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2020年08月05日 イイね!

「オーディオつれづれぐさ 春日二郎・著」読書感想文

「オーディオつれづれぐさ 春日二郎・著」読書感想文アキュフェーズの故・春日二郎氏の「オーディオつれづれぐさ」を読んで想いを馳せる。

時代は一気に90年代後半。
アナログ再生とデジタルファイル再生がメインでない私には、SACD発足当時前後の話が面白く読めた。(デジタルファイル再生はPCとカーオーディオでやっている)

SACDが発足(1999年)して、もう20年以上が経った。
私は未だ、発足当時においては超高額機扱いされていた「CLASSE OMEGA SACD Player」を愛用している。メカエンジンはソニーが世界にSACDの優位性を示すという使命を帯びたもの。一度、回転機構が壊れた。最近たまにディスクを最後まで読み込まないなど変なこともあるが、概ね現役だ。今日も良い音を奏でてくれた。

それよりは安価であるものの、同じメカエンジンを搭載する兄弟機、あるいは姉妹機と呼びたい「Accuphase DP-100+DC-101」を選択しなかったのは、見た目を比較したらその当時は好みではなかったことと、デジタル情報をアナログへと変換するDAC部分において、失礼ながら、技術と言うより、出力される音楽に対して海外製に一日の長があったように思え、純国産とはしなかった。これに関しては「メカエンジンは日本製でもDACは海外製が良い」と拘る人と同じと言えるだろう。昨今で言えばエソテリックにせずdCSのプレイヤーにするようなものだ。日本人には日本人なりの情熱はあると思うのだが、感性が音楽に寄り添ってないとか何とか言われたりもする。日本が音楽の国と言われるようになるくらいでないといけないのだろうか?日本という国のイメージが第一に音楽大国であるという認識ならば、違ったのだろうか。更にはセパレート式をやるだけのスペース(コンセントの空き)がなかったことが要因。

時代は下って現在。
冷静に思えたアキュフェーズの音質もその範疇で次第に熱(暖かみ)と色気を伴うようになり、持ち前の精緻精密さと合わさり、だいぶ好みになってきた。最近の外観デザインは「DP-100+DC-101」よりも好みだ。他の機器でアキュフェーズ製のイコライザーやクリーン電源も使うようになり、意に寄り添ってくれている。

そんな折、50周年。
世界初のCDトランスポートとDACのセパレート式CDプレイヤーを世に送り出して以来「ディジタルのアキュフェーズ」と呼ばれていたメーカーが50周年を迎える。アンプから始まった半世紀分の歴史で培った結晶を体現するのだ。でありながら、これから先をも見据えた、年月が経過しても容易に陳腐化しない音を創りあげてくれるだろう。期待しない方がどうかしてる。尤もまた5年も経てば、更に良いものが出てくるとは思うが、それを言ってたらいつまでも購入できないし、
SACD発足から約20年ということも考えると、いい加減最先端のものに触れたいなと思う次第。

そしてそれは2chである。
私は知らなかったが、95年頃「これからのユーザーは更に高度なものを求めるだろう。だから4chないしマルチチャンネルに進むべきだ」と提唱する動きがあったという。反対意見としては「場所も取るし費用も掛かる、そのくせ効果対費用は悪い。そんなものが浸透するはずがない」というものだったという。未来である現代の答えは……2ch特化である。25年経ってもコストパフォーマンス、利便性は覆せなかったのだ。結局、聴くとなれば多人数より個人が優先される趣味であるし、メーカー側も開発に難儀するし、結果的にマルチの方が面倒だと思う人が多かったのではないか(ソフトも少ない)。今やマルチチャンネルはAV方面、2chはピュアオーディオ、と住み分けされているのが主な現状だ。マルチ対応のハイエンドSACDプレイヤーは探す方が大変なくらいなのだ(最早ステレオサウンドでも取り上げ方が絶滅しているも同然)。ベストを尽くす場合、2chの方が到達しやすいことも無関係ではあるまい。結果が出にくいものは敬遠しがちなのだから。

しかし忘れてはならないのは、新たなプレイヤーを使って今まで聴こえなかった音が聴こえるようになったからといって、のほほん漠然漫然のんべんだらりと聴くのは良くない。聴こえるようになったら聴こえるが故に自ら聴きにいくという行為は疎かになりがちだ。そうなったら趣味としてのオーディオの何割かは成立しないだろう(よく誤解されるが、自ら音楽を聴きにいく、極めて能動的な趣味なのだ)。ただ入れ替えただけで聴こえるようになった場合、それは機械の力であって主たる我々の能力ではないのだから、そこで止まることなかれ。貪欲に更に良い音、良い音楽を奏でようとする行為、それこそがオーディオ趣味の真髄のひとつである。PCで文字を入力する内に漢字が書けなくなっていたというような、良い機械を使ったら良い音を追いかけなくなっていたというのは何としても避けたい。

それにしても手持ちのオーディオ機器には不思議なことに買い替える気がまったく起こらないものに出会うこともある。目星を付けて購入したものがそうだったりもする。「CLASSE OMEGA SACD Player」も勿論そういうつもりで購入したわけだが、よりによって一番高価なものを買い替えることになるとは複雑な心境だ(売り飛ばすわけではないから、少し違うが)。

AVについて。
これはヘッドフォンシステムの方で実践している。しかし本格的ではないかも、とやや消極的に言う。ただしA寄りではある。だが映し出される映像は自分なりの好みに調整して、映ったものをそのまま享受しているわけではない。受け身で見るのではなく、能動的に観ている。ではAはどれくらい本気でやっているかと言われたらオーディオテクニカのヘッドフォン、ラックスマンのヘッドフォンアンプを使って、尚且つdbxのイコライザーまで入れてやっている。2ch特化だ。つまり、スピーカーを周りにずらりと並べたマルチチャンネルはやったことがないため、本格的なものはやったことがないということだ。しかし、およそ80万円(有機ELテレビのBRAVIAを加算したら120万円ほど)のものを本格的ではない、と断言するのもどうかなと思わないでもない。Aに取り組む気持ちとしては音楽を良い音で聴きたいというピュアオーディオに通ずる想いと同等である。先述の通り、Vに関してはプロジェクター&スクリーンではない。「自分なりの映像美」を実践してるので引け目を感じる必要はないのだが……。こんな私はAV派に片足を突っ込んでいると言えるのか?第三者にしかわからない。そもそもホームオーディオも他人に「ガチ勢ですね」と言われるまで自覚がなかった。そういうものなのだろう。成るべくして成った、それだけである。

音像定位は必要である。
くっきりはっきり濃厚に混濁なく音が視認化すると、より音の区別がしやすくなる。目で見て音像の区別がつくということは、聴き漏らしていた音さえも認識できるということだ。つまり「こんな音が入っていたのか」と気付き易くなる。実在感も増すし、上下左右前後に展開する音像定位は必要である。尤も音の質感が出ていない音像は求めていない。

良く出来たSACDプレイヤーはCDの音質もSACDの音質に肉薄する程良いと言える。安価で「鳴ればいいレベルのSACDプレイヤー」のSACDの音質よりも上回る。ここに関してはできればCDとSACDの優位差は質感の向上に努めてもらいたい。ハイ上がりに鳴るSACDの音質は願い下げだ。

海外製スピーカーを使うこと。
私も使っている。なぜか。外来文化崇拝からか?否。カーオーディオは国産メーカーで揃えたため、ホームオーディオは翻って海外製で固めようと決めていたから。それに科学の産物である以上、特性は大事だが、肝心なのは聴いてどう思えるかだ(決して測定反対派ではないことは述べておく)。残念ながら当時の国産スピーカー群よりもKEF Model205が優れていると判断した。ステレオサウンドでの柳沢氏、和田氏両名のレビューはユーザーとなってから読んでも概ね当たっていると思える。つまり当時のKEF開発責任者のAndrew Watson(アンドリュー・ワトソン)氏が私の好みに沿ったものを作ってくれたということになる。彼はベースも嗜む人だ。

オーディオ音楽の描写は芸術でありフィクションでもある。
虚構には際限がない。追い求めさえすればどこまでも自己表現を求めることができる。しかし、オーディオにおける決まり事である一定のルールに従って、というのがミソだ。この辺り、小説・マンガ・アニメなどが氾濫しているが、それらにも一定のルールがあり、何をやってもいいわけではないというのは意識無意識に限らず周知の通りだろう。

アメリカでの生活。
日本ではない出来事という意味でも「非常に」面白い。交通違反事情は神経質そうな日本の方が緩いようだ。その国の恋人を作るのが語学に良いというのはマンガ「暗殺教室」で、とあるキャラクターの台詞にもあったのを思い出した。

運命の流れ。
初めて読んだ気がしない。というか、多分どこかで一連の出来事を読んでる気がする。宴会の最中、金賞受賞で沸き立つ社員たちの逸話は印象的だから、他と間違えようもない。P-300を今の時代の最新最先端スピーカーで鳴らすとどういう感想を持つのだろうか?当時は至極高価なアキュフェーズ製品だったが、今となってはむしろ安価に思える(無論、高級価格帯の中に限る)。

科学技術を通して人間性の向上に尽くす。
「アキュフェーズに参画する企業はこの価値観、倫理観に共通した企業を望む」とある。なるほど、私の勤め先の企業理念も似たようなものだ。だからアンプに○○を使ってくれてたりするのだろうか。手に入りやすいとか安価であるとか特性が優れてるとか、色々あると思うが、仮にそういう企業のものでも人間云々どうでもいいと理念を掲げていない企業のものは使わないと、そういうことなのだろう。

See'sのチョコレート。
現代は物を求める時代はとうに過ぎ去り、豊かな価値と創造を求める時代に突入している。最早テレビが欲しい、冷蔵庫が欲しい、洗濯機が欲しいという時代ではない。物品に満たされた人々が次に求めるものは何か。マズローの法則にもあるが、そういうものなのだろう。オーディオを駆使し、求めるものは間違いなくそこに叶ったものである。

良い内容だった。
精神面での話も多いので、時が経とうとも通用する話が多かった。

オーディオは楽しくてたまらない趣味だ。
Posted at 2020/08/05 23:03:09 | コメント(1) | トラックバック(0) | オーディオ | 日記

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