観てきました

〝リンカーン〟スティーブン・スピルバーグ監督作品です。戦火激しくなるアメリカ。南北を大きく分け、悲惨で混沌とした状況を信念と愛で状況改善に導いた第16代アメリカ合衆国大統領エイブラハム・リンカーンの物語です。劇中に登場するリンカーンは背が高く、非常に痩せ、姿勢が悪く猫背で内股で子煩悩な人でした。その長身ゆえか？、身のこなしはとてもゆったりしていて、しゃがむと立ち上がるのに一苦労するような足腰の悪い印象がありました。このリンカーンを演じたのは本作で見事アカデミー賞主演男優賞を勝ち獲ったダニエル・デイ-ルイス。彼の演じるリンカーンは素晴らしく、僕のような初歩的な情報をも持ち合わせていない人でも、リンカーンに感情移入できました。〝映画ヲタク〟と云われるスピルバーグ監督の演出は秀逸で、特に光や影や風。部屋に静かに響く秒針の音などを上手い具合に用いたシーンには引き込まれました。しかし・・・、映画会社の戦略か？、はたまたプロデューサー意向なのか？。オープニングでスピルバーグ監督自らこの物語の序章みたいなものを説明し始めます。これには初っ端から違和感がありました。正直出たがり監督はどこにでも居て、その監督の作風にもなり興味深い一面にもなります。が、本作での監督登場は非常に違和感がありました、個人的に。それとセリフ、いや字幕が多く、字幕を追っていると映像がおろそかになってしまう場面が非常に多く、疲れました。気がつくと字幕だけを読み進んでいることがしばしばだったんです。これに気がついた時の自己嫌悪とガッカリ感は取り返しが付かず、しかももう一度観よう、吹き替え版を観よう、などとは微塵にも思わなかったのは何故なんでしょう？。とにかくダニエル・デイ-ルイス演じたリンカーンは素晴らしく、NHKドラマ〝坂の上の雲〟で香川照之が演じた「正岡子規」に匹敵します（笑）。☆☆