先月(令和2年12月)に購入した『人造人間ハカイダーコンプリートDVD』です。10代と20代の頃にレンタルでVHSを観て以来、この度ようやくDVDを入手できました。自分としては入手したのが遅いくらいでしたね(笑)。
『人造人間ハカイダー』は、平成7年(1995年)4月に【東映スーパーヒーローフェア】で上映された劇場オリジナル作品です。(同時上映は「超力戦隊オーレンジャー」と「重甲ビーファイター」の劇場版)
ご存知のとおり、本作の主人公ハカイダーは石ノ森章太郎原作の『人造人間キカイダー』に登場する敵役のロボット(人造人間)であり、本作はそのハカイダーを【ダークヒーロー】として描いたスピンオフ作品となっています。
監督は、前年、一昨年の【東映スーパーヒーローフェア】でも興行の中核となる劇場オリジナル作品(「仮面ライダーZO」と「仮面ライダーJ」)を手掛けた雨宮慶太氏です。
【東映スーパーヒーローフェア】では中核となる劇場オリジナル作品は50分、その他の2本(戦隊シリーズとメタルヒーローシリーズ)は各26分と上映時間が予め決まっていたため、本作も劇場公開版は上映時間が50分となっていますが、今回購入した【コンプリートDVD】は2枚組となっており、前述の劇場公開版とは別に、約26分の劇場未公開部分を加えて再編集された【ディレクターズカット版】も一緒に同梱されています。ちなみに、この【ディレクターズカット版】は翌年(平成8年)に発表されています。
例の如く、物語のあらすじは自分で書くのが面倒なので(笑)、今回も『Wikipedia』の記事を丸パクリという名の引用をいたす次第です…。
- 争いのない奇跡の街ジーザスタウンに、黒い破壊者ハカイダーが現れた。ゲートを破壊して侵入したハカイダーは、迎撃に現れた重武装兵を次々と倒していく。その姿を見た反政府ゲリラのカオルは、ハカイダーを救世主と考える。
重武装兵との戦いで傷ついたハカイダーはカオルに助けられ、ジーザスタウンが元老院の総督グルジェフに支配されていることを知る。しかし、カオル以外のゲリラはハカイダーに興味を示さず、自分達の欲望のために戦っていた。そのような彼らに対しハカイダーは「お前たちも醜い」と言葉を投げかける。
そこへ重武装兵を連れたミカエルが現れ、ハカイダーとゲリラたちを一掃する。
瀕死の重傷を負ったカオルはハカイダーと再会し、オアシスへ誘った直後に息絶える。怒りに燃えるハカイダーは、グルジェフの歪んだ心に支配された偽りの平和を破壊するべく、元老院へと向かう。 -
…といった物語なのですが、まぁ…このハカイダーのデザインが最高に格好良いんですよね~。ハカイダーの格好良さを堪能するだけでもこの作品を観る価値が充分にあるというか、逆に言えば物語を全体的に見ればイマイチ盛り上がりに欠けると言いますか、今回初めて観た【ディレクターズカット版】を以てしてもイマイチな感じは拭えないという印象があるのが正直なところではありますが、先ほども書いたように、この作品の魅力は【ハカイダーの格好良さ】に尽きると思います。
出演者に目を向けてみますと、主人公ハカイダーの人間態、【リョウ】を演じた岸本祐二さんは、この後にTBSの『水戸黄門』第29部~第31部で『助さん』こと佐々木助三郎役を演じた俳優さんです。本作のリョウ役では、一言も言葉を発しない表情だけの演技という、難しい役どころを演じています。
ヒロインの【カオル】は、既に女優業を引退されて久しい宝生舞さんが演じています。この当時はまだ女優デビューしてから2年ほどしか経っていない頃でしょうかね。ある意味貴重な作品と言えるかもしれませんね。
その他、元老院の総督グルジェフをミュージシャンで俳優の本田恭章さんが演じ、そのグルジェフによって「反乱分子」や「危険分子」として捕えられ、脳内にチップを埋め込まれ人間らしい感情を無くした男の役を、雨宮慶太監督作品の常連とも言える螢雪次朗さんが演じています。(螢さんの出演シーンはほんの少しなんですが、映像的に強烈なインパクトを残す演技を見せてくれます!)
僕が思うにこの作品、『勿体ない作品』だと思うんですよね。上映時間の制約などを設けずに予算もそれなりな体制で作ったら、それこそ【傑作】と呼びたくなるような作品に仕上がるんじゃないかと思いますね。それだけ、作品の中に登場する【素材】の一つ一つが良いんですよ!
ハカイダーの人間態、リョウ。【演 : 岸本祐二】
戦闘用人造人間 ハカイダー
『人造人間キカイダー』に登場するオリジナルのハカイダー同様、左手に【ハカイダーショット】を構えます。
ハカイダーの愛車【ギルティ】(ベース車両は、ヤマハのVMAX)
「貴様が正義なら、俺は…悪だ!」
格好良過ぎるだろ…鼻血が出るだろう…。
超高性能戦闘用人造人間 ミカエル
ハカイダーの後にグルジェフによって作られた人造人間。ジーザスタウンの公安司令官。グルジェフの語る【正義】を信じ、グルジェフの命令のみに従う。
ミカエルの武器【エンジェルクロウ】
爪先が発光し、敵の身体を貫き、切り裂く。
ハカイダー【悪】とミカエル【正義】の戦い。
黒と白の対照的な二人が印象的であり、また破壊された白い壁の内側が血の様に赤いというのもインパクトがあります。
こういった機械的な部分に生物的な表現を加えているところが、彼らが単純な【機械】ではなく【人造人間】であるという事をよく現わしていますね。
ヒロインのカオル。【演 : 宝生舞】
夢の中のカオル。夢の中に現れた【黒騎士】にハカイダー(リョウ)の姿を重ね、ハカイダーこそ、救世主だと信じるのです。
ジーザスタウン元老院の総督、グルジェフ。【演 : 本田恭章】
自分に逆らう者たちを捕らえ、洗脳、抹殺する事で作り上げた【偽りの平和】によってジーザスタウンを我が物とする。
脳にチップを埋め込まれた男【演 : 螢雪次朗】
グルジェフによって捕らわれ、脳にチップを埋め込まれ人間らしい感情を無くし、元老院によって管理される。
現在の地上波テレビドラマなら、この映像表現はきっとNGなんでしょうね。
Posted at 2021/01/17 20:09:17 | |
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