1/20発売のデアゴスティーニ『大映特撮映画DVDコレクション』vol.11、「ガメラ対大悪獣ギロン」です。
この「〜対ギロン」は昭和44年(1969年)、3月21日封切りのガメラシリーズ第5作目です。この作品ではやはりギロンのぶっ飛んだデザインと設定に注目が集まりますよね。頭部が文化包丁みたくなってて、こめかみ?辺りから手裏剣飛ばす四足歩行怪獣って…。何から何までムチャクチャなんスけど、何故か格好良いんだよなぁ。それに四足歩行の怪獣としては珍しく尻尾がないんですよねー。ホント、手足の生えた文化包丁って感じです。本作ではガメラと対戦する前に宇宙ギャオスとギロンの対決が描かれていますが、勝負は一方的にギロンが勝ってしまい、仕舞いには頭部の刃で宇宙ギャオスはバラバラにされてしまいます。ギロンは宇宙ギャオスの肉を喰らおうとしますが、宇宙ギャオスの肉は激烈に臭いらしくギロンは喰らうのを断念してしまいます。この時のギロンの鳴き声は実際に「くせぇくせぇ」と言ったものを加工した音だそうです。ガメラはギロンの刃や手裏剣に苦戦を強いられて二度目の戦いでようやく勝つ事が出来ました。昭和ガメラシリーズといえばガメラのやられっぷりも大きな特徴であり、リベンジして最後は勝つ!という日本人好みの『お約束の王道』がたまらんですな。
本作が封切りされた前年はメキシコシティオリンピックが開催された事もあり、ガメラが鉄棒競技をして着地まで決めてみたり、当時流行していたゴーゴーダンスを踊ってみたり(実際は手足に刺さった手裏剣を取ろうとしてるんですが)と、ガメラもギロン同様にぶっ飛んでます。(笑)
キャスト陣も大村崑氏が近藤巡査という駐在さんを演じていますが、役名が近藤なので劇中でも「近ちゃん(崑ちゃん)」と呼ばれていたり、物語の最後の方では子供たちが無事に宇宙から帰還した事を喜び、メガネがずり落ちます。しかも「僕はね、うれしいとメガネが落ちるんです!」って台詞までマジで言っちゃってるし。(笑)
やっぱりさぁ…こういう寛大な作品は良いですよ。古き良き昭和という寛大な時代が生んだ観てる人を自然に笑顔にする作品ですな。今のアニメ作品や特撮作品みたくやたらと頭でっかちな作品とは比較にならない程のレベルの高い作品だと思います。
ルパン三世でも、最近の作品よりも「カリオストロの城」の方が未だに支持されている理由もそんな作品の『おおらかさ』があるからではないでしょうかねぇ?
Posted at 2015/01/25 21:47:23 | |
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