に買おうと思っていたのだがまだそこまでの軍資金がなかった。それなのに20万円も後から出す必要もないので、やむを得ずプリアンプだけ購入。けれど配送が済み、実物が目の前にあるというのはとても嬉しかった。当然それだけでは音が出ない。他にあるのはミニコンポのみ。パワーアンプだったなら間に結線すれば音の違いも確認できようが、プリアンプでは端子が合わず、それも出来なかった。だからプレイヤー、パワーアンプ、スピーカーが揃うまでオブジェと化していた。電源も、揃うまではまだ入れないぞ、と決めて、仕事に行く前、仕事から帰ってきたとき一通り眺めるのが日課だったときもある。出てくる音を想像しながら。

今はどうか。

相変わらず欲しいものに間違いがないか、レビューを何度も読むのは変わっていない。手に入れたとしても眺めるだけで満足するのも変わらないだろう。しかし結線がすぐできるので実物を前にして想像しながら眺める日課はもうやって来ない。そこは貧しくなった。

「新しい技術が生れる。すぐに飛びつく。商品化する。また、新たに技術開発をする。また、商品化する。そのとき、前のものは簡単に捨てられてしまう。捨て去っても惜しくない程度の「技術」だったのだろうか。あるいは、それほどまでにも商品として完成度が熟されていなかったのだろうか」
これはよく考える。特にフラグシップとなるものならば尚更だ。そしてその技術を横(下)展開して軒並み変えてしまう。開発側は勇んで商品化するのだろうが、購入者としてはこれを頻繁に、短い期間でやられると、それはもううんざりするし、どうせまたそのうちヴァージョンアップするんだろうと高を括って購入を渋るようになる。

後半(その二)からはオーディオのことに限らず、車のことや、色々なことについても書かれている。スピードのその先には何があるのか?日本人の叡智と努力、それを感じさせ、同じ日本人として誇らしくなれるようなものは今どれだけあるのだろうか?浦島太郎は楽しさのあまり、あっという間に時間が過ぎた、つまり、時間経過を認識していないから老けなかったのでは?ジェット機と複葉機はどちらが人間味のあるロマンとして捉えられるか?等々。


それから少しネット彷徨をして岩崎千明氏に因んだことを書いていた人のブログを見つけた。

レイオーディオRM-6VとDEQXを使っていたり。自作派の人。エンクロージュアはともかく、リスニングルームの内装も自作していて凄い。雑誌に取り上げられてたようなのでそこそこ有名な方なのかも。「オーディオ専門、専用」と付くと途端に金額が膨れ上がることに疑問を抱いていたようだ。なかなか興味深い。ブログ更新が途絶えてしまっているが……。
Digital Jazz-audio の楽しみ
https://milestad.blog.fc2.com/blog-entry-54.html


もう一人。
高価な機器よりソフトの充実を優先している人。
私は機器とソフトだと機器にかけた金額の方が大きいから耳が痛いなァ。
まだ読みかけだけどなかなか面白い。
じっくり聴くモダンジャズの検索ツール Nelson's Navigator for Modern Jazz
http://modernjazznavigator.a.la9.jp/audio/b9.htm
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Posted at 2020/12/04 08:49:39

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