
東映のTV特撮作品『兄弟拳バイクロッサー』のDVD(全3巻)です。昨年(令和6年)の3月に『星雲仮面マシンマン』のDVD(全3巻)と一緒に購入しました。昨年から少しずつ観ていましたが先日ようやく全話視聴を完了しました。
『兄弟拳バイクロッサー』は昭和60年(1985年)1月から同年9月まで全34話+再放送4話の全38回が日本テレビ系列で放送されました。前年に放送された『星雲仮面マシンマン』の後継企画番組となります。前作『~マシンマン』同様にスーパー戦隊シリーズや宇宙刑事(メタルヒーロー)シリーズよりも低予算で製作された【町内・ご近所系】の特撮ヒーロー作品となっていますが、前作の『~マシンマン』よりもアクション、メカニック描写の面で強化が図られています。
番組タイトルおよび主人公の名前は、倍(2人)とバイク(二輪車)と掛けており、変身時に2人が腕をクロスする事から【バイクロッサー】と原作者の石ノ森章太郎氏が命名しました。
…秘密組織デスターは奥多摩の地底から子供の泣き声を聞かせるとダイヤモンドを吐き出す不思議な力を持っている秘宝【魔人ゴーラの像】を発掘した。デスターのドン、ドクターQ(演 : 潮健児(のちに建磁))は世界征服のために軍資金を得るべく次々に街の子供たちをいじめて泣かせようと企む。
海蛇座第Ⅲ銀河星団の守護神ペガサスは地球人の大学生の兄、水野拳(演 : 金子哲)と高校生の弟、水野銀次郎(演 : 土屋歩)の兄弟にバイクロッサーに変身する超能力とスーパーメカを与え、子供たちからデスターの魔の手から守るために戦うよう告げる。超能力を得た水野兄弟は【バイクロッサー・ケン】と【バイクロッサー・ギン】として兄弟拳バイクロッサーと名乗りデスターの野望を打ち砕くために戦うのです。
番組途中(第14話以降)から魔人ゴーラの像の代わりに悪神ゴーラゾンガーが登場し、ドクターQをはじめとするデスターの主導権を握り打倒バイクロッサーを目論見ますがことごとく失敗に終わり、最終的に自ら戦闘ロボブライゾンガーに変身してバイクロッサーに挑むも敗れるのでした。
バイクロッサーと言えば番組終盤でバイクロッサーがデスターロボに必殺技「ブレーザーカノン(砲)」を発射する場面がとにかくインパクトが強いのですが、弟のギンが搭乗するスーパーバイク「ギンクロン」を弟を乗せたまま兄のケンが肩に担ぎ、ギンクロンの車体底部にあるトリガーを引いて必殺技『ブレーザーカノン』で敵にとどめを刺すという、他の特撮ヒーローにはない合体必殺技が最高に格好良いのです。
『~バイクロッサー』はねぇ…僕にとっては幼少期にリアルタイムで観たヒーローの中でも凄く記憶に残っている番組で、当時同じ時期に放送されていた戦隊シリーズや宇宙刑事シリーズも観ていたけど、何故かこのバイクロッサーの方が記憶に強く残っているんですよねぇ。さらに弟のギンがギンクロンに乗って空を飛行する時にキャノピーが閉まる描写でギンが真下を向いてギンクロンを操縦する格好になるのがやたらと記憶に残っていて、『~マシンマン』のマシンドルフィンの時と同様に「全然前見えてないじゃん!」っていうのがいつも気になっていたけれど、中学時分に同級生からも同様の指摘が聞けたのでこの頃番組を観ていた子供はだいたい同じように頭を真下にしてチャリンコ乗って真似していたんだなと思っています(笑)。
前作『~マシンマン』同様、確かに低予算で製作された作品なのでデスターロボの着ぐるみは頭部や腕以外は使いまわしだし、メカ特撮のシーンはバンクフィルムを使用して毎度同じ映像が流れるけれど、アクションは格好良いし、何より戦隊にも宇宙刑事にも仮面ライダーにもないデザインと独自の世界観、僕ら当時の子供たちを夢中にさせてくれたその魅力は、今になって改めて観なおしても色褪せないものがありました。子供の頃から再放送などで幾度も観てきたウルトラシリーズや仮面ライダーシリーズとは少し違った『僕たちの時代のヒーロー』という特別な感情を抱かせてくれます。

番組タイトル。
OP、ED主題歌は『水戸黄門』のうっかり八兵衛こと高橋元太郎氏が歌います。

超能力が与えられ『バイクロッサー』となった水野兄弟。
右 : 兄の水野 拳(演 : 金子 哲)
左 : 弟の水野銀次郎(演 : 土屋 歩)

水野兄弟は自宅2階の相部屋にある異次元空間に通じている洋服タンスの扉を開けてバイクロッサーに変身します。
ちなみに外出中も【超能力の力】で都合よくバイクロッサーに変身できます(笑)。

バイクロッサーの母艦であるスターコア。
スーパーメカ、ケンローダーやギンクロンが格納されており、それぞれがこのスターコアから射出されます。

主にケンが操縦するケンローダー。
スターコアから射出され、飛行モードから地上走行モードに変形します。
ケンローダーにもギンクロンを格納する事が可能で、ケンローダーからギンクロンを射出する場合もあります。

ギンが搭乗するスーパーバイク、ギンクロン。
スターコアやケンローダーから射出されます。

飛行時にはキャノピーが閉まります。前見えてませんね(笑)。
SUZUKIのロゴが良いなぁ…。考えようによってはスズキって凄いメーカーですよね(笑)。

必殺技『ブレーザーカノン(砲)』を発射するべく弟のギンが毎度毎度走ってギンクロンを取りにいって(笑)、飛んできたギンクロンごと兄のケンが肩に担ぐという…このインパクトはなかなか他の特撮ヒーロー作品ではお目にかかれない格好良さですね。

必殺技『ブレーザーカノン』。
第1話から最終回の第34話まで一貫してこの技で敵を倒していきます。
今は姿や技が回を追うごとに派手になり仰々しくなっていきますが、本来これで良いんですよ。これこそヒーロー作品のあるべき姿。

上 : 魔人ゴーラの像
下 : 悪神ゴーラゾンガー

秘密組織デスターのドン、ドクターQ(演 : 潮 建児(第14話以降は建磁に改名))
第17話以降はゴーラゾンガーが製作した高知能ヘルメットを着用します。(下の画像)
『仮面ライダー』では地獄大使を演じた潮氏。本作でも敵の首領を活き活きと魅力たっぷりに演じておられます。

ドクターQ(前列中央)をはじめとする秘密組織デスターの幹部と下級戦闘員ブラックマンの面々。
右はデスター幹部のシルビア(演 : 高橋みどり)。ドクターQの忠実な右腕です。
左は第14話から登場する幹部のリタ(演 : 羽田圭子)。ドクターQの孫娘で、ドクターQの事を「おじいちゃま」と呼びますがドクターQからは毎回「ドンと呼びなさい!」と怒られます。
Posted at 2025/03/02 13:22:52 | |
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