
ここに来て新キャラクター、登場。
剣持真希士。見た目は陽気で大柄な火渡戦士長と言ったところ。正直この表紙イラストだけ見たときはカズキと火渡が仲良くなる話なのかと思ってたくらい。全然違った。
読んでてまずおかしいなと思ったのは、錬金の戦士を名乗る真希士が先のヴィクター戦という錬金戦団にとっての大戦となる立役者である武藤カズキのことを知らないということ。
気になる点としては2点。
1つ。
バイトをしないと言った六舛は代わりに何をしようとしているのか。
2つ。
真希士はなぜそんなに臭いのか。
真希士の性格は和月漫画でいうところの所謂「気の良いあんちゃん」タイプ。るろうに剣心で言えば相楽左之助。恩義に厚く、バトルスタイルは近距離パワー型である点でも一致している。
読み終わると真希士は新キャラクターでありながら、本編で既に出ていた、あのキャラクターだったことが判明する。その期間のことを考慮すればカズキのことを知らないのも当然。つまり、とある部分の話の掘り下げである。今作は和月の要望によるキャラクターを小説化しているので黒碕女史による勝手な創作蛇足というわけではないし、読まなければ読まないで本編に支障は出ない。尤も、黒碕女史は昔から和月漫画に関わってきているため、今作でもそのフレーバーは遺憾なく発揮されている。
臭いについては何かの伏線かと思ったが言及はなかった。私の想像としては、死臭……ですかねぇ……。
登場シーンが全裸で記憶喪失ってジョン・ドゥっぽいところもある。エンバーミングはこの小説の後に描かれる作品であるが。
サンライト懐中電灯のくだりは納得。カズキはいつだって全力なのだから。習得するための手加減に苦労するカズキの修行風景が目に浮かぶ。
上記に読まなくても本編に支障はないと書いたが、読んでみてどうだったかというと、読んで良かった。ジャンプ名物Dアサ氏はこの物語を救えなかったパピヨンの話と評したそうだが(それ故に「武装錬金」として出せる話と黒碕女史は判断した)、なるほど、編集者らしい目線の評価で感心した。視点を変えれば確かにそういうようにも取れる話だ。
キャプテン・ブラボーの「楽しかったなぁ……戦士・真希士」の台詞が切なくてお気に入り。本編の「越えたなぁ 戦士・カズキ」を引用してるのは明らかだ。尚、//を読んでいるとブラボーのキャプテンたろうとする姿勢の理由にもすんなり入ることができる。しかし/Zは時系列としては//の続きだが//を読んでいなくても問題はない。でも浮いた話でもない絶妙なところにある。
作中はちょっとした叙述トリックも使われているので、映像化するとその辺は台無しになるだろう(笑)
これをもしOVA化したら和月のいうことはこうだろう。
「今更ァ!?」
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2024/09/16 05:15:25