昨晩、レイトショーでレジェンダリー・ピクチャーズ版「ゴジラ・キング・オブ・モンスターズ」を鑑賞してきましたが、皆さんは今から63年前の昭和31年(1956年)に同じタイトルの映画がハリウッドで制作、全米公開(後に日本でも公開)されているのをご存知でしょうか。
「Godzilla King of the Monsters!」【日本版タイトル : 怪獣王ゴジラ】は、昭和29年(1954年)に公開された第1作目の「ゴジラ」に、テリー・モース監督による追加撮影を加え、再編集した『海外版ゴジラ』で、物語の主人公もスティーブ・マーティン(演 : レイモンド・バー)というアメリカ人新聞記者となっています。
物語は新聞記者スティーブが、エジプトのカイロへ向かう途中立寄った東京で、一連のゴジラ騒動に遭遇したという形となっており、山根博士やその娘の山根恵美子、尾形秀人、芹沢大助といった主要人物も勿論登場するのですが、スティーブとは旧知の仲だったりとなかなか都合の良い設定だったりします(笑)。しかも、アメリカで追加撮影された部分でスティーブと日本人の主要人物が会話するシーンなどは現地で吹き替えの俳優を使って撮影している事から、後ろ姿しか映っていないなどかなり強引に編集されているのも、時代を感じますね。
この映画、当時で50万ドル以上の興行成績となり大ヒットし、アメリカ国内にみならず世界50ヵ国で上映され、400億円もの外貨を稼いだトンデモナイ作品だったりします。
しかしながら、さすがはアメリカが再編集して作った映画ですね、原作では一番重要となっているテーマ「反核」については、一切カットされています。戦後、アメリカやソ連などの超大国が核軍拡競争で原水爆実験を繰り返して誕生した「核の申し子」というゴジラのアイデンティティそのものを消し去った形で作られた映画なのです。アメリカ国内で原作の日本版「ゴジラ」が上映されたのは平成17年(2005年)になってからであり、「怪獣王ゴジラ」しか観た事のないアメリカ人の中には、作品本来のテーマ性に衝撃を受けた方々も少なからずいた様ですね。
また、この作品で追加撮影した部分に「日本人」として登場する俳優が全て日系人俳優が起用されている点も触れておきたいですね。
アメリカナイズされた片言の日本語炸裂で、アメリカ人が観ても全く違和感を感じない『日本語の部分』が我々日本人には違和感半端なしです(汗)。
そのなかでも、今回貼った画像のゴジラが初めて上陸した大戸島の島民役で出演している日系人俳優の面々…。特に一番左側のおっちゃんが着ている「ルシイルアンダソン」って意味不明の片仮名が書いてある半被…。アメリカ人のお客さんは日本語読めないから気にする事ないんでしょうけど、日本人の我々が観ると気になって仕方がないんですけど!あと、一番右側でしゃがんでる人なんて、よく見ると「貴乃花!?」って思っちゃいました(笑)。
まぁ…なんだかんだと言いましたが、ゴジラは60年以上も前から世界的な人気キャラクターとして確立していたんだなぁ…と思うと、改めてゴジラというキャラクターの偉大さが分かりますね。
Posted at 2019/06/02 11:42:31 | |
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