
オリジナルは音質が悪いということで悪名高いとCCCD(Copy・Control CD)に入っている。それがBSCD(Blu-spec CD)という器に入れられ、尚且つリマスターしましたよ。という盤。
つまり、高音質を謳っている。
高音質って何?を論議すると長くなるので割愛する。
ここでは私のオーディオオタクとしての興味があり、どれくらい変化しているのか、どうリマスターされているのか、という点に基づいた話。
聴いてみよう。曲は「Set Me Free」。
これね。
正直に言うけど、出だしのギター、違いが分からない。ベースやバスドラの低音が若干盛ってあるかな、でも低音がブーストされてる割には聴いた印象がオリジナルと変わらないということは中高音も負けじとバランスを取ってあるということになるのだが、パッと聴いた感じではあからさまに音量を高くしてリマスターしてるわけではなさそう。Aメロのベースラインの音の粒はくっきりはっきりしている。ここは分かりやすい。でも全体的にはやや低音寄りかな。
1曲聴いてこうなら他の曲も同じ感想になると思われる。
ただ、純粋にCCCDとBSCDの優劣は分からない。何故なら中身がリマスターされているから純粋比較は成り立たない。ついでに言うと器が良くても中身次第だと思っている。今回のリマスターに相応しい器が大人の都合でたまたまBSCDなだけだったのではないか。物は言いようだ。
「Big Machine」も聴いてみる。
これね。
印象は変わらず。
ではどういう人がこの僅かな違いを明確に捕らえることが出来るだろうか。
①オーディオにこだわりを持たない人。
②楽器演奏の経験がある人。
③オーディオと再生音にこだわりを持つ人。
④ヴェルヴェット・リヴォルヴァーが好きな人。
いずれにしろなかなか難しいと思う。まあ、私が一発で聴き分けられなかったから他の人も無理だろうというつもりはさらさらないが。それはただの傲慢である。
買って良かったリマスター盤というのは実はそんなに多くなくて、色々な意味で初期の頃だから低音がスカスカだったし入るようにしたとか、現行のアルバムのバランスに近付けて売り出したとか、そういうやつはまあまあ満足度は高い。良く出来たものはしなやかさを感じる。
悲惨なのは音質に何ら違いも感じないのに左右チャンネルだけは入れ替わってるとか、音圧上げすぎてピーク音が潰れてる(耳に刺さる)とか、オリジナルと違いがないのでは、とか、そういうやつ。
私が買うリマスター盤はロックとヘヴィメタルがオリジナルを持っている場合が多く、それがほとんどを占めていて、クラシックとジャズは元を持っていないからリマスター盤でもそういうものだと受け入れてしまってるものがあったりする。知らぬが仏というやつだ。
ほとんど博打みたいなものである。今の時代サンプル音源を聴いてから買うことも出来るだろうが如何せんメインオーディオはオフラインだ。PCオーディオでもわかるときはあるけど本性が聴こえることはない。だから結局蓋を開けるまでわからない博打。
今回のリマスターは辛口評価。
ファンか、お金が余ってる人か、間違い探しをしたいという人に勧めることが出来る。
甘口評価をするなら、破綻なくまとめあげられていると言ったところか。良く言えば低音でどっしり、悪く言うと抜けが悪い。どっしりしてても抜けの良い音質ってあるからな……。ドラムの音が痛快にスコーンと抜ける音を期待していた。
で、最初に戻るが、CCCDの呪縛から抜け出した音は良くなるのか問題。今回はBSCD仕様のもので駄目だこりゃという盤を持っていないため、期待値が高くなりすぎたのかもしれない。リマスター作業に当たったスタッフの皆様、お疲れ様でした。
音圧お化け盤になっておらずラウドネス戦争に荷担していないのは安心した。「音圧を高めてパンチを効かせた演出」か「細部のディテールを自然に表現する演出」かと言えば今回は後者。「音圧を高めず細部のディテールを自然に表現してパンチもある演出」というのは無い物ねだりだろうか。音圧はこっちで足りないと思ったら上げるからさ。その為のプリアンプじゃん?
曲自体はとても善きアルバム。ロックンロール。
耳がリマスターに馴れてないから、聴き飽きるくらい聴いてからオリジナルを聴くと、そのありがたみがわかるかもしれない。こんなもんかと決めつけるには時期尚早。
Posted at 2024/10/08 23:25:42 | |
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音楽 | 日記