スズキセル坊のブログ一覧

　１年の終わりくらい、たまにはまともに「みんカラ」的なネタでも書いてみようと思いました（笑）。
　現行型のスズキエブリィ（バン）とキャリィ（トラック）って、なんか知らないうちに３社もOEM供給してるんですね～。かつては80年代後半から関係が続いているマツダにスクラム（バン・トラック）として供給されていただけでしたが、現在は三菱のミニキャブ（バン・トラック）、日産のNV100クリッパー（バン・トラック）としても供給されているようで、本家のエブリィとキャリィを含めれば４メーカー８車種が全く同じクルマって事になっちゃってるんですよね～。
　まぁ…各メーカーの軽自動車史をサラっとおさらいしますと、マツダは70年代まで360cc規格の軽自動車（キャロル、R360クーペ、シャンテなど）を自社生産していましたが、軽自動車市場から一時撤退してしまいます。80年代後半頃から再び軽自動車の販売を行っていきますが、この時はスズキからエンジンとシャシーを供給してもらいボディの内外装のみを自社で生産するスタイルとなり、キャロルやAZ-1が生み出されました。その後、軽自動車規格が現在の規格に移行する際にコスト削減の為、スズキからのOEM供給を受ける形となり現在に至っています。
　三菱も360cc時代からミニカやミニキャブなど、車種こそ少ないものの他のメーカーとは違った個性的な軽自動車を作っていたんですね。550cc時代の馬力至上主義みたいな時代には5バルブの3気筒エンジンを開発、当時のミニカ（ダンガン）に搭載されました。660ccに移行してからはバブルの頃に各メーカーが軽自動車用の４気筒エンジンを開発した事で、三菱でも４気筒エンジンが登場します。その結果、当時のミニカ（最上級グレードなど）には、この４気筒エンジンに先ほどの5バルブヘッドを組合わせた軽自動車唯一の20バルブなんてのがありました。この頃になると、ミニカ、ミニキャブの他にもミニカトッポ（トッポBJ）やパジェロミニなども登場して三菱の軽自動車ラインナップも充実してきます。その後、90年代後半～2000年代初期にかけてekワゴンやｉ（アイ）なども登場しますが、皆さんご承知のとおり例のリコール隠しや最近の燃費偽装などから、軽自動車の売上げは厳しいものがありますねぇ…。個人的にはミニカをラインナップからなくしてしまったのが非常に残念でなりません。僕は「生涯、軽自動車」と決めている程、日本が誇る箱庭文化、軽自動車にどっぷりな変態ヤローなので、未だ所有したことがない三菱車の所有が何気に今後の人生の目標の一つだったりします。もし乗るなら、最終型ミニカのMT車でしょうかね～。贅沢言えば３ドア希望（笑）。
　日産はゴーンさんが来てから軽自動車を売り始めた訳ですが、平成14年にスズキからMRワゴン（初代）をOEM供給してモコを発売します。実は、平成11年に日産が自社生産した電気自動車「ハイパーミニ」なるクルマが軽自動車規格で発売されているんですよね。これは実験的なクルマでしたから、販売台数も200台余りと限られたものでした。まぁ…これが今日のリーフやノートｅパワーに繋がっていく訳ですね。モコの発売移行、当時の軽自動車最大手であるスズキからはMRワゴンの他に当時のアルトやパレットが供給され、それぞれピノやルークスとして販売されました。ちなみに、当時、アルトと一緒にピノもトミカで製品化されており「どうせならキャロルも出してよ！」と思っていました（笑）。日産は軽自動車販売開始して割と早い時期からスズキからのOEM供給と併行して三菱からも供給を受けています。当時のｅｋワゴンやパジェロミニ、ミニキャブ（乗用・商用、トラック）をそれぞれオッティ、キックス、クリッパー（クリッパーリオ）として販売しており、自社生産していないクセにほぼフルラインナップで販売されています。こういったところは流石に販売網の強い日産といったところでしょうかね？そうこうしてるうちに日産は三菱と軽自動車を共同開発、生産するための合弁会社を作っちゃいまして燃費偽装で世間を騒がせた現行型のデイズやデイズルークスは建前上「共同開発車」であってOEM車ではなくなったようです。しかしながら、バンとトラックに関しては何故か生産されていないようで、偉大なる軽自動車業界の雄、スズキからエブリィとキャリィを供給してもらっている現状な訳です。
　スズキを含む４メーカーがエブリィ、キャリィを売り、ダイハツを含む３社（トヨタ、スバル）がハイゼットを売り、ホンダのみが自社生産のアクティを売っているこのクレイジーな状況って一体…。今自社で軽バン、軽トラックを生産してる（できる）メーカーがスズキ、ダイハツ、ホンダの３社しかないって、日本の国もいよいよヤバイんじゃないですかね～。


マツダ　スクラム


三菱　ミニキャブ


日産　NV100クリッパー