2020年04月01日
今日は真面目なことなので真面目に書く。
いや、いつも真面目と言えば真面目。
オーディオ雑誌、ステレオサウンドには巻末の方に在日韓国・朝鮮人のクラシック音楽評論家、文芸評論家、許光俊によるコラムが載っている。
……まあ、私の好き嫌いはひとまず置いておこう。
No.212号で要約すると彼はこう言っている。
「日本のオーケストラは聴く価値がない」
本人曰く以前から長いこと言っていたそうだ。
そして昔からこの評論家を知ってる人からすると「今更何を。こいつは昔からこんなだよ」という感じ。耳が聞こえてたのに聞こえないふりをしていた某音楽家(失笑)を絶賛していたのに、真実が明かされたら「騙された」と被害者顔をするくらいで、その程度だから、さえずりに過ぎないし、ネット論としては真面目に相手するだけ損だ、と。往なし方を心得ている。
そういう人物だとしても、譲れないものに結構カチンと来る。来た。
日本のオーケストラと一括りにして言うくらいならすべて網羅した上で言ってんのか? いや、してないだろうな、というのはある。
しかし、ふたつほど。
まずひとつ。
プロ、アマ、学生、生徒問わず、日本のオーケストラに属するすべての人たちに対して、音楽やってる意味がないと言っているのと同じであること。
私が日本人だからか? 日本のオーケストラがゴミと言われて良い気はしない。それに日本のオーケストラを聴いて感涙した気持ちも否定されてるようなのも併せてね。
次にふたつ。
そのことをステレオサウンド誌が載せたということ。
編集部としては、寄稿されたものは「これはまずい」と特に指摘せずそのまま載せることをしていることは間違いない。捏造せずにある意味正直な動向で好感は持てるところでもあるのだが……。書いたのは本人だが載せたのはステレオサウンド編集部であることは事実。この場合、私にとって不愉快をバラまいた責任は半々と言ったところだろう。
更に派生して、もうひとつ。
No.214号で音楽評論家にオーディオを聴いてもらって感想を、というコーナーが掲載されたが、その相手が許光俊であった。元ステレオサウンド編集長でオーディオ評論家の小野寺弘滋はそこでこう述べた。
「共感する音楽評論家」だと。
あー。なに?
小野寺さんはアマチュアの指揮者もやってるって聞いたけど、お宅のところもゴミって言われてるも同然なのに、諸手を挙げて共感しちゃってんの?と。
私はそう受け取ってるわけで。まあ、すべてに共感できるとまでは言ってないから、ひょっしたら救いはあるかもしれない。
以前……、もうずっと前のこと。故・菅野沖彦さんが「プアマンズ・ポルシェ」に因んで、とあるスピーカーを例えたら、一人の読者が怒り狂って購読するのをやめた、という話が載っていた。菅野さんとしては、プアマンズ・ポルシェというのは「お金がないけど、いつかはポルシェを乗ってやるぞ」という人たちの気概が込められている、蔑称ではなく、むしろ愛称として使われている単語だから、今はまだその下位のスピーカーを使ったとしても、高い志を求める人たちには相応しいスピーカーだ、ということを言いたくてそう例えたんだよ、ということが載っていたのだ。しかし、如何せん字数も限られていたし、そこまで書くことはなく、真意を読み取ってくれと願っていたそうだ。その読者には伝わらなかったが。
私は許光俊のコラムを読んでカチンと来たと同時にこのエピソードを思い出した。つまり私は何か裏を読み取れてないのではないかと。怒り狂うのはまだ早いのではないかと。
しかし、どうだ。No.212のコラム内で、許光俊はこうも言っている。要約。
「今も日本のオーケストラは相容れないが、それは日本のオーケストラの持ち味で、それはそれ。これはこれ。京都の料理のようなものだ。変わらないならもう腐す必要もないか」と。因みにそのコラムのタイトルは「京都」。
ふむ、聴く価値がないと思ってることは撤回しないらしい。じゃあ、叱咤激励かというとそうじゃない。ただ好みじゃないから単に乏しているだけだ。2ページも使ってるのに字数が足りないなんて言わせない。
何も私の気に入るような記事書けってんじゃないの。書くのは本人の自由だし。
それによいしょ記事よりは良い。私も前から(上述した肩書がどうであれ)言いたいこと言ってる評論家で、裏表がないのは認めていた。
ただ、それでも……。
なーんかすっきりしねえなァ。それだけ。
私は海外のオーケストラも聴くが日本のオーケストラも聴く。
そこに好みの差異はない。むしろ音楽の方で好き嫌いの差異がある。
私だってアマチュアとは言え楽器を演奏するベーシストの端くれだ。
同族として楽器に携わる人を無下にしたくない。
東京都交響楽団のドラゴンクエスト。
以前、ドラクエの演奏のYouTubeをリンクしたことがあったけど、DQ11の演奏で感涙してる女性のことを書いたけど、彼女の涙や、彼らの演奏が価値がないとはどうしても思えない。
洗足学園音楽大学のフレッシュマン・ウインド・アンサンブルによる響け!ユーフォニアム。
彼らの演奏会は満員御礼で当選率が半端ない。彼らの演奏や応募するファンの気持ちに価値がないとはどうしても思えない。
東京交響楽団による聖剣伝説3 25thアニバーサリー オーケストラコンサート。
素晴らしい出来栄えだった。私を会場に連れてってくれた価値あるアルバムだ。彼らの演奏が価値がないとはどうしても思えない。
私の気持ちは変わらない。
漫画家、和月伸宏の言葉曰く。
「納得できたら、愛でるものをお互い愛でていきましょう。納得できなかったら相容れない所で愛でるものを愛でていきましょう」
これも想起した。
皆さんは日本のオーケストラや、そこにいる音楽家たちはお好きですか?
Posted at 2020/04/01 20:47:08 | |
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音楽 | 日記