
平成6年(1994年)7月公開の東宝製作の映画『ヤマトタケル』のDVDです。これまでに観よう観ようと思い続けて未だに観ていなかった作品です。ようやく観ることができました。
本作はゴジラシリーズのいわゆる【平成VSシリーズ】と呼ばれる作品群が毎年正月映画として公開されていた1990年代に製作されたゴジラ以外では珍しい怪獣映画というか、SF作品ですね。監督は『ゴジラVSモスラ』など幾つもゴジラ映画を手掛けた大河原孝夫。特技監督は同じく平成VSシリーズを手掛けた川北紘一。映画のエンディングに流れる主題歌は、X JAPANのYOSHIKIがプロデュースしたGLAYのファーストシングル「RAIN」です。
物語は「古事記」や「日本書紀」で書かれている日本神話に伝わる日本武尊(ヤマトタケルノミコト)の活躍を基にしていますが、そこにファンタジー要素を取り入れて独特な世界観にアレンジしています。
キャストはオウス(小碓)/ヤマトタケル(日本武尊)を髙嶋政宏、オトタチバナヒメ(弟橘媛)を沢口靖子、映画の終盤で宇宙より帰還したツクヨミ(月読命)を阿部寛が演じています。その他、ヤマトタケルの父であるケイコウ(景行天皇)を篠田三郎が演じ、クマソタケル(熊襲)を藤岡弘が演じるなど、特撮作品に馴染みのある俳優も多く出演しています。
映画の終盤、ヤマトタケルとオトタチバナヒメに追い詰められたツクヨミはヤマタノオロチ(八岐大蛇)に変身し二人に襲い掛かりますが、奇跡が起こりヤマトタケルはウツノイクサガミ(宇宙戦神)に変身し、ヤマタノオロチを倒すのです。最終決戦はゴジラシリーズの【平成VSシリーズ】の最終決戦の雰囲気と殆ど同じ感じでバカでかい特撮セットで怪獣同士がぶつかり合うような、最近めっきり見られなくなった日本の特撮らしい迫力の映像が楽しめます。ウツノイクサガミは本作の前年(平成5年)12月に公開された『ゴジラVSメカゴジラ』のメカゴジラと同じ匂いがしますが、ヤマタノオロチの着ぐるみはその巨大さも凄いですけどオロチの生物感のある首の動きを日本が世界に誇る操演技術で見せてくれます。
ゴジラやガメラ、昭和の時代に生み出され今もなお多くの人に愛されるシリーズも大切ですが、こういった新たな作品を生み出していこうとする動きが今の特撮作品にももっと見られると良いなと思いますけどね。そういった意味でもこの『ヤマトタケル』という作品が製作された事は実に素晴らしいですね。

オウス/ヤマトタケル(演 : 髙嶋政宏)
オトタチバナヒメ(演 : 沢口靖子)

ヤマトタケルと対決するツクヨミ(演 : 阿部寛)

髙嶋政宏と阿部寛が目からビーム出して戦います。

ツクヨミが変身したヤマタノオロチ。
良いですねぇ…このデカさ。これぞ映画館で観る怪獣の迫力ですよ。

それぞれのオロチの首の動きが素晴らしい。日本が誇る操演技術ですね。

ヤマトタケルが奇跡によって変身したウツノイクサガミ(宇宙戦神)。
こういったキャラクターが出てくるところも日本の特撮作品らしくて好き。

こういう特撮、最近見ないなぁ…。寂しいなぁ…。

Posted at 2024/01/08 19:45:56 | |
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