
この程、松竹が唯一製作した怪獣映画「宇宙大怪獣ギララ」(昭和42年(1967年))のDVDを購入しました。実は10年以上前に一度購入したことのあるDVDですが、一度売りに出してしまったので今回買い直しました(汗)。「~ギララ」以外にも買い直したいDVDが最近出てきまして自分という奴に呆れております。
この映画、上述のとおり松竹が唯一製作した怪獣映画です。昭和42年当時と言えば世の中は「第1次怪獣ブーム」の真っ只中ですね。怪獣映画の本家とも言える東宝の「ゴジラシリーズ」などの怪獣映画や円谷プロの「ウルトラQ」、「ウルトラマン」などといった特撮作品がまさに人気の絶頂だった時代、東宝以外の日本の映画会社も怪獣映画の製作に乗り出してきた訳です。まず、大映が昭和40年に「大怪獣ガメラ」を、翌昭和41年には「大魔神」を製作します。そうした当時のブームに乗る形で東映や松竹、日活も怪獣映画の製作に乗り出していった訳です。
大映の「大魔神」と同じく昭和41年に東映が松方弘樹氏主演の「怪竜大決戦」を製作し、昭和42年には松竹が「宇宙大怪獣ギララ」を、日活が「大巨獣ガッパ」をそれぞれ製作していき、とうとう映画五社全てが怪獣映画を製作しました。また、当時の「怪獣ブーム」を背景に日本政府も外貨獲得を狙って映画会社に製作融資を行っていたこともあり、各社が挙って怪獣映画製作に参入してく後押しにもなっていました。この「~ギララ」や「~ガッパ」も社団法人映画輸出振興協会による輸出映画産業振興金融措置の融資を受けて製作された作品となっています。
…で、今回十数年振りに「~ギララ」を鑑賞した訳ですが、やはり東宝の特撮映画を見慣れているせいか、東宝作品には見られない雰囲気というのはもの凄く感じますし、やはり特撮の規模や技術的な差が顕著ですよね。こうして観比べてみると東宝の特撮作品に懸ける映像や音響への拘りは凄いなぁ…と思いますね。まあ…大映以外の他社にしてみれば最初(で最後)の怪獣映画な訳ですから、特撮のクオリティなどで本家ともいえる東宝におよぶ筈はないんでしょうけどね~。しかしながら各社ともお金の掛け方は半端ではないようです(笑)。
とはいえ、ギララの特撮シーン、特にギララが暴れているシーンなどはなかなか見応えがあるんじゃないでしょうか?まず、ギララのデザインが「宇宙怪獣」のデザインとしてかなり秀逸だと僕は思っているんですよねェ。宇宙の未知の生物感がよく表されている様で良いじゃないですか!これでもう少し重厚感が出ていれば良いんですけどね~。高度成長期ど真ん中の当時ですから、本作では人類が月に「月ステーション」を建設済みで、月ステーションには人間が常駐しているという内容で描かれていますし、月ステーションに「檜風呂」があったりと、なかなか楽しい作品です(笑)。
また、エンディングに流れる副主題歌「月と星のバラード」は当時松竹所属の女優、賠償千恵子氏が歌っております。賠償氏は「~ギララ」の2年後に「男はつらいよ」で寅さんの妹「諏訪さくら」を演じる事になりますが、「男はつらいよ 寅次郎真実一路」(昭和59年)の冒頭の寅さんの夢のシーンでギララが登場するんですよね~(笑)。夢の中では単に「怪獣」と呼ばれていますが、寅さんの首にぶら下げている帝釈天の御守りからビームが照射されて怪獣(ギララ)が「寅さ~ん」とか断末魔に叫びながら消滅していくという物語で、何とも素晴らしい競演を果たしているんですよ(笑)。

ギララ

Atomic Astro Boat(AAB) 【宇宙船AABガンマー号】

自走レーザー砲

月ステーションの「檜風呂」
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Posted at
2018/11/07 22:24:07