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スズキセル坊のブログ一覧

2025年04月12日 イイね!

セミ人間 オトノホシBOX 限定版【『てれびくん』限定 ウルトラ怪獣シリーズ】

セミ人間 オトノホシBOX 限定版【『てれびくん』限定 ウルトラ怪獣シリーズ】 今週末は土日共に町内会関連の会議やら行事が無いのでやっと一息付ける感じですかね。まぁ…また来週末には地域の一斉清掃やら会議やらがあるんですケドね。
 そして、この前の木曜日に20代半ばから後半までの数年間通っていた空手の道場の稽古におよそ15年振りくらいに復帰しまして、2日経った今日もまだ筋肉痛で身体の至るところが痛いです(笑)。

 さて、本日取り上げますのは4月に入ってから自宅に届いた小学館(講談社)の児童雑誌『てれびくん』の限定商品『セミ人間 オトノホシBOX 限定版』です。商品内容としましては、TVシリーズ『ウルトラマンブレーザー』の第9話「オトノホシ」に登場した宇宙怪人 セミ人間を『ウルトラ怪獣シリーズ』としてソフビ化したものと、『ウルトラマンブレーザー』のコミック(漫画作 : 伊原しげかつ)がセットになった特別BOXとなっています。
 今回のセミ人間はモノクロver.として商品化されているようですね。造形も素晴らしく、おそらく『ウルトラ怪獣シリーズ』では初めてとなるセミ人間のラインナップは大変喜ばしいことですけど、是非とも今回の商品化を足掛かりに通常版の『ウルトラ怪獣シリーズ』でカラーver.のセミ人間をラインナップしてほしいものですねぇ。

 セミ人間といえばTVシリーズ『ウルトラQ』の第16話「ガラモンの逆襲」で初登場した宇宙人で、別名は「宇宙怪人」まはた「チルソニア遊星人」と呼ばれいています。『~Q』の第13話「ガラダマ」で宇宙から飛来した隕石より出現した隕石怪獣ガラモンを遠隔操作していた黒幕がこのセミ人間であった事が第16話「ガラモンの逆襲」で描かれています。劇中では単に「宇宙人」や「遊星人」などと呼称されるに留まっていますが、その姿はまさに【セミ人間】でありセミとヒトを合わせた事によってセミ人間という宇宙人を作り出してしまうデザインと造形の素晴らしさが目を惹きます。時は流れて『~ブレーザー』の第9話「オトノホシ」でも再びセミ人間がガラモンを使って地球侵略する物語が描かれますが、本作では60年前に地球に飛来し、装置を使って地球にガラモン(が格納されている隕石)を呼び寄せ、ガラモンが飛来するその時を待つだけであったセミ人間たちが、地球で【音楽】というもので出会ってしまった事で、自ら楽団を作り音を奏でて音を楽しむ事に魅了されてしまった宇宙人として描かれています。『~Q』に登場したセミ人間の人間態(演:義那道夫)がヴァイオリンケースにガラモンの電子頭脳を入れていた事から、『~ブレーザー』に登場するセミ人間の人間態(演 : 東儀秀樹、東儀典親、白須今、堤博明)はそれぞれチェロ、ピアノ、ヴァイオリン、コントラバスを演奏する楽団として登場しているんですね。
 このセミ人間、TVシリーズ『ウルトラマン』の第2話「侵略者を撃て」に登場する宇宙忍者バルタン星人(初代)にとてもよく似ていますが、セミ人間が乗ってきた宇宙船もそのままバルタン星人の宇宙船として流用されているのも面白いですね。もしかしたらチルソニア遊星人(セミ人間)とバルタン星人は生物学的に同じような特徴を持つ種類に分類される関係で、祖先を辿ると元々は一緒の種族なんじゃないか?とか、あれこれ想像が膨らんで楽しいですね(笑)。

 シリーズ初期に登場したキャラクターが後年の新作などに再登場する事でこうして商品化されていくのはとても良いですね。現代の子供たちにももっとウルトラ怪獣に触れる機会が増えれば良いなぁ…と思いますね。












上 : ロボット怪獣ガラモン(ウルトラ怪獣シリーズ№201)
下 : 宇宙忍者バルタン星人(ウルトラ怪獣シリーズ№01)




上 : セミ人間人間態(演 : 義那道夫)
下 : 宇宙怪人 セミ人間


隕石怪獣ガラモン(『ウルトラQ』第16話「ガラモンの逆襲」より)
電子頭脳を通じてセミ人間に操られ、東京の街を破壊するロボット怪獣です。




『ウルトラマンブレーザー』第9話「オトノホシ」に登場したセミ人間。


上 : 宇宙怪人セミ人間
下 : 宇宙忍者バルタン星人


上 : チルソニア遊星人(セミ人間)の宇宙船
下 : バルタン星人の宇宙船
Posted at 2025/04/12 12:42:32 | コメント(0) | トラックバック(0) | 特撮関係 | 趣味
2025年04月05日 イイね!

バーニングゴジラ【バンダイ ムービーモンスターシリーズ煌光(カガヤキ)】

バーニングゴジラ【バンダイ ムービーモンスターシリーズ煌光(カガヤキ)】 先週末の町内会総会を終えて一息つく間もなく新年度が始まり、明日(4/6)は新年度の班長を集めての会議ですし、5月くらいまで何かと忙しい感じなので年度末から年度初めのこの時期が一番嫌いですね。花粉症もキツいし…。

 さて、本日取り上げますのは先月下旬に自宅に届いたプレミアムバンダイ限定商品『ムービーモンスターシリーズ煌光(カガヤキ) バーニングゴジラ』です。
 この商品、一般販売されている『ムービーモンスターシリーズ』のバージングゴジラの金型を基に、クリアオレンジの成形色のソフビに黒色を塗装していくという手法でバーニングゴジラ(デスゴジ)の紅く発光する姿を再現したもので、首と尻尾の2箇所にLED電飾ユニットをセットできる仕様になっています。また、頭部(顔)はこの商品のために新規造形されており、既存のソフビの顔よりも更にデスゴジの雰囲気が出ています。
 ウルトラマンを中心に商品展開されてきた500円ガシャポン『アルティメットルミナス』においてLDE電飾ユニットでキャラクターの発光部分を再現するという仕掛けが評価されて、その後に『アルティメットルミナス』よりも大型のフィギュア『メガライトヒーローズ』という商品を経て今回『ムービーモンスターシリーズ煌光(カガヤキ)』でデスゴジをラインナップしてくるというのは大変良い傾向ではないでしょうか。これ、同じ『ムービーモンスターシリーズ』でメカゴジラとかメカ系のキャラクターを中心にラインナップを拡大できる可能性が十分ありますよね。しかもプレミアムバンダイ限定ではなく一般販売されていけば一番良いんですけどねぇ。
 というか、この商品もっと何年も前から出せただろう!と思うけどなぁ…。やっぱり『ゴジラ‐1.0』の大ヒットや昨年のゴジラ誕生70周年といった大きなキッカケとなるものがないと難しいんでしょうかねぇ…。


← LEDユニットOFF ・ LEDユニットON →


上 : LEDユニットOFF
下 : LEDユニットON


上 : LEDユニットOFF
下 : LEDユニットON


上 : LEDユニットOFF
下 : LEDユニットON


右 : ムービーモンスターシリーズ煌光(カガヤキ) バーニングゴジラ
左 : ムービーモンスターシリーズ バーニングゴジラ



















Posted at 2025/04/05 11:00:39 | コメント(0) | トラックバック(0) | 特撮関係 | 趣味
2025年03月23日 イイね!

『吸血鬼ゴケミドロ』DVD

『吸血鬼ゴケミドロ』DVD 今日は大相撲春場所の千秋楽。優勝の行方は結局千秋楽まで持ち越す展開となりましたが、個人的には未だ賜杯を抱いていない髙安関に優勝させてあげたいですが、星が並ぶ大の里関も充分優勝の可能性がありますから、さてどうなりますやら。いつもは町内会の総会の日と千秋楽が被ってしまい、いつも春場所の千秋楽を観ることができないのですが、今年は観れるので良かったです♪
 なので地上波の中継が始まる3時までにはこのブログを書き終わるように頑張ります(笑)。

 …さて、本日ブログのネタに取り上げますのは12月か1月に新潟市内のレンタルビデオ店の閉店セールで格安で購入した昭和43年(1968年)8月公開の松竹製作の怪奇ホラー映画『吸血鬼ゴケミドロ』のDVDです。購入時に付いていたレンタル専用ケースから通常のDVDケースに移す際に、作品のイメージに合うようにちょうど手元にあった赤いケースに入れてみました。この作品の存在は20代の前半くらいに知ったんですけど、いつか観ようと思ってそれから20年ほど経ってしまいましたが、今回格安でDVDを入手する事ができてラッキーでした。
 本作公開の前年(昭和42年)に松竹では同社初となる特撮怪獣映画『宇宙大怪獣ギララ』を公開し、本作は『~ギララ』に続く松竹における特撮映画第2弾として松竹京都太秦撮影所が製作したものです。

 - 羽田空港から伊丹空港に向かう小型旅客機。旅客機が飛ぶ空は異様なほど赤く染まっており、空を飛ぶ鳥が次々に旅客機に衝突して死んでいくという恐ろしい怪現象が起きていた。管制塔から外国大使を暗殺したテロリストが旅客機に搭乗しており時限爆弾を飛行機に載せている可能性がある為、乗客の手荷物の確認を行い即時羽田空港に引き返すよう指示が入る。結局、テロリスト 寺岡博文(演 : 髙英男)に旅客機はハイジャックされてしまうが、その直後に旅客機は謎のオレンジ色の発光体と遭遇、衝突し制御不能となり山中に不時着する。
 不時着の衝撃に奇跡的に生き残ったのは副操縦士の杉坂英(演 : 吉田輝雄)、スチュワーデスの朝倉かずみ(演 : 佐藤友美)を含む10人だけであり、テロリストの寺岡もその一人で、寺岡はスチュワーデスの朝倉を人質に他の生存者を銃で脅して旅客機から逃走するが岩陰にオレンジ色に発光する円盤(宇宙船)を発見し、寺岡は朝倉を残したまま、まるで円盤に引き込まれるかのように円盤の中に入っていく。すると寺岡の額が縦に大きく裂けて、その中にアメーバ状の宇宙生物ゴケミドロが額の裂け目から寺岡の体内に侵入し寄生するのだった。ゴケミドロに寄生された寺岡は吸血鬼となり人血を求めて旅客機の生存者を次々に襲うのだった。
 救助もなく旅客機の生存者たちは忍び寄る吸血鬼からの脅威に怯えながら、やがて冷静さを失っていき「自分だけは助かりたい」という人間のエゴが出始め、緊迫した人間模様が描かれていく。物語の後半、ゴケミドロは寄生した人間の身体を利用して、自分たちの目的が地球侵略ならびに人類の絶滅であることを生存者たちに告げる。
 物語終盤、緊迫した恐怖の状況でも最後まで冷静さを失わなかった杉坂と朝倉は旅客機から脱出すると街を目指して下山するが、街で目にした人々は全て吸血されて死んでいる状態であった。杉坂たち二人は宇宙生物ゴケミドロによる地球侵攻が既に始まっていた事を知り、赤く染まった空を見上げて絶叫するのであった…。
 映画のラスト、宇宙の彼方からオレンジ色の光を放つ無数の円盤が地球目掛けて飛来する。青かった地球はやがて死の星と化し、その姿も茶色く変化するのだった。 -

 …といった具合に、救いようのない終わり方をする特撮を駆使した怪奇ホラー映画なんですよね。本作を知る人ってなかなかの映画ファンもしくは特撮ファンなのでしょうけど、特に映画冒頭の旅客機から見える異様なほど赤く染まっている空は、平成15年(2003年)の映画『KILL BILL』で監督のクエンティン・タランティーノがオマージュするなどの影響を与えていたり、根強いファンが一定数いる作品である事は間違いないですね。
 作品の見所としては、屋外(おそらくどこかの石切場)に実寸の旅客機のセットを作っているところや、ピー・プロダクションが手掛けたミニチュアによる旅客機の飛行シーンや墜落、不時着シーンなどが挙げられますが、何と言ってもテロリストの寺岡を演じた髙英男氏の何とも不気味で怪しい雰囲気がこの作品最大の魅力でしょうね。
 高英男(こう ひでお)氏は元々俳優ではなく本業はシャンソン歌手で、日本のシャンソン歌手の先駆けと呼ばれた方でした。高氏が劇中で着ている衣装は全て高氏が自前で揃えたもので、その顔立ちに縦に裂けた額の傷、白いスーツに白手袋という…ゴケミドロに寄生(憑依)されていなくても充分過ぎるほど怖い雰囲気が出てる寺岡のキャラクターが何とも素晴らしいですね。

 こういった作品って、今の映像技術で作ったらやっぱり映像的には素晴らしいのだけれども、この俳優じゃないと絶対に出せない雰囲気、この時代じゃないと絶対に出せない空気感っていうのがやっぱりあって、リメイクやリブートと呼ばれる作品が原作を超える事は絶対にないんだよなぁ。































Posted at 2025/03/23 14:32:24 | コメント(0) | トラックバック(0) | 特撮関係 | 趣味
2025年03月22日 イイね!

ゴジラ(1971)【バンダイ ムービーモンスターシリーズ】

ゴジラ(1971)【バンダイ ムービーモンスターシリーズ】 本日発売のバンダイのソフビ人形『ムービーモンスターシリーズ』、ゴジラ(1971)です。自宅近所のジョーシンで購入しようと思ったのですが、開店の1時間以上前からガンプラ目当ての人たちが沢山店の前に並んでいたので、開店して少し経ってから店に行ったら見事にお目当てのゴジラが売り切れており、お陰でクルマで30分ほど掛けて別の店舗で買うハメになりました(汗)。まぁ…無事に買えたから良かったけど。

 …という訳でして、なんとこの令和の時代にゴジラ(1971)のソフビが発売となりましたよ。ゴジラ(1971)は昭和46年7月公開のゴジラシリーズ第11作『ゴジラ対ヘドラ』に登場するゴジラで、ファンの間では俗に【ヘドゴジ】と呼ばれているゴジラです。
 本作公開の前年(昭和45年)の1月に円谷英二特技監督が亡くなり、本作は円谷氏の没後初めてとなる新作ゴジラシリーズとなります。ちなみに前作『ゴジラ・ミニラ・ガバラ オール怪獣大進撃』の公開は昭和44年(1969年)12月であり、円谷氏が亡くなった昭和45年(1970年)はゴジラシリーズの新作映画公開が無かったのでした。映画産業の斜陽化による深刻な営業不振の状況だった東宝は円谷監督が亡くなったのとほぼ同時に社内の「特殊技術課」を廃止しており、本作もそれまでのシリーズ作品よりも大幅に製作費が削減されています。
 そんななか、1970年代という新しい時代を迎え新たなゴジラシリーズを作ろうという意気込みで本作を監督した坂野義光氏は、当時大きな社会問題となっていた大気汚染や水質汚染といった公害問題を作品のテーマとして全面に押し出し、ゴジラと対戦する怪獣もヘドロの怪獣である【ヘドラ】としました。また、坂野監督は晩年まで本作の続編となる『ゴジラ対ヘドラⅡ』の製作に意欲を燃やしておられました。

 さて、そんなヘドゴジですが、着ぐるみ(スーツ)は昭和43年(1968年)公開の『怪獣総進撃』の【総進撃ゴジラ】の着ぐるみを流用しており、撮影時の損傷、経年劣化などによって細かなディテールが変化していますが、顔は確かに総進撃ゴジラに殆ど似ている感じですね。
 また、本作ではゴジラが口から吐く放射能熱線を推進力として後ろ向きに空を飛ぶ驚愕のシーンが登場しますが、こちらは『怪獣大戦争』のシェーゴジラを商品化した『ムービーモンスターシリーズ躍動(ポージング)』で、今後是非とも商品化して頂きたいですね(笑)。

 いやぁ…令和の時代にヘドゴジのソフビが発売されるとは思いもしませんでしたが、これで1970年代のゴジラでソフビ化されていないのは『地球攻撃命令 ゴジラ対ガイガン』に登場するゴジラ(1972)のみとなりましたので、これは何としてもバンダイにはゴジラ(1972)の発売を切にお願いしたいところですね。

























Posted at 2025/03/22 15:58:33 | コメント(0) | トラックバック(0) | 特撮関係 | 趣味
2025年03月21日 イイね!

『釈迦』DVD

『釈迦』DVD 今日は平日ですが、発注者から「全体経費を削減したいので稼働を減らせ」と言われたので現場に出ないで内勤だけするんだったら、出勤するだけコストも掛かるし時間も無駄なので会社ぐるみで休む事にしました。何か事案が出ても発注者と元請で対処しろよ。電話には出てやるけど現場には行かないからな。…といった感じです(笑)。タダ働きするほどお人好しじゃないんで。
 …という訳で、急遽昨日から4連休となっています(笑)。

 そんな下らない事よりも先日観た映画の話をしましょう。正月に観ようと購入しておいたDVD、昭和36年(1961年)11月に公開された大映京都撮影所製作の映画『釈迦』です。
 この作品、前からずっと気になっていて観たかったんですよねぇ。釈迦を取り上げたという映画の題材よりも長時間の大作主義で巨額の予算で作られた作品、とりわけ大掛かりなセットと特撮技術を見たくて購入しました。そして本作は、国産映画としては初めて70㎜フィルムで上映された作品であり、キャストは大映専属俳優陣、歌舞伎界、新劇界と当時のオールスター総出演といった豪華顔ぶれで製作されているもの魅力です。

 物語としては釈迦(仏陀)の一生が誕生から入滅まで描かれていますが、シッダ太子が悟りを開いて仏陀となって以降の物語は、仏陀主体ではなく仏陀をとりまく人たちや仏陀に関する説話を基に様々な人間模様が描かれている構成で、悟りを開いて仏陀になったシッダ太子は顔すら映らず陰になって後光が差しているといった演出に終始しており、シッダ太子(仏陀)を演じた主演の本郷功次郎の顔が悟りを開いて以降は一切映らないといった思い切った演出が面白いですね。
 監督は大映京都撮影所で『座頭市』シリーズ、『眠狂四郎』シリーズなどの時代劇を数多く手掛け、特撮作品でも『大魔神』シリーズの第2作『大魔神怒る』を手掛けている三隈研次、音楽は『ゴジラ』をはじめとする東宝特撮映画で馴染みが深い伊福部昭が担当していますが、伊福部氏も三隅氏同様に『大魔神』シリーズに参加しており、【大魔神三部作】全ての音楽を担当しています。
 キャストも前述のとおり豪華で、主演のシッダ太子(仏陀)役に『ガメラ』シリーズや『大魔神』シリーズでもお馴染みの本郷功次郎、ダイバ・ダッタ役に『座頭市』シリーズでお馴染みの勝新太郎、クナラ王子役には『眠狂四郎』シリーズでお馴染みの市川雷蔵といった具合に当時の大映看板スターが惜しげもなく総出演しており、他にも川口浩、東野英治郎、中村鴈治郎、市川壽海、山本富士子、山田五十鈴、京マチ子、杉村春子、中村珠緒といったオールスターキャストでまさに社運を賭けた超大作といった様相です。

 そして、僕がかねてより観たかった大規模予算によって作られたオープンセットの大迫力。京都福知山の長田野演習場の敷地内の山を切り崩して2万㎡にもおよぶ広大なオープンセットを建設し、全高28mにもなるインドラ神像を中心に幅員10mの道路と全長60mの大橋などが40日ほど掛けて作られたそうで、映画終盤で神像や橋が破壊されるシーンは日本映画を観ているとは思えないスケールのデカさが実に素晴らしく、そこに神殿建設の人夫役として動員された1万5千人ものエキストラも加わって、まさに劇場映画でしか味わえない醍醐味を堪能することができます。
 また、前年(昭和35年)にピー・プロダクションを立ち上げた鷺巣富雄(うしおそうじ)も本作に参加しており、シッダ太子が誕生する場面で宮殿の庭に花が一斉に咲き広がるシーンでは鷺巣氏によるアニメーション合成が本当に見事なんですよ。完成試写で鷺巣氏の師でもある円谷英二氏が絶賛したというほどで、実写特撮とアニメーションの融合が見事に成されている作品でもあるんですね。

 本作の公開当時(1960年前後)になると、日本でもいよいよTVのカラー放送が始まり本格的なTV時代の到来を迎え、それまで【娯楽の王様】と呼ばれた映画業界は徐々に斜陽期を迎えていた頃であり、大映以外の他社はTVへの対抗策として二本立て興行を行うなどして活路を見出すべく試行錯誤していましたが、本作を製作した大映はワンマン経営で有名な当時の社長である永田雅一によって、他社とは異なり劇場映画にしかできないワイドスクリーン、長時間作品の一本立て興行で勝負するという、つまりは【大作主義】をといった方針をとった訳ですが、こうして歴史を振り返ると邦画でこれだけの巨額(当時の金額で5億または7億円とも言われています)を投入して豪華キャストで製作される景気の良い映画作品というのは、今の時代ではなかなか難しいでしょうし、この時代ならではの「これぞ劇場映画だ!」と言わんばかりの豪華さが只々素晴らしいです。
 背景も何もかもVFXで表現できる現代とはまた違った、日本映画の歴史と当時の映画人の心意気が詰まった1本と言えるのではないでしょうか。


大映マークの後に映画『釈迦』のタイトル(画像下)の前に、本作が70㎜フィルムで上映されている事を謳う【スーパーテクニラマ70方式】の表示が仰々しくて実に良いですな。


後に悟りを開き【仏陀】となる釈迦族の王子 シッダ太子(演 : 本郷功次郎)


シッダ太子の妃、ヤショダラーを演じるのはフィリピンの女優、チェリト・ソリス。


ダイバ・ダッタを演じるは大映の大スター、勝新太郎。
一人だけ顔が濃すぎて『テルマエ・ロマエ』っぽく見えて面白かったッスね(笑)。


出家し、菩提樹の下で6年におよぶ瞑想の行に入るシッダ太子。


シッダ太子は遂に悟りを開き【仏陀】となるのでした。


左 : クナラ王子(演 : 市川雷蔵)
右 : クナラ王子の妃 ウシャナ(演 : 山本富士子)
勝新太郎と並ぶ大映の二枚看板、市川雷蔵の醸し出す色気は最近の「イケメン」と言われるお兄ちゃん達には到底出せないであろう天性の色気じゃないですかね。こりゃファンも多かったでしょうなぁ。
そして、今回初めて山本富士子さんの出演作を観ましたけども、これまた息を呑むほどの美しさですね。昭和の映画女優の美しさは、まさに時代を超えたものです。


大映専属スター総出演!!
上 : アジャセ王(演 : 川口浩)
下 : アジャセ王の妃 オータミー(演 : 中村珠緒)


アジャセ王の母 イダイケ(演 : 杉村春子)
小津安二郎作品の常連としてもお馴染みの新劇出身の大女優ですね。こういった役者さんが作品に登場するだけで途端に画面がグッと引き締まりますね。


ダイバ・ダッタに神通力を授けるバラモン教の行者、シュラダ。(演 : 東野英治郎)
新劇出身の俳優さんは台詞が聞き取り易いですな。カーカッカ!


仏陀の説法を聞くために自らの髪の毛を切り落としてなけなしの油を買って火を灯す老婆のスミイ。(演 : 北林谷栄)
こちらも劇団民藝出身の新劇俳優、お若い頃から老婆役を幾多も演じてこられた「老婆を演じさせたらこの人」という女優さんですね。ちなみにこの当時49歳。
アニメ作品『となりのトトロ』のカンタのばあちゃん役でも有名な方ですね。


映画終盤に登場する神殿建設のシーン。
この大規模な建設シーンを1万5千人のエキストラを動員してオープンセットでやってしまうという…当時の映画人の意気込みを見せつけられるのでした。


映画の終盤、仏陀の怒りが奇跡を呼び大地震と地割れによってインドラ神像を始めとする建造物、建築物がことごとく破壊されるシーンでは、そのスケールのデカさに圧倒されます。特に画像下の橋の破壊なんかは実寸の橋を作って最後に見事に破壊される様を作品の中で見せてくれるという…今ではなかなか味わえないものですね。
Posted at 2025/03/21 14:30:49 | コメント(0) | トラックバック(0) | 特撮関係 | 趣味

プロフィール

「ブルービート【バンダイ SMP Kit makes pose(キメポーズ) 重甲ビーファイター】 http://cvw.jp/b/424833/47495376/
何シテル?   01/27 11:11
 スズキセル坊です。普段は低所得サラリーマン、自宅に戻れば世を忍ぶ仮の町内会長として「趣味が第一、その他は二の次」、「できるだけ広く、できるだけ深く」を人生の目...
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