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イイね!
2016年11月12日

明治、大正期の偉大なる構造物

明治、大正期の偉大なる構造物  11月に入り、新潟県内もだいぶ冷え込む様になってきました。今日は休日の貴重な晴天でしたので例年よりも二週間ほど早いようですが、R2のタイヤをスタッドレスに交換しましたよ。冷え込んできたと言いながら、何だかんだで汗だくになってしまいました…。ともあれ、これでいつ雪が降ってきても平気ですな!
 さて、11月9日付の地元紙「新潟日報」に興味深い記事が掲載されていたので切り抜いてみました。何やら、土木学会がこの度JR磐越西線の鉄道施設群(新潟県内4ヶ所、福島県内7ヶ所)と信濃川千手水力発電所施設群を「土木学会選奨土木遺産」とやらに認定したという事が記事に書かれていました。
 このなかで新潟県内でこの度認定された磐越西線鉄道施設群というのが以下の4ヶ所になります。

 ①早出川橋梁 (猿和田~五泉間) ※五泉市
 
 ②深戸橋梁 (日出谷~鹿瀬間) ※阿賀町

 ③平瀬(びょうぜ)トンネル (日出谷~鹿瀬間) ※阿賀町

 ④徳沢橋梁 (徳沢~豊美間) ※阿賀町及び西会津町(新潟県と福島県の県境)


 ①の早出川橋梁は明治43年(1910年)に完成したガーター橋で、橋桁、橋脚共に完成当時からの原型を留めている貴重な橋ですね。「SLばんえつ物語」号を撮影するカメラマンにも人気の撮影スポットですが、人気スポットゆえに僕は一度も早出川橋梁で撮影した事がありません…。群れるのが嫌いなので(笑)。でも、いつかは…とはいつも思っていますけどねぇ。

 ②の深戸橋梁は大正3年(1914年)に完成した鉄橋ですね。ワーレントラス(中央部)、プラットトラス(両端部)及び会津側のプレートガーターという3種類の形式が用いらています。
 トラス部分はアメリカン・ブリッジ社製で、両端部のプラットトラスは完成当時からのオリジナルのものですが、中央部のワーレントラスは昭和58年(1983年)に老朽化の為架け替えられました。ちなみに、このトラスの架け替え工事では古いトラスをジャッキで横にスライドさせて川に落下させ、その後新しいトラスをジャッキでスライドさせて架け替える「落下式架け替え工法」が日本で初めて行われました。この深戸橋梁も人気の撮影スポットですので最近まで撮影した事がなかったのですが、今年に入ってから初めて撮影しました。

 ③平瀬と書いて「びょうぜ」と読むんですよね…。実は最近仕事で平瀬地区の近くに行ったので、道路看板の表記で読み方を知ったのですが、これは10人中10人が「ひらせ」と読んじゃいますよね~。平瀬トンネルも深戸橋梁と同じく大正3年(1914年)に完成しています。このトンネルの完成によって、当時の岩越線(現在の磐越西線)は全通する事になります。当時の日本では改軌が盛んに議論されていた事もあり、その影響でトンネル内部が標準軌の断面となっており、両端部は狭軌の断面になっている珍しいトンネルなんだそうです。僕はこの平瀬トンネルは実際に見た事がないのですが、このトンネル付近も撮影可能なのでしょうかねぇ?撮影に関係なく一度はトンネルを見てみたいですね。

 ④の徳沢橋梁は深戸橋梁、平瀬トンネルと同じく大正3年(1914年)に完成しています。新潟県側から徳沢橋梁を渡ると福島県耶麻郡西会津町に入り、すぐに福島県最初の駅、徳沢駅に到着します。
 中央のプラットトラスはカンチレバー式架設工法(張出し式架設工法)と呼ばれる工法で架設されたもので、徳沢橋梁は日本初のカンチレバー架橋だそうです。カンチレバー式とは、両端のトラスから中央に向かって橋を伸ばしていき、橋の中央で双方を連結する工法だそうで、この徳沢橋梁のトラスも深戸橋梁同様にアメリカン・ブリッジ社製となっています。
 この徳沢橋梁も人気の撮影スポットですが、僕の嫁さんの父上殿の実家が徳沢橋梁の手前にある集落という事もあり、これまで幾度となく撮影している場所でもあります。殆どのカメラマンは徳沢橋梁の新潟側の手前にある跨線橋から徳沢橋梁を渡ってくる下り列車を撮影していますね。
 また、橋脚はレンガ製なのですが、当時この阿賀野川(福島県内では阿賀川)における物資運搬方法がイカダによるものだった為、この徳沢橋梁を作る際に父上殿の実家がある集落でレンガを現地生産していたという話を父上殿から以前に聞いた事があります。その集落内にあったレンガ工場の場所は現在でも「工場(こうば)」と呼ばれており、集落共同の米の乾燥施設が置かれています。


 …こうして見てみても、偉大な橋梁やトンネルばかりなのですが、今日においても現役で使用されているのですから、当時の施工はかなりしっかりとしたものだった事が証明されている訳でもあるんですよね。でも…、現在でも使用されているのに「遺産」というのは変じゃないですかねェ?古墳などの遺跡などと明らかに違う訳ですし、「国の重要土木構造物」とか呼んだ方がよろしいんじゃないでしょうかね?


阿賀野川深戸橋梁



阿賀野川徳沢橋梁



阿賀野川徳沢橋梁



 
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Posted at 2016/11/12 21:20:58

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この記事へのコメント

2016年11月16日 13:56
我輩も数年前なのですが、兵庫県の山陰本線に掛かる余部鉄橋(明治時代に建立)が掛け替えられると言う時に見納めになるので見に行って沢山写真に納めてきた思い出があります。
時代の流れとは言え、風情のある風景(建造物)が無くなっていくのは寂しいものです😢
コメントへの返答
2016年11月16日 22:09
 お連れ様です!
 山陰本線の余部鉄橋!あの先代橋梁は日本を代表する鉄道橋ですよね~。僕はガキの頃に小学館の百科図鑑に載っていた余部鉄橋を渡る列車の写真を見て子供心に凄い鉄橋だなぁ…と思ったものです。
 こういったものは、多少無理をしても一度は間近で見るに限りますよね~。

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