
10月1日発売のデアゴスティーニの隔週刊「第二次世界大戦 傑作機コレクション」vol.96、愛知 晴嵐「国籍偽装機」(S=1/72)です。
今回2度目の登場となる晴嵐(せいらん)ですが、今回は戦時国際法違反を承知で米軍機の塗装を施した「国籍偽装機」として登場です。
この国籍偽装機、晴嵐が水冷機という事もあり、一見するとP-51マスタングの様な水冷の米軍機に見えてしまいますね。実際にこの国籍偽装機が作戦で飛行した事はない様ですが、パナマ運河を破壊する計画を立てていた(結局中止されますが)事からも、その辺りの作戦を視野に入れた偽装工作だったのでしょうね。
パナマ運河破壊作戦中止後、昭和20年7月20日に攻撃目標をウルシー環礁の米軍在泊艦船とする「嵐作戦」を展開するべく、伊四〇〇型潜水艦(伊四〇〇,伊四〇一)は晴嵐6機を搭載して舞鶴港を出港し、8月17日を攻撃予定日としていましたが8月15日に日本が降伏した事により、8月16日に作戦中止命令が出され晴嵐が出撃する事はありませんでした。因みにこのウルシー環礁を攻撃する作戦で晴嵐は特別攻撃(特攻)を行う予定だったので、結果として搭乗員の命が救われた事になります。
作戦中止後、晴嵐はエンジンを始動し、主翼は折畳んだままの状態で海洋投棄される訳ですが、この時この国籍偽装機の塗装を忍びなく思った搭乗員の希望により、星マークを塗りつぶし日の丸が塗装されたと言われています。
この晴嵐という航空機、終戦前後当時の日本の姿そのものと言いますか、もう日本は勝てないという事を物語っているような存在に見えてしまいますね。既に終戦から74年経過した今、あの戦争に勝つ事、負ける事の善し悪しは単純に一言では表せないものがありますが、この晴嵐という航空機の『一生』から我々は何かを学べる筈ですし、何かを学ばなければいけないと思うのです。
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Posted at
2019/10/14 10:13:34