こんばんは。
最初に断っておくと…きょうはどちらかというと、これからくるまいじりを始めたい方向けのブログになるかもしれません。
突然ですが、最近
アストロプロダクツの…
スタビーラチェットハンドル (AP022930)
スタビーラチェットハンドル (AP022929)
1/4 DR スクエアドライバー (AP023107)
これら3つを購入しました。
また、上記の 1/4 (6.3mm) ラチェットハンドル、1/4 DR スクエアドライバー用に
サイズ変換アダプター (AP022630) ※1/4 (6.35sq.) 3/8 (9.5sq.) も買いました。

これを持っていると、私の場合すでに持っている3/8 (9.5sq.) の差込角の『ソケット』や『ビット』※を先ほどのラチェットハンドルやドライバーに差し込むことが可能になります。
※『ソケット』と『ビット』って? ってなられた方にご説明しますと…

ソケットとはこういうモノで…
(写真は KTC ディープソケット 10mm (B3L-10) )
ボルトやナットなどを締めたり緩めたりするときの対象に触れるところです。

また、ビットというのはこういうネジ類を締めたり緩めたりする対象のネジ類に触れるところで、工具とかみ合う四角の部分…ソケットの結合部がなくて、軸の部分だけのタイプす。

ビットも道具の種類次第ではそのままでは使用できない場合もあるため
変換アダプターなどを使用する場合があります。
いつも読ませていただいているサイト (
DIY ラボ) の記事に、最近 初心者向けに工具の…
ソケットレンチとめがねレンチの正しい使い分けと言う記事や、
ソケットレンチの差込角の基礎知識。サイズ選びで迷ったら……という記事がありました。

また続編の
ソケットレンチの差込角選び。6.3ミリ(1/4インチ)もファーストチョイスになりうるといった記事も。
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ここからは話が少し違う方向… 私 SQUARE の人生話 (?) に飛ぶのですが…私の家は稲作の兼業農家でトラクターやコンバインなどの農機具が小さいころからありました。
そのためか分かりませんが、レンチ、スパナとか、ペンチなどもありました。一般家庭にありそうなドライバー類もありました。
(今はあまり弄っているシーンを見かけませんが、昔はユーザーのメンテが必要だったのかなぁ。)
なので小学生高学年ぐらいになると、自転車の部品をつけるとか、ブレーキの調整 (ワイヤーの張り) とかチェーンにグリスをさすなどは自分でやってました。
ただ、家にはラチェットハンドルはなかったんですよ。
成長とともに工具売り場などを見てラチェットハンドルというものがあること自体は知っていたものの、今ほど機械いじりをしないため購入する理由もなかったのですが、くるまいじりを始めるときに、市販の
ラチェットハンドルを購入しました。
これって便利ですね。
レンチ、スパナのように外して、かけて、外して、かけて…を繰り返さなくて済むし、ロックを変えると逆方向切り替わり締めていたら緩める方に、緩めていたら締める方に変更できるのがいいですね。
購入したラチェットハンドルは握り部分が伸縮式なので伸ばしたり、縮めたりできて、場所によって周辺に当たってしまう場合にかわすことができる。
そして、レンチ、スパナなどは1本で 1~2 のサイズだけに対応しているだけなのに工具の先 (ソケット) を変えるだけでいろんなサイズに対応できる。
そして、しっかりとした締め付けができて、最高の工具。
メリットが多いですね~ラチェットハンドル様々です。
素人なので当時はその程度にしか捉えていませんでした。(いや、今でも素人ですが、当時よりはだいぶマシになったと思います。)
ちなみにここ数十年では握り部分の長さが変わることで締め付けトルクが変わるということを意識するようになりましたが、購入したぐらいのころは全然意識してませんでした。
先にこのサイトのページ ( →
https://ktc.jp/torque/torque.html#about_torque_ex) を読んでいただきたいのですが…
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○トルクとは?

トルクとは、Lの長さのレンチ(※)でFの力をかけた時にボルトに与えられる回転力Tの事です。
力(ニュートン) × 長さ= トルク(ニュートンメートル)
※正確には、Lはボルトの回転軸から力をかける点までの距離(上図参照)ですが、ここでは説明を容易にするため、レンチの全長をLと表現しています。
例えば、100N(約10kgf)の力を1mの長さのレンチにかけた時のトルクは100N・m(約10kgf・m)となります。
100N(ニュートン) × 1m= 100N・m(ニュートンメートル)
○長くなるほど大きな力がかけられる
トルクとは「F(力)✕L(長さ)」ですから、長さが長くなるほど大きなトルクがかけられる事になります。
100N(約10kgf)の力を2mの長さのレンチにかけた時のトルクは200N・m(約20kgf・m)となります。
100N(ニュートン) × 2m = 200N・m(ニュートンメートル)
○長くなるほど軽い力で作業できる
ボルトを100N・m(約10kgf・m)で締め付けるとき、2mの長さのレンチを使えば50N(約5kgf)の力で作業ができます。
50N(ニュートン) × 2m = 100N・m(ニュートンメートル)
しかし、ボルトにはそれぞれ適正な締め付けトルクがあり、ボルトの種類や締め付ける場所・目的に応じて締め付けトルクが規定されています。レンチも基本的にはそのボルトに適正な締め付けトルクに耐えられる、又はそのトルクがかけられる長さに設定されているのです。
--- 上記は KTC Web サイト『
トルクレンチとは?』より引用・抜粋。 その他『
ねじはなぜ締まるのか?』といった基本的なことも書いてあり、勉強になります。 φ(..) )
そのため、単純に長い方が対象から離れられて楽とか思っていた時期もありましたし、締め付け意識し初めても、締め付けの力のかけ方を楽したいとか、ついボルト・ナット類の緩みが怖いためトルクを大きくかけるために長くしたり…。
また工具売り場を見ると冒頭のような小さな握り部分のラチェットハンドルも売られていたりして、『こんなの何の役に立つんだ。しっかりとトルクをかけられないばかりか、ボルト・ナット類を締め付けるときにトルクが足りなかったり、きちんと閉めることができないのでは? ただ小さくなるとくるくる回りやすいので早回しにはいいかも。』ぐらいで考えていました。
しかし、
先の記事を読んで『!』と思うことがあって、冒頭の道具を購入したのです。
私の場合も結果的にそうでしたが、クルマいじりをこれから始める方は、
DIY ラボの記事の通り、いちばん最初に買うラチェットハンドルはソケットを差し込むところ…差込角が 3/8 (9.5sq.) のラチェットハンドルを買っておけば、問題無いと思います。
大抵の作業はこれでこなせますし、こなしてきました。ソケットも2面幅 (ボルトの6角の幅) が 10、12、14 があれば大抵の作業はできます。
ただ、問題があるのは2面幅が 10 のボルト。
たくさんの部分で使われていて、部品同士のちょっとした固定、締結に使われているようです。このボルトの場合だとそんなにトルクを必要とする場所に使用されていることはありませんから、クルマいじりを始めたばかりのころだと一番出会いの多いボルトです。
たとえば、先日、私が行った作業で、

この部分 (
パーツ) の締め付けトルクは
整備書によると、締め付けトルクは2本とも 5.0 N・m (51 kgf・cm) になっています。
正確なトルクの締め付けは
トルクレンチなどを使用していただきたいのですが、この部分の締め付けは実作業的にはボルトの面が触れてこれ以上は工具じゃないと回らないかなというところから 1/6 回転ぐらい (時計で言えば、0時からまわして2時ぐらいでしょうか?) がちょうど 5.0 N・m ぐらいでした。
実際のところ、

2面幅が 10 のボルトの場合は、経験的には大抵の作業で 5~10 N・m ぐらいに収まります。
(参考)
ねじの呼びと工具のサイズ・降伏締付けトルク参考値 (KTC)
※ボルト・ネジの直径を選ぶと必要なトルクが表示されます。ただし、こちらの KTC のサイトは降伏締付けトルクなので、ネジがダメになる直前の最大で締め付けることができるトルクが表示されますのでこのトルクで締め付けてしまうと基本ネジは使い捨てです。(つまり適正トルクを表示している訳ではありませんので注意。)
(強度区分はネジの材質などで強度が異なり使用されている場所に合わせて使われています。強度区分の判別は、トヨタの場合別のブログに掲載していますのでここでは割愛します。)
そんな出会いの多いボルトですが…さきほどご紹介したような握り部分が伸縮式の 3/8 (9.5sq.) の差込角のラチェットハンドルだと…
使用箇所やボルト (ネジ) の種類によっては ネジ山をやらかす可能性が大です。 (人にもよりますが…)
実は私もその1人で、
去年 (2020年) の年の瀬にやらかしてしまっています。
… … …
最近は
整備書も手元にあり、デジタルの
トルクレンチを使用するようになったためオーバートルクになることは無くなりましたが、過去には、ラチェットハンドルの長さなんて意識せずに適当に締め付けてましたから、締め付けた時のトルクはバラバラだったか、長さを変更することをやっていなかったためある意味オーバートルクになっていた可能性があります。

それでもやらかしたのはこの場所…エアコンスイッチの下、インパネボックスの左側のパネルを外したところにあるアプセットボルト (正式には
アプセット小ねじと言うようです。) を締めすぎてやらかしました。
この部分をやらかした理由は…電気系のクルマいじりのときき頻繁に取り外しを行っていました。そのとき整備書に締め付けトルクの数値が載ってなかったのでカンでやっていたところ締めすぎました。
今思うと、ここはボルトの相手がパイプに穴を開けたところで相手のネジ山が少ないところ所なんです。
そこを通常のトルクで締めたらすぐにだめになることは想像に難くないですよね?
また、そういった場所だからこそ、高トルクをかけることができないプラスドライバーで締めることができる “ネジ” になっています。
そういった特長に早く気がつくべきでした。
ここを伸縮式の 3/8 (9.5sq.) の差込角のラチェットハンドルの中間ぐらいの長さでソケットを使って締めていたら…「あれ?
あ゛あ゛~っ」
この経験から、 (デジタルの
トルクレンチを持っていますが) 冒頭の小さなラチェットハンドルを買ったのが事の経緯です。
長かった。たったそれだけのことを伝えたかっただけなのに…。
ダラダラと前置きが長くなってすみません。しかし大事なことなのでしっかりと書いてみました。話を戻して…
つまり、冒頭の小さなラチェットハンドルやドライバーの握り手部分は、デメリットが逆にメリットもなるということ。トルクをかけることができないということは、トルクかけたくない、トルクをかけてはならない部分には最適であるということです。
もちろん小さいサイズだからこそ狭いところで役に立つかもしれません。
この先、オーリスを弄るシーンは少なくなる予定ですが、道具が増えれば作業の幅が広がりますので、さらに腕を鍛えて精進したいと思います。
(おことわり)
記載した内容について、おそらく間違いはないと思いますが知識のない私が頑張って調べた結果であって、なんら情報の正確性、整合性等に誤りがないことを保証するものではありません。この情報によって起こりえた不具合について SQUARE は何ら責任を負いませんのでご利用は自己責任でお願いします。
【関連ブログ】
・ボルトの話 - 2019年05月03日
https://minkara.carview.co.jp/userid/381088/blog/42812123/
ボルトのトルクについて調べたり考察した回のブログです。
・ (初心者向け) クルマいじりをこれから始めたい方へ ~ SQUARE が贈る、SQUARE流 道具購入のすすめ
https://minkara.carview.co.jp/userid/381088/blog/45565277/
写真・記事出典 ・引用 : (C)
DIY ラボ (Banias Co..Ltd.) /
KTC ( KYOTO TOOL CO., LTD. )