
実は今年の春頃に、以前より観たかった「仮面の忍者 赤影」のDVD(全4巻)を購入し、先日やっと全52話を観終わりました(笑)。
「~赤影」は僕が子供の時分に再放送で何度か観た事はありますが、その時は物語の内容までよく理解していなかったといいますか、「観た記憶」しか無かったもので、昨年の秋頃からDVDを買い揃えて全話観てみたいなぁ…と考えていたところ、たまに行く新潟市内の某中古屋で全4巻がセットで売られていた(ほぼ新品の状態で)のを発見してしまい、自分の中で「神のお告げ」だと勝手に解釈して購入した次第です(笑)。まぁ…結果的にAmazonなどで1本ずつ買い揃えるよりも安く入手できた訳ですから良いんですけどね。
「~赤影」は、東映が昭和41年(1966年)に白土三平氏原作の「ワタリ」を映画化(大忍術映画ワタリ)した流れで「ワタリ」をTVドラマ化しようと計画した事に端を発する訳ですが、前述の劇場映画「大忍術映画ワタリ」の内容に原作者の白土氏が激怒した事で「ワタリ」のTVドラマ化は白紙となってしまいます。
そこで東映は新たに横山光輝氏に原作を依頼し、それまで連載中だった「伊賀の影丸」を終了し、週刊少年サンデーで「~赤影」の原作となる「飛騨の赤影」の連載を開始することになります。
その後、この「飛騨の赤影」を原作として東映京都撮影所と関西テレビにより、昭和42年(1967年)4月に実写特撮ドラマ「仮面の忍者 赤影」が放送開始されました。
原作漫画の「飛騨の赤影」はごく普通の正統派忍者漫画だったのですが、このTV版「~赤影」はのっけから怪獣あり、UFOあり、時代考証なし(笑)というブッ飛んだ作品として放送されました。ちなみに、本作は日本のテレビ作品としては初となるカラー時代劇であり、カラーで放送された特撮ドラマとしても「マグマ大使」、「ウルトラマン」に次ぐ3番目となります。
登場する主人公の赤影や、赤影と共に戦う白影、青影といったキャラクターは、当時カラー放送である事を意識して考えられたものであり、本作のスポンサーでもある三洋電機のカラーテレビの販売戦略の一環であったとも言われています。
本作は、1クール(13話)ごとに1つの物語が完結し、最終話(第52話)までに全4部構成で展開されました。当時は1部ごとに「〇〇篇」といった呼ばれ方はされておらず、それぞれのクールごとにアバンタイトルが異なるのが特徴的です。
第一部「金目教篇」アバンタイトルのナレーション
『豊臣秀吉がまだ木下藤吉郎だった頃、琵琶湖の南に金目教という怪しい宗教が流行っていた。
それを信じない者は恐ろしい祟りに見舞われるという。その正体は何か。
藤吉郎は金目教の秘密を探るため、飛騨の国から仮面の忍者を呼んだ。
その名は…「赤影参上‼」』
第二部「卍党篇」アバンタイトルのナレーション
『織田信長の活躍した頃、海を渡ってきた奇怪な妖術者の群れがギヤマンの鐘を求めて各地を襲撃した。
世界制覇を狙う卍(まんじ)党の仕業である。
強烈なエネルギーの製法を秘めたギヤマンの鐘3つ。日本の平和を願う信長は、卍党の野望を粉砕すべく、飛騨の国から仮面の忍者を呼んだ。
その名は…「赤影参上‼」』
第三部「根来篇」アバンタイトルのナレーション
『悪大将、夕里弾正(ゆうさとだんじょう)の反乱を知った織田信長は、居城清州から小人数を率いて京の都へ急いだ。
しかしその道筋には、弾正に味方する根来の忍者が恐ろしい怪獣を操って待ち構えている。道中の無事を願う信長は飛騨の国から仮面の忍者を呼んだ。
その名は…「赤影参上‼」』
第四部「魔風篇」アバンタイトルのナレーション
『飛騨の国、影一族に伝わる黄金の仮面は、あらゆる忍者にとって憧れの的、栄光のシンボルであった。そしてまた、仮面には莫大な黄金の謎が秘められているのだ。
この仮面を奪い忍者の王座を狙う者が現れた。怪忍獣を遣う魔風雷丸(まふういかずちまる)である。
立て!仮面の忍者…「赤影参上‼」』
いやね、現代の特撮作品に足りない「空想科学」の要素が存分に詰まった作品ですよ!こういう作品を今の子供達に見せるべきなんだよなぁ。
東映お得意の時代劇(忍者活劇)は勿論、「ウルトラマン」の宇宙人や「仮面ライダー」の怪人に劣らない位の強烈なキャラクターの忍者たち、クオリティは脇に置いといても、とりあえず出し惜しみなくバンバン出てくる怪忍獣と呼ばれる怪獣たち。ありとあらゆる楽しさがこれでもか!と言うほど詰まった作品ですね(笑)。
そして何よりも、赤影さん【演,坂口祐三郎氏(故人)】は日本のテレビ特撮史の中でも屈指のイケメンだと思います。劇中では時折、仮面を外した素顔の様子も見る事ができるのですが、現代の平成仮面ライダーや戦隊シリーズの「イケメン俳優」などと呼ばれている人達よりも美しいお顔をなさっています。
そして何よりも、赤影、白影、青影の3人のバランスがとっても良いんですよね~。ホント、これに尽きるんですよ!

飛騨の忍者 赤影、白影、青影

赤影【演,坂口祐三郎(故人)】

白影【演,牧冬吉(故人)】

青影【演,金子吉延】

素顔の赤影

竹中半兵衛役の若かりし頃の里見浩太朗氏
操っているのは決してミラーボールではなく、捕らわれた藤吉郎を捜索する為のレーダーです。

怪獣「千年蟇」
昭和41年公開の映画「怪竜大決戦」に登場した大蝦蟇の着ぐるみを流用したもの
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2019/08/28 21:41:26