
富士重工、自社生産時代のスバルプレオ(初代)のカタログです。軽自動車市場の主流がセダンからスズキワゴンR等のトールワゴンに完全に移行しつつあった平成10年(1998年)に登場したスバルヴィヴィオの後継車です。スバルのトールワゴンの発売は軽自動車を販売するメーカーの中では最後発となりました。
このプレオのカタログですが、だいたい平成16年(2004年)くらいの後期型のカタログだと思います。その証拠にカタログの表紙の左下の隅っこに「2004 RALLY JAPAN」のロゴと一緒に「ラリー・ジャパン総合優勝!日本初開催のWRCで歴史的勝利。」と書かれています。そっかぁ…この頃はまだスバルもWRCにワークス参戦していたんスねぇ。と、感慨深く見てしまいます。
…で、話をプレオに戻しますと、このカタログが出ていた平成16年の時点で発売開始から既に6年が経過していたんですね。この前年(平成15年)にはヴィヴィオ以来のセダンとなるR2が登場していますので、この当時僕も「プレオもとうとう生産終了かな」なんて思っていました。ところが、R2の個性的なエクステリアデザインが悪い意味で販売に影響した様で、当初の月販売目標に届かず、更にやはり時代の波はトールワゴンとなっていた事も大きく影響し、プレオはこの後、富士重工が軽自動車自社生産から撤退する2年前の平成22年4月まで、実に12年もの長きに渡って販売され続ける事になります。90年代~2000年代初頭に登場したクルマでこれだけ長く販売されたのは珍しいですよね。ちなみに、現行型のスズキジムニーもプレオと同じく平成10年に登場しており、今年で登場から19年を迎えますけど、これはもう別格ですね(笑)。
さて、カタログを見ていきますと、この頃のプレオはR2、数年後にはステラがラインナップに加わることもあってか、グレードなどはかなりシンプルに整理されています。この当時のプレオのグレードは「F type S」と「F」が乗用5ナンバー車、「A」が商用4ナンバーとして設定されていました。最上級グレードの「F type S」は外観がスポーティな感じになっており、「F」や「A」とは異なるデザインのフロント・リアバンパーやサイド・リアスポイラーを装着しているモデルです。しかしながら、かなりの合理化を行っている様で、この3グレードは全て自然吸気のSOHCエンジンで統一されており、5ナンバー車はスチールホイールにフルホイールキャップが装着されているのみで、上級グレードの「F type S」にもアルミホイールの標準装備はありませんでした。「A」に関してはバンですので、ホイールキャップの着かないスチールホイールとなっています。変速機と駆動方式は3グレード全てにi-CVTと5MT、FWDとAWDが選択できる様になっています。また、この頃にはあまり知られていませんが、サンバー同様にプレオの赤帽仕様もラインナップされていました。これは後期型のプレオにバンの設定が追加されてからだと思いますが、今となっては激レアなクルマですよね~。
こんな感じでかなり整理されてしまった後期型のプレオのカタログですが、お約束の4気筒エンジンと4輪独立懸架、フロントベンチレーテッドディスクブレーキなど、メカの部分の拘りはR2やステラと何ら変わらない作りってトコがクソ真面目なスバルらしさが垣間見えて良いです(笑)。軽自動車好きな僕としては、DOHCエンジンやスーパーチャージャーも魅力的ですけど、廉価グレードの質が良いクルマってのがクルマとしては一番優秀なのではないのかな?と思いますけどね。特に軽自動車の660cc以下という限られた排気量の中でクルマづくりをする時、現代の様な1t近い車重の軽自動車がボンボン出てくる方が方向性としては間違ってると思いますけどね。軽自動車の最大の魅力、メリットは車体が小さく、軽量である事でなければならないとずっと思っています。だから、この後期型のプレオの様に必要最低限の装備とパワーというのが軽自動車を考えるうえでは正義なんだと思います。車両重量800kg代のプレオならSOHCエンジンの46psで充分ですよ!
ステラやR2に乗ってきた(いる)僕が言うのもなんですが、ステラやR2よりもプレオのデザインの方が僕好みなんですよね(笑)。上品かつ日本車らしいスバルらしい保守的な感じが好きです。これもステラ同様、5MTだったら乗ってみたいなぁ…。
Posted at 2017/01/09 11:45:45 | |
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