
昨年、雨宮慶太監督の『未来忍者 慶雲機忍外伝』のDVDを十数年振りに買い直してからというもの、やはり雨宮監督作品の独特な世界観が面白い!という事で、今年に入ってから過去に手放した雨宮作品のDVDを密かに買い集めておりました。
その中でも雨宮監督を代表する作品がこの『ゼイラム』ですね。
本作は平成3年(1991年)12月に公開された映画で、雨宮監督作品としては初の劇場公開作品となります。(前作の『未来忍者~』はオリジナルビデオ作品)
『未来忍者~』同様、低予算で作られた作品にも関わらず、スーツメーション(着ぐるみによるアクション)のほか、要所々々には人形アニメーションによる演出も見られたり、またオプチカル合成と併せてコンピュータグラフィックス(CG)も用いられたりと、作品全体が見応えのある映像となっています。
以下、Wikipediaよりあらすじを抜粋しました。
- 異星人の賞金稼ぎ【イリア】は、逃走した太古の生物兵器【ゼイラム】を捕獲するため、地球上に制限時間付きの無人密閉空間【ゾーン】を作る。ところが些細な偶然から、二人の地球人がそこに入り込んでしまう。【ソーン】は制限時間を迎えると、空間の中身ごと消滅する。
足手まといの彼らを守りながら敢行される【イリア】のゼイラム捕獲作戦と【ゾーン】からの脱出は成功するのか。 -
本作の主人公と言える女賞金稼ぎ【イリア】を演じるのは、森山祐子氏(現・森山ゆうこ)であり、【ゾーン】に入り込んでしまった地球人、高橋電機の配線工事人【神谷】を演じるのは螢雪次朗氏、その後輩の【鉄平】を井田州彦氏(現・井田國彦)がそれぞれ演じています。本作は、低予算で作られている事からこの【イリア】、【神谷と鉄平】の3人以外の人物は殆ど登場しません。神谷の飲み仲間である【村田】を演じるのは、本作のみならず数々の作品でガンエフェクトコーディネーターを担当している栩野幸知氏だったり、通行人役では「ウイングマン」や「電影少女」、「I”s」などの作者である漫画家の桂正和氏が出演していたりしています。
ゼイラムのデザインは勿論、イリアの衣装、ゼイラムやイリアが使用する武器のデザインなど、雨宮監督独特の世界観が何度観ても魅力的ですね。平成初期の作品ながら、その発想と映像センスは今の時代に観直しても十分見応えのあるものと言えるのではないでしょうか。
雨宮監督は過去のインタビューなどで、イリアというキャラクターを登場させたのは、「男ばかりで色気がないから登場する事となった」と語っており、「俗っぽい発想」とも語っていますが、森山氏が演じる【イリア】というキャラクターの魅力無しではこの『ゼイラム』という作品はやはり成り立たないのではないかと思いますね。それほど、森山氏演じる【イリア】が作品にマッチしていたと思います。結果、3年後の平成6年(1994年)には続編となる『ゼイラム2』が公開される事になる訳です。
僕が本作の存在を知ったのは中学3年か高校1年くらいですから、平成7~8年(1995~1996年)頃だと思います。時期的にはちょうど『ゼイラム2』が公開されて1~2年後というところですね。
当時、まだ今よりも誌面が硬派だった朝日ソノラマ時代の季刊『宇宙船』誌と共に購読していたバンダイ出版課の月刊『B-CLUB』誌には、『ゼイラム2』のエキストラ公募の企画などもあった事や、雨宮監督自身の連載などもあり、『ゼイラム』や『ゼイラム2』の記事や写真に触れる機会が多かったです。そんな事もあり、徐々に雨宮慶太監督の存在と監督の作品について知っていく事になり、雨宮監督が手掛けた当時の新作映画『タオの月』(平成9年(1997年)公開)は、当時新潟市の一部映画館でも上映された事から劇場で鑑賞したりと、雨宮監督作品は、当時の思春期の僕に『背伸びをさせてくれた作品』であり、自分の中の【特撮作品の対象の幅】を広げてくれた存在でした。
作品の内容としては、ウルトラマンや仮面ライダー、戦隊シリーズといった一般的で幅広い世代が楽しめるものではなく、鑑賞の対象も中学または高校生以上を対象とした作品ですが、久々に観て感じたのはとても丁寧に作られた作品であり、年月が経ってもその魅力が色褪せない良質な作品だなと思いましたね。
そして、森山さんが実に美しいですね。これに尽きます(笑)。

作品タイトル

ゼイラム

普段はゼイラムの頭部に納まっている【ゼイラムの本体】

女賞金稼ぎ【イリア】(演 : 森山祐子)

白兵戦の際に使用される通常以上の攻撃力、防御力を備える【スーツ】を着用するイリア

格好良いので何枚か貼っちゃいます(笑)。

イリアというヒロインって、【色気】が【格好良さ】として映像に映る不思議な魅力を持っているキャラクターだと僕なんかは感じるんですよねぇ。

イリアの相棒のAI(人工頭脳)、【ボブ】。(声 : 半田雅和)
この辺の発想なんかは時代をかなり先取りしている感じですね。

地球人の【神谷(右)と鉄平(左)】
神谷を演じた螢雪次朗氏は「平成ガメラシリーズ」などでもお馴染みの役者さんで、雨宮作品には欠かせない方です。
鉄平役の井田州彦さんも本作以降、90年代半ば頃から「GTO」などの様々なドラマや映画で活躍される俳優さんで、『未来忍者』からの雨宮作品の常連ですね。

エンディングのラストカット
螢さん、こうして見ると若いなぁ…。
Posted at 2020/10/18 20:48:52 | |
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