
今日は大相撲春場所の千秋楽。優勝の行方は結局千秋楽まで持ち越す展開となりましたが、個人的には未だ賜杯を抱いていない髙安関に優勝させてあげたいですが、星が並ぶ大の里関も充分優勝の可能性がありますから、さてどうなりますやら。いつもは町内会の総会の日と千秋楽が被ってしまい、いつも春場所の千秋楽を観ることができないのですが、今年は観れるので良かったです♪
なので地上波の中継が始まる3時までにはこのブログを書き終わるように頑張ります(笑)。
…さて、本日ブログのネタに取り上げますのは12月か1月に新潟市内のレンタルビデオ店の閉店セールで格安で購入した昭和43年(1968年)8月公開の松竹製作の怪奇ホラー映画『吸血鬼ゴケミドロ』のDVDです。購入時に付いていたレンタル専用ケースから通常のDVDケースに移す際に、作品のイメージに合うようにちょうど手元にあった赤いケースに入れてみました。この作品の存在は20代の前半くらいに知ったんですけど、いつか観ようと思ってそれから20年ほど経ってしまいましたが、今回格安でDVDを入手する事ができてラッキーでした。
本作公開の前年(昭和42年)に松竹では同社初となる特撮怪獣映画『宇宙大怪獣ギララ』を公開し、本作は『~ギララ』に続く松竹における特撮映画第2弾として松竹京都太秦撮影所が製作したものです。
- 羽田空港から伊丹空港に向かう小型旅客機。旅客機が飛ぶ空は異様なほど赤く染まっており、空を飛ぶ鳥が次々に旅客機に衝突して死んでいくという恐ろしい怪現象が起きていた。管制塔から外国大使を暗殺したテロリストが旅客機に搭乗しており時限爆弾を飛行機に載せている可能性がある為、乗客の手荷物の確認を行い即時羽田空港に引き返すよう指示が入る。結局、テロリスト 寺岡博文(演 : 髙英男)に旅客機はハイジャックされてしまうが、その直後に旅客機は謎のオレンジ色の発光体と遭遇、衝突し制御不能となり山中に不時着する。
不時着の衝撃に奇跡的に生き残ったのは副操縦士の杉坂英(演 : 吉田輝雄)、スチュワーデスの朝倉かずみ(演 : 佐藤友美)を含む10人だけであり、テロリストの寺岡もその一人で、寺岡はスチュワーデスの朝倉を人質に他の生存者を銃で脅して旅客機から逃走するが岩陰にオレンジ色に発光する円盤(宇宙船)を発見し、寺岡は朝倉を残したまま、まるで円盤に引き込まれるかのように円盤の中に入っていく。すると寺岡の額が縦に大きく裂けて、その中にアメーバ状の宇宙生物ゴケミドロが額の裂け目から寺岡の体内に侵入し寄生するのだった。ゴケミドロに寄生された寺岡は吸血鬼となり人血を求めて旅客機の生存者を次々に襲うのだった。
救助もなく旅客機の生存者たちは忍び寄る吸血鬼からの脅威に怯えながら、やがて冷静さを失っていき「自分だけは助かりたい」という人間のエゴが出始め、緊迫した人間模様が描かれていく。物語の後半、ゴケミドロは寄生した人間の身体を利用して、自分たちの目的が地球侵略ならびに人類の絶滅であることを生存者たちに告げる。
物語終盤、緊迫した恐怖の状況でも最後まで冷静さを失わなかった杉坂と朝倉は旅客機から脱出すると街を目指して下山するが、街で目にした人々は全て吸血されて死んでいる状態であった。杉坂たち二人は宇宙生物ゴケミドロによる地球侵攻が既に始まっていた事を知り、赤く染まった空を見上げて絶叫するのであった…。
映画のラスト、宇宙の彼方からオレンジ色の光を放つ無数の円盤が地球目掛けて飛来する。青かった地球はやがて死の星と化し、その姿も茶色く変化するのだった。 -
…といった具合に、救いようのない終わり方をする特撮を駆使した怪奇ホラー映画なんですよね。本作を知る人ってなかなかの映画ファンもしくは特撮ファンなのでしょうけど、特に映画冒頭の旅客機から見える異様なほど赤く染まっている空は、平成15年(2003年)の映画『KILL BILL』で監督のクエンティン・タランティーノがオマージュするなどの影響を与えていたり、根強いファンが一定数いる作品である事は間違いないですね。
作品の見所としては、屋外(おそらくどこかの石切場)に実寸の旅客機のセットを作っているところや、ピー・プロダクションが手掛けたミニチュアによる旅客機の飛行シーンや墜落、不時着シーンなどが挙げられますが、何と言ってもテロリストの寺岡を演じた髙英男氏の何とも不気味で怪しい雰囲気がこの作品最大の魅力でしょうね。
高英男(こう ひでお)氏は元々俳優ではなく本業はシャンソン歌手で、日本のシャンソン歌手の先駆けと呼ばれた方でした。高氏が劇中で着ている衣装は全て高氏が自前で揃えたもので、その顔立ちに縦に裂けた額の傷、白いスーツに白手袋という…ゴケミドロに寄生(憑依)されていなくても充分過ぎるほど怖い雰囲気が出てる寺岡のキャラクターが何とも素晴らしいですね。
こういった作品って、今の映像技術で作ったらやっぱり映像的には素晴らしいのだけれども、この俳優じゃないと絶対に出せない雰囲気、この時代じゃないと絶対に出せない空気感っていうのがやっぱりあって、リメイクやリブートと呼ばれる作品が原作を超える事は絶対にないんだよなぁ。

Posted at 2025/03/23 14:32:24 | |
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