一昨日(4/4)に新発田市のジョーシンで購入したバンダイのソフビ人形『ウルトラ怪獣シリーズ』№90、円盤生物ノーバです。 ジョーシン新発田店が改装に伴う売り尽くしセールをやると葉書が届いたので見に行きましたけども特にこれといった儲けものもなく、それでも5%OFFという事でしたので折角だからとノーバを購入してきた次第です。 円盤生物ノーバは『ウルトラマンレオ』の第49話「恐怖の円盤生物シリーズ! 死を呼ぶ赤い暗殺者!」に登場する、地球侵略を企てるブラックスターから飛来した円盤生物地球侵略10号機です。まるで「赤いてるてる坊主」のような外観が特徴的ですが、体内には2万本の赤い鎖状の触手(毒の糸)があり、ノーバの口から吐き出される赤いガスを浴びた人間は首に赤い鎖状の触手が巻き付き、凶暴化して周囲の人々を襲いだすのです。また、ノーバが巨大化した際には先述の赤いガスに加えて目から破壊光線も発射します。 『~レオ』では第1話以降、主人公のおゝとりゲン(=ウルトラマンレオ)が地球防衛チーム【MAC】の休日時に勤めている城南スポーツセンターの同僚やスポーツセンターに通う子供たちが準レギュラーとして登場しますが、その中の一人である梅津トオル(演 : 新井つねひろ)はおゝとりゲンを兄のように慕う10歳の少年であり、最終回(第51話)まで多くの回に登場します。幼くして母親を亡くし、父親と妹のカオル(演 : 富永美子(現、富永みーな))と3人で肩を寄せ合ってい暮らしていたなか第3話では父親をツルク星人に殺害され、その後はスポーツセンターの補助指導員、山口百子(演 : 丘野かおり)の元に身を寄せるも、第40話では円盤生物シルバーブルーメの襲撃により妹のカオル、百子共々失ってしまうという…10歳の少年にこれでもかというくらいの悲劇と試練が次々に襲ってくるという…今観直してもなかなかハードな物語だと思います。最終回まで全て観終えるとこの『~レオ』という物語にはトオル少年というもう一人の主人公の試練と成長の物語が存在したのだと感じることができます。 ノーバが登場するこの第49話では、両親と妹を失った哀しみにより虚ろで脆い精神状態のトオルに「家族に会わせてあげる」と囁き幻覚を見せてトオルの身体と精神に取り憑き、街で人々に赤いガスを浴びせるのです。 トオルは第3話で父親を失った以降も幾度か両親がいない事への寂しさや不安、苛立ちを見せる場面があり、この第49話ではとうとう肉親と呼べる人が一人もいない孤独な存在となったトオルのある意味で悲劇と試練の集大成の物語であり、『~レオ』後半のなかでも珠玉の名作と言える物語です。 この物語、僕自身初めて観たのは小学生の頃でしたが当時も「なんだか悲しいお話だなぁ…」という印象は持っていましたが、今あらためて大人になった自分の目であらためて観ると、トオルを演じた新井つねひろ氏の演技が非常に上手いなぁ…という事に気付かされます。特に台詞もなく表情だけの演技は素晴らしいものがあります。昭和の時代には現代の時代の名子役にも劣らない名子役が幾人もいますが、新井つねひろ氏も間違いなくその一人ですね。まぁ…ウルトラシリーズに準レギュラーで出演している子役はだいたい上手い子が多いと思いますけどね。 当時のオイルショックの影響などで番組の製作予算が厳しくなり、経費削減策という名の【テコ入れ】によって出演陣も大幅に降ろされ、前代未聞の防衛チーム(MAC)が基地ごと円盤生物の襲撃を受けて全滅するという衝撃の展開が4クール目の始まりに起こり、モロボシ・ダン隊長(=ウルトラセブン)の生死も不明なまま物語は新しい展開へと進んでいくいくという…当時の視聴者もまたトオル少年と同じように悲劇と試練の連続だったでしょう(笑)。でも、そんななかでも第49話のような寂しさ、孤独を抱えた一人の少年の心の闇を取り上げたような非常に丁寧な物語づくりが最終回まで続いていったのは、さすが円谷作品だなぁ…と思うのです。