• 車種別
  • パーツ
  • 整備手帳
  • ブログ
  • みんカラ+
イイね!
2017年03月16日

第二次世界大戦 傑作機コレクションvol.29 川崎 二式複座戦闘機 屠龍(キ45改)

第二次世界大戦 傑作機コレクションvol.29 川崎 二式複座戦闘機 屠龍(キ45改)  いやはや…どうにもこうにも年度末はいかんですねぇ…。本業は年度末に一切左右されないで暇でも忙しくも無いんですけど、町内会業務が年度末やら新年度の絡みでバタバタとしておりまして苦しんでおりました。
 さて、3月7日発売のデアゴスティーニの隔週刊「第二次世界大戦 傑作機コレクション」vol.29、川崎 二式複座戦闘機 屠龍(キ45改)です。なんだか、陸軍機が続きますね~。
 1930年代~1940年代にかけて航空機(軍用機)は複葉機から全金属製の低翼単葉機となり、主脚は固定脚から引き込み脚へと変わっていくなど大きな技術革新を遂げた時期でした。そんな中で欧米各国では単発の戦闘機よりも高馬力で速力、航続距離の向上を狙った双発の戦闘機の開発が流行となり、日本でも欧米諸国同様双発戦闘機の開発が始まりました。
 昭和12年(1937年)、陸軍は双発複座戦闘機の開発に着手するにあたり中島、川崎、三菱の3社に双発複座戦闘機の開発研究を指示します。その際、各メーカーにはキ37(中島)、キ38(川崎)、キ39(三菱)とそれぞれ試作機の番号が与えられた訳ですが、実際に開発が進んだのは川崎のキ38のみでした。その後、陸軍はキ38の開発を中止させた後、新たにキ45として川崎に対して開発を指示する事になります。キ45は昭和14(1939年)1月に試作第1号機が完成しますが、このキ45という試作機には様々な問題が出てきます。双発機ということで単発機よりも高い速力を期待していたにもかかわらず、キ45の試作機の最高速度は480km/h程度とかなりの期待はずれとなり、その他にもエンジン取り付け部の空気の乱れによる失速現象(エンジンナセルストール)や引き込み脚の動作不良など次々に問題が発生しました。その後、試作機7号機よりハ20乙型空冷星型9気筒からハ25型空冷星型複列14気筒に換装され、エンジンに関する不安面は解消されていきますが、エンジンナセルストールなどの諸々の問題は未解決のままであり、結局昭和15年(1940年)10月にはキ45の開発が中止となりました。開発中止と前後して昭和15年8月頃より川崎の土井武夫技師(後に三式戦、五式戦も手掛ける人物)の下で既に制式採用が決定していた九九式双発軽爆撃機(キ48)の設計をベースとして改修型の設計に着手しており、これがキ45改と呼ばれる事になります。キ45改は翌年の昭和16年(1941年)に設計が完了し、同年9月には試作第1号機が完成します。その後、昭和17年(1942年)2月に二式複座戦闘機「屠龍(とりゅう)」として制式採用される事となります。キ45改はハ102型空冷星型複列14気筒 1080hp(海軍名 : 瑞星二一型)が搭載される事となり、キ45よりも更に高馬力となりました。
 こうして約5年もの歳月を費やして制式採用された双発複座戦闘機ですが、単発機に比べて旋回性能などが劣るなどの理由から戦闘機としての実績があがりませんでした。そうしたなかで、戦闘機としてではなく、双発機の航続距離の長さを生かした長距離偵察機や戦闘爆撃機などの用途で運用する事で二式複戦の活路を見出していきます。二式複戦が制式採用された昭和17年頃には、既に単発機でも高馬力エンジンを搭載した単葉機が登場しつつある時代でしたので、二式複戦はまさに遅く生まれてしまった戦闘機なのでしょうね。しかしながら、この二式複戦は昭和20年8月の終戦まで運用される事となり、特に大戦後期の日本本土上空におけるB-29など戦略爆撃機の迎撃には一定の戦果を挙げるなどの活躍を見せています。紆余曲折を経てようやく制式採用となった二式複戦でしたが、当初の計画していた運用法とは違った高高度における迎撃という、ある意味日本の戦闘機が苦手としていた運用方で一定の戦果を挙げたというところが実に面白いですね。










ブログ一覧 | その他乗り物 | 趣味
Posted at 2017/03/17 00:04:43

イイね!0件



今、あなたにおすすめ

ブログ人気記事

場所の確認(備忘録)
ND5kenさん

あっ!細長いカルガモがデュエットフ ...
カンチ.さん

0813
どどまいやさん

朝の一杯 8/15
とも ucf31さん

前線消滅!時間無いCCWGPブース ...
NTV41chさん

実録「どぶろっく」183
桃乃木權士さん

この記事へのコメント

2017年3月21日 12:35
こんにちはヾ(=^▽^=)ノ
このシリーズはリアルに作り込まれてて集めるの楽しいですよねるんるん屠龍まで発売されるとはびっくりです(οдО;)
夜戦としての対爆撃機戦が評価されたのかな?
そしてマダラがリアルですぴかぴか(新しい)

それにしても…二式戦と聞くと音速で(笑)鐘馗に変換されるのはどうしたら良いのでしょう(^o^;
コメントへの返答
2017年3月21日 21:42
 お疲れ様です!コメントありがとうございます。
 税込み1,998円でこのクオリティだったらまずまず良い方ですよね。このシリーズは戦闘機に留まらず、爆撃機や攻撃機、遂に実戦に投入されなかった試作機なども製品化されたり、今回の様な双発機がチョイスされたりと、なかなか集めるのが楽しいですね♪僕は日本陸海軍機のみを購入していますが、やはり他国の航空機と比較してもラインナップの数も多い様です。
 確かに…「二式戦」といえば鐘馗ですよね~。実際、屠龍という複座戦闘機の存在があるが故に鐘馗が「二式単戦」などと呼ばれている訳ですしね。
2017年3月22日 21:42
またまた遅いコメントすいません。
m(__)m

「屠龍」に関しては戦記を一冊読んでますが、対B29戦闘ではそれなりに戦果を残してますね。
工藤兵曹長?(階級忘れました)が有名ですよね。

双発の地味な機種ですが、終戦間際には日本の空を守った大事な機体でした、好きな機体ですよ。
コメントへの返答
2017年3月22日 22:45
 お疲れ様です!
 屠龍が制式採用された頃にはなかなか実績を挙げる事ができなかった訳ですが、まさか、大戦末期の本土防空で真価を発揮するとは思いもよらない事だったでしょうね。
 世界的なトレンドを追って双発機の開発に着手した日本でしたが、屠龍が登場した頃には既に2000hp級のエンジンを搭載した単発機の時代になりつつあった事を考えると、もう少し早く登場していれば…と思ってしまいますねぇ。
2017年4月9日 2:31
こんばんは。
キ45改といいますか、複座戦闘機の運用っていくつか疑問がないわけではないですよね。
キ45の要求仕様では航続能力は約1900km相当ですが、ほぼ同時期に試作発注された単座のキ43は1200km、増槽つけて2600kmありますし、極端に長いとは思えません(航法士がいるので操縦士の負担は大きく減りますが)し、
最大速度はキ43が495km/h、零戦二一型が533km/hですから、試作発注した時点で同時期に登場するであろう戦闘機の能力がある程度予想されていたのですから、劣る機動性を双発のパワーで補完するということが構想の時点で成立していたのかはちょっと疑問に感じました。
武装強化型の乙型で37ミリ戦車砲(!)を搭載するという混乱(?)もありましたが、丙型から搭載した37ミリ機関砲や丁型の20ミリ上向き砲と対重爆撃機迎撃機になれたのも複座戦闘機としての機体規模の大きさがあってこそですね。
コメントへの返答
2017年4月9日 23:00
お疲れ様です!
結局、旋回性能、最大速度、航続距離…どれを取っても中途半端な性能だった事で、双発の複座戦闘機としてのメリットがないという事になりますよねぇ。せめて速力だけでも、単発の戦闘機を大きく凌いでいればP-38ライトニングの様な活躍ができたんだと思いますけどね〜。

プロフィール

「ブルービート【バンダイ SMP Kit makes pose(キメポーズ) 重甲ビーファイター】 http://cvw.jp/b/424833/47495376/
何シテル?   01/27 11:11
 スズキセル坊です。普段は低所得サラリーマン、自宅に戻れば世を忍ぶ仮の町内会長として「趣味が第一、その他は二の次」、「できるだけ広く、できるだけ深く」を人生の目...
みんカラ新規会員登録

ユーザー内検索

<< 2025/8 >>

     1 2
345678 9
10111213141516
17181920212223
24252627282930
31      

愛車一覧

スズキ アルト スズキ アルト
 8代目愛車、平成24年式スズキアルト(HA25S型 2型)、グレード「F」の5速MTの ...
スズキ セルボ スズキ セルボ
 昭和63年式スズキセルボCH72V・CGPJ(セルボごきげんパック)です。この以前に乗 ...
スバル R2 スバル R2
平成26年8月29日の事故により、スバルステラが走行不能となり、母親から譲渡してもらいま ...
スバル ステラ スバル ステラ
 平成19年式スバルステラ(グレードはL)です。 それまで乗っていたダイハツコペンに代わ ...
ヘルプ利用規約サイトマップ

あなたの愛車、今いくら?

複数社の査定額を比較して愛車の最高額を調べよう!

あなたの愛車、今いくら?
メーカー
モデル
年式
走行距離(km)
© LY Corporation