
C・エドワーズ選手談(2位)
「緊張の48分間だったけれど、スタート直後は表彰台獲得などまったく考えられなかったんだ。スタートで何が起こったのかはっきりしないが、とにかく大勢があらゆるところから攻めて来た感じだった。僕はフロントに初めて試すタイヤを履いていたので、その感触をつかむまでに少し時間が必要だった。
そして勢いが出て、タイヤの感じもわかってきてから、ようやく僕の本来のプッシュを始めることができたんだ。でも残り7、8周くらいのところでは、コースのどこで雨が降っていて、どこで降っていないのかがわからなかったので、何度か転倒しそうになった。そして常に、どこでグリップし、どこでしないかを考えながら走ったんだ。このような状況ではミスをおかしやすいし、タイヤの左側が暖まらなかったこともあって、懸命に意識を集中しなければならず精神的にとても疲れてしまったよ。そのなかでもド・ピュニエとの差を一気に詰め、ついにはバトルへと持ち込んだ。コースのいくつかの場所で彼のほうが速く、またその他のいくつかの場所では僕のほうが良かったが、最終ラップで運良く彼をパスし、そのまま抑えきることができた。ドビツィオーゾからはかなり離されてしまっていて届かなかったが、最後のドニントンで2位を獲得できたことは素晴らしいと思う。いつも僕を支えてくれるテック3のみんなに感謝。ヤマハとブリヂストンも、今日はとても良く走ってくれた。今は本当にハッピー!」
V・ロッシ選手談(5位)
「ホルヘが転倒してしまった後は優勝に向かって突き進んでいた。だってそれがいつもの僕のスタイルだからね。今になって考えてみれば、あのときドビツィオーゾを先にいかせるべきだったんだろうけど、今日のような難しいコンディションのなかでは判断が難しかったんだ。スリックタイヤで雨のなかを走るのはリスクが高く、今日もとても滑りやすかった。左コーナーがすべて濡れていたので、タイヤの左側が暖まらず、それが転倒の原因になったと思う。低速コーナーだったからマシンのダメージもほとんどなかったのは幸い。
実際、転倒の前も後もマシンは絶好調だったんだ。再スタートしてからは、雨が降っていたけれどスリックのままいくことを決意して、一気に挽回していった。その結果として貴重な11ポイントを手にすることができたよ。そして、これによってチャンピオンシップのリードを拡大することができたんだ。転倒は残念だったけれど、ライバルたちに差をつけて夏休みを迎えられるのは本当に良かった。ドビツィオーゾはもちろんだけど、とくに2位のコーリンを祝福したい。今日の彼はまるでデビルみたいだったよ!」
D・ブリビオ、チーム監督談
「今日はチャンスを逃してしまったけれど、そのなかでも何とか納得できるところまで挽回できたので良かったと思う。あのような難しいコンディションではミスも起こりやすいが、最終的な目標はやはりチャンピオンシップだ。それを考えれば、今日の結果は残念なことではなく、むしろ評価すべきこと。これでレース1回分のリードができたわけで、大きなアドバンテージを得たと言える。次の戦いに備えて、このあとはしばらく休みに入る」
J・ロレンソ選手談(リタイヤ)
「スタートがうまくいったし、最初の2、3周は好調で、気分良くトップを走行することができていたんだ。でも9周目の最終コーナーでちょっとしたミスをしてしまい、ラインを外して白線に乗ってしまった。あそこはとても滑りやすくて、もうどうすることもできなかった。
体は大丈夫だったから再スタートしたかったけれど、残念ながらマシンのダメージがひどすぎたんだ。こんな結果になったことはとても悲しいし悔しいけれど、これがレースというもの。悲しみなんか何の役にも立たないから、ここからまた学び、前を向いていかなければならない。バレンティーノは再スタートできたから良かったけれど、総合的にはやっぱり、今日の僕らはついていなかったと言うしかないね。このあとは夏休みをエンジョイし、たくさんトレーニングをして力をつけて、次のブルノに臨みたい」
D・ロマニョーリ、チーム監督談
「なんというクレイジーな1日なんだ! 好成績を目指していたのに、ホルヘは白線に乗って、その絶好のチャンスを逃してしまった。しかもマシンがフェンスの下に入り込んでしまったことも不運だった。これで再スタートもできなくなってしまった。今回もチームはみなとても良く頑張ってくれていて、おかげでウエットでもドライでも好調だった。それだけに、このような結果は悔しくて仕方がない。ホルヘはこのことからまた何かを学び、さらに強くなってくれるだろう。このあとは少しブレイク。ホリデーというには短過ぎるが、この2カ月間とても忙しかったので、リフレッシュすることができるだろう」
J・トーズランド選手談(6位)
「何から話していいのか分からないよ。今日のようなコンディションのなかでは、レース中にどれくらいの雨が降るのか、またどこに降るのかを判断するのが難しくて、そのためにたいへんな集中力が必要になったんだ。体を伏せて、スタートでは5番手につけたが、でもそのすぐあとには10番手まで落ちてしまった。タイヤの左側が暖まらなかったからだ。ピットに戻ってレインタイヤに交換しようかと一時は迷ったけれど、結局はそのまま、ミスをしないように慎重に走り続けることにしたんだ。
逆にピットに戻りマシン交換をするライダーもいたので、その分、順位が上がって終盤で5番手。その時点では、このままなら自己ベストの5位を獲得できるかもしれないと思い始めていたよ。地元のファンの目の前でそんなことができれば最高だったんだけれど、最終ラップでバレンティーノが一気に仕掛けてきた。S字で抜かれたあと、また一度は抜き返したんだけれど、彼はメルボルン・コーナー進入のブレーキングで再び僕を圧倒した。
あれ以上執拗に頑張ればミスにつながって、ふたりともだめになってしまうと思ったので、そこでやめて6位でゴール。これでも昨年の雪辱は十分に果たせたと思う。素晴らしい走りを見せて、表彰台を獲得したコーリンを心から祝福する」
H・ポンシャラル、チーム監督談
「とてもドラマティックなレースだった。コーリンの見事なパフォーマンスは信じられないほどだ。このような変わりやすいコンディションのなかで、かなり難しいレースになったが、ピットに戻らないというコーリンの判断はまったく正しかった。スリックタイヤで厳しい状況に対応し、しかも何度か素晴らしいラップタイムを記録しファンを魅了したのだ。彼と、そしてシーズン開幕からずっと彼を支えてきたモンスター・ヤマハ・テック3のすべてのスタッフを祝福したい。
コーリンは出場ライダーのなかでは最年長のひとりに入るが、今日の活躍は、若くなくてもMotoGPで速く走ることができることを証明した。もちろん、あとほんのわずかのところで優勝を逃したことに後悔がないとは言えないが、いま我々は本当にハッピーだ。
ジェームスのほうも本当に良くやった。昨年はここで残念な結果に終わったが、今年は、ホームGPのプレッシャーと、難しいコンディションのなかしっかり戦えることを証明して見せた。もしもバレンティーノを抑えて自己ベストの5位を獲得していたとしたら、それは本当に素晴らしいことだが、私としてはふたりを賞賛するだけだ」
中島 雅彦談(技術開発部MotoGPグループリーダー)
「今年も典型的なブリティッシュウエザーに悩まされ、スタート直前のグリッド上では路面はほぼドライながら小雨がぱらつき、タイヤ選択、セッティング調整が難しい状況となりました。ピットクルーはバイク交換に備え、準備をしながらレースを見守りましたが、路面に水がない状況ではウエットタイヤでのタイム向上は望めず、我慢のレースとなりました。トップ争いのなかでバレンティーノ、ホルヘ両ライダーが転倒したことは残念ですが、レースでは起こり得る事だと思います。最終的にはバイク交換をしない判断が奏功し、コーリンが2位表彰台、転倒から追い上げたバレンティーノが5位、ジェームスが6位を確保してくれたことは、悪いコンディションでも戦闘力を維持できていることを示したくれたと思います。これでしばしのサマーブレークに入りますが、新レギュレーションに備え、確実な準備をして新たな気持ちで後半戦に臨みたいと思います」
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2009/07/28 01:04:45