
「新録ピアノアレンジ」
スタインウェイの音だなァ。少し硬質で冷徹な音。「冷徹」の意味は各自辞書を引きたまえ。真・女神転生Ⅲには情感たっぷりで豊かなベーゼンドルファーや、もう少し中庸なヤマハより、スタインウェイの音質が世界観に相応しい。
音量は並み。ピアノソロだからと、よくあるクラシック盤のように音量を上げる必要はない。
音像の出方はスピーカーのやや後方にピアノが置かれているように定位する。ノイズもなく良好。
さて、ピアニストだが「Duke of Pianeet(ピアニート公爵)=森下唯」。どうやらニコニコ動画で頭角を現したそうだ。私はその手の動画はチェックしないから知らなかった。クラシック業界の閉塞感への憂慮から(少なくともクラシックよりは)若い世代に一般受けしているアニメやゲームの音楽を演奏して、間口を広めることをしているそうだ。「クラシックはいいものですよ」とそう言いたいけど「クラシックってお堅いイメージがあるし敬遠しがち」な人たちにもアピールしているのだ。
こういう人を起用する辺り、そういう場で活動するのは今や決して異端ではない。なんだ、ニコニコ動画出身か。とバカにするような人は頭が固い。FF12のピアノアレンジもネット活動してた人をスカウトしていた(ニコニコ動画ではないが)。自らの才能を認めてくれる人に出逢う確率は世界規模に広がる。創生の刻だ。
10トラックのスタッフロール。
この曲はゲーム内でもピアノ音源だが(実際のピアノ音ではない)、原曲ファンこそ聴いてもらいたい。清妙巧緻。正直、それまでの9トラックはアイドリング状態ではなかろうか、とさえ思った。
「レアサウンドトラック」
こちらはサントラに収録されていなかったゲーム音源。あー、聞き覚えあるけど、確かに入ってないなというもの。
因みに音質はオリジナルのサントラよりはマニアクスのサントラのように低音がどっしりしている。
サントラに入れてなかったのは没曲扱い……ではなく「この曲はわざわざサントラに入れる必要はないんじゃないか」との判断で入らなかったもの。……なんだけど。
声を大にして言いたいが、それは小さな親切大きなお世話を通り越して、お節介でしかない。購入者を気遣ったつもりというのは充分承知のうえで言いたい。気持ちはわかるのだが、ファンは使われてた楽曲はたとえ短いME(ミュージック・エフェクト)だって収録しておいて欲しいくらいなのだ。ディスクが増えて値段が上がる?上げればいいじゃない!ファンはどうせ「それしかないのなら」買う。「これ、入れる必要ないんじゃないの?」と文句を言うやつはファンではない。せいぜい安く聞いていろ。
だからもっと要求する。
未収録曲集と呼称しながらまだ入ってない曲があるからだ。
戦闘曲な。ニコニコ動画にはある。
因みに真・女神転生Ⅲだけではなく、アバタール・チューナーにも同じことが言える。目黒さん、頼みますよ、ホント……(涙)
ゲーム作曲家は自分の作曲したものは、世の中にレコードとして放出する機会があるのなら、出しきるべきなのだ。
……え?
今回のことで味を占めて、アバタール・チューナー1&2のHDリマスターをしたいなら存分にやってくれていいのよ?
アバチュは小説も合わせてどうぞ。(ファンの勝手な宣伝)
Posted at 2020/11/03 13:56:19 | |
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音楽 | 日記