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2023年01月29日 イイね!

「ハワイマレー沖海戦」DVD

「ハワイマレー沖海戦」DVD 午前中に自宅前を除雪したのですが、結局ずっと雪が降り続けている状態です(汗)。22時過ぎには当町内に除雪車が入り始めています。いやはや…除雪作業に従事されている方には頭が下がります。感謝、感謝であります。まぁ…それにしても、明日は何時に起床して何時に家を出掛ければ良いのやら…。

 昨年(令和4年)の秋頃にNHKで放送されたドキュメンタリー番組『映像の世紀バタフライエフェクト ~映像プロパガンダ戦 嘘と嘘の激突~』の中で、日本が大東亜戦争当時に製作した国策映画として、当時の同盟国ドイツとの合作『新しき土』(原題 : サムライの娘)と共に紹介されていたのが、今日取り上げる『ハワイマレー沖海戦』です。特撮ファンとしては、円谷英二氏が特殊技術撮影を手掛けた作品として有名であり、僕も数年前にDVDを購入していました。

 本作は昭和16年(1941年)12月の真珠湾攻撃とマレー沖海戦の戦果を描き、日米開戦1周年記念映画として、国威称揚を目的として大本営海軍報道部が企画し、東宝映画が製作、映画配給社の配給で昭和17年(1942年)12月3日に公開されました。監督は山本嘉次郎氏です。
 物語としては、海軍の飛行兵を目指す一人の少年、友田義一(演 : 伊東薫)が予科練に入り飛行兵になるまでの成長が描かれ、映画の終盤にはハワイ真珠湾攻撃とマレー沖海戦の大戦果を当時の記録映像と円谷氏らが手掛ける特撮で大々的に描かれています。
 円谷氏は戦前、戦中期からスタジオ内で撮影できるミニチュアを用いた特撮や、【スクリーンプロセス】などの合成撮影などの研究、実用化を進めており、本作でもその精巧なまでのミニチュア撮影が現在に至るまで高く評価されています。特に真珠湾のオープンセットを始めとするミニチュア特撮の映像は、終戦後に本作を観た米軍が記録映像だと思い込んだという逸話が残るほど世界的に見ても高い撮影技術だった訳ですが、円谷氏自身も後年本作の特撮について会心の出来映えだったと語っています。

 海軍の飛行兵を目指して予科練に入隊する物語の主人公、友田義一役を演じたのは東宝専属俳優の伊東薫氏で、本作は伊東氏にとって初めてであり唯一の主演作品となります。伊東氏は子役時代から数多くの映画に出演されていますが、主演を務めた本作が公開された昭和17年12月に兵役招集され、その約1ヶ月後に中国で20歳の若さで戦死されています。
 その伊東氏演じる義一の母、友田つね役を【日本初の本格的映画女優】といわれる英百合子氏が演じ、義一の姉、喜久子役を日独合作映画『新しき土』にも出演した原節子氏が演じており、豪華な俳優陣で製作された大作であったのが分かります。
 本作は公開当時空前の大ヒットとなり、1942年度の『キネマ旬報ベスト・テン』に於いて第1位に輝きました。戦後には東宝による配給で再上映され、今日に至るまで戦中期の日本映画の名作と評されています。僕も本作を何度か鑑賞しましたが、完成度の高い特撮シーンが見どころなのは勿論なのですが、本編の物語全体を見ても単に国威称揚、戦意高揚を謳う様な内容になっておらず、一人の少年が軍人へと成長し戦地に赴くまでの過程の物語であり、その家族の人たちの心情なども繊細に描写されているような印象を受けました。
 本作はプロパガンダ映画としても確かに優れているのでしょうけど、それと同時に戦時下に製作された作品ならではの空気感が戦後に数多く製作された【戦争映画】とは全く違うなと思いますね。折に触れて観たい作品の1つですね。


東宝マークと東宝映画株式会社の文字。
東宝マークの陰影が格好良いです。【東宝映画株式会社】もこの時代ならではの旧字体が使用されていますね。画面背景には【大東亜共栄圏】を表す日本及び満州国(中国大陸)からインド、東南アジア諸国が描かれています。


『ハワイマレー沖海戦』映画タイトル。
書籍等では『ハワイ・マレー沖海戦』と表記されるものが一般的ですが、実際は【ハワイ】と【マレー沖海戦】の間に【・】の表記は無いんですよね。


主人公の姉、友田喜久子役の原節子氏。(映画冒頭のシーン)
特撮映画の出演は少ないですが、昭和34年公開の『日本誕生』では天照大御神役を演じています。ちなみに本作出演当時、原さんは22歳だそうで何とも大人びた22歳なんでしょうか…。


主人公の母、友田つね役の英百合子氏。
戦前のサイレント映画の頃から活躍し、戦後も活躍した女優さんです。


日本海軍航空部隊のミニチュア特撮。
この頃から操演によるミニチュア撮影が行われおり、戦後に数多くの怪獣映画やTV特撮作品でこの技術が更に進化していきます。


九七式艦上攻撃機のミニチュア特撮。


九九式艦上爆撃機によるハワイの施設爆撃をミニチュア特撮により演出。
こうしたミニチュアセットの爆破、破壊技術もこの頃既に行われていたのは凄いですし、今観ても迫力があって素晴らしいカットなんですよね。


オープンセットによる真珠湾攻撃の特撮シーン。
乏しい資料(写真など)を参考に、写真に写る水柱の高さなどから軍艦の大きさなどを割り出してミニチュアセットを完成させた、まさに職人業といえる作品です。

Posted at 2023/01/29 22:36:56 | コメント(0) | トラックバック(0) | 特撮関係 | 趣味

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