2011年09月12日
わいせつ図画販売ほう助:ビデ倫元部長らに有罪…東京地裁
モザイク処理が不十分なアダルトDVDに審査で合格を与えて流通させたとして、わいせつ図画販売ほう助罪に問われた自主審査機関「日本ビデオ倫理協会」(ビデ倫)元審査部統括部長、小野克巳被告(54)に対し、東京地裁は6日、罰金50万円(求刑・懲役10月)を言い渡した。河合健司裁判長は、ビデ倫側が会員メーカーの意向に沿って審査基準を大幅に緩和したと認定し、「自主審査機関としての重要な職責を半ば放棄して、審査レベルを低下させ、社会に害悪を拡散させた」と指弾した。
問題のDVD4本を担当した元審査員の根本英隆被告(67)と黒須清皓(きよつぐ)被告(71)も求刑通り罰金50万円としたほか、同図画販売罪に問われたDVD制作・販売グループ「芳友グループ」元会長、芳賀吉孝被告(84)ら2人に懲役10月、執行猶予3年(求刑・懲役10月)を言い渡した。
アダルト作品の自主審査機関に対する強制捜査は異例で、公判の行方が注目されていた。全被告が問題のDVDが「わいせつ図画」に該当しないと主張したが、判決はモザイク処理が極めて薄いことなどから、「直接的な映像修整はないに等しい」と退けた。
被告側は、日活ポルノ映画の「わいせつ性」を巡って、第三者機関(映倫)の判断を尊重すべきだとした東京地裁判決(78年)などを基に正当性を訴えた。
判決は「(ビデ倫が)わいせつ物の販売などを水際で防止する一定の役割を担ってきた」としつつ、06年以降の「基準緩和」の実態を踏まえ、「(ビデ倫の)審査結果の尊重は適当でない」とした。
ビデ倫側が「当局の規制は憲法が保障する『表現の自由』に抵触する」と訴えた点については、「ネットの普及などで価値観が多様化しても、性表現を刑事罰から解放する考えは少数。最低限度の性道徳は維持されるべきだ」と述べ、合憲とした。【野口由紀】
◇「短絡的な発想」…ビデ倫会見
無罪主張を一蹴する判決に対し、ビデ倫側は記者会見。小野被告の弁護人、内田剛弘弁護士は「ビデ倫の社会的意義を認めつつ、警視庁のストーリーに沿った検察官の主張に偏った判決」と批判し、「表現の自由という重大な憲法問題なのに、短絡的な発想で『わいせつ性あり』と判断した」と憤った。
一方、検察幹部は「ネット上にわいせつな映像があふれているからこそ社会は取り締まりの必要性を求めているという判決で、先例になる」と評価した。
**********************************************************************毎日.jp 毎日新聞 2011年9月6日 21時14分*********
不自然な「ビデ倫」摘発 カギを握るは警察の天下り
3月1日、アダルトビデオやDVDの自主審査機関「日本ビデオ倫理協会」(ビデ倫)の審査部門責任者らがわいせつ図画頒布幇助容疑で、同時に、AVメーカーの役員ら5人も同頒布容疑で警視庁に逮捕された。大手メディアの報道は、この事件を「インターネットの普及やAVソフト販売競争が激化する中で、モザイクを薄くする必要に迫られたメーカーが、ビデ倫を抱き込み、過激な作品を流布させた」という文脈で解説。
だが、今回摘発の対象となった作品は、逮捕されたメーカー代表自身が、逮捕以前に「ほかに摘発するものは、いくらでもあるでしょう?」と語っている通り、昨今の市場動向からすると、決して度を超したものではないという見方が業界内では強い。
「過激化する一方のAV業界全体に対する見せしめ的な逮捕であったことは、間違いないでしょう。ただ、警察の思惑は、それだけではないと思いますよ」
そう語るのは、今回逮捕されたメーカーA社の関係者。この関係者によると、容疑のかかったビデ倫と各メーカーに警視庁が強制捜索に入ったのは、昨年8月。その後、ビデ倫関係者やメーカー社員は、執拗に取り調べを受け続けてきた。A社に至っては、この間、主要な制作機材を警察に押収されていたため、まったく業務ができず、倒産寸前に追い込まれていたそうだ。
「逮捕もされず、業務もできず、蛇の生殺し状態だった。警察からは、『年末には身柄を持っていく』と言われていたのですが、結局、逮捕は3月。容疑固めに時間がかかった、無理のある逮捕だったんです」(前出・関係者)
そんな不自然とも取れる逮捕劇の裏では、こんな興味深い情報が流れていた。あるメーカー社員が証言する。
「昨年の初夏、ビデ倫はA社に対して、今回摘発された作品を自主回収するよう促していたんです。そのきっかけは、ほかのAV自主審査機関からビデ倫に『修正が甘すぎるのでは?』というクレームが入ったことらしい。A社はそれを拒否し続けていたところ、8月の強制捜索が行われたんです」
ビデ倫は、メーカー90社以上が加入する審査機関の最大手だが、最近は、ほかの審査機関の影響力が拡大し、加入社を奪い合うような状況も生まれていたという。そんな各機関がばらばらの審査基準を持つ中、「ビデ倫の審査はザル」と業界内では評判で、厳密な修正作業を要求している他機関からしてみれば、不満が募っていた面もあったようだ。
「彼らが警察に働きかけたという見方があるんです。そもそも、AVの審査機関の多くには、警察OBが天下って、当局との調整役をやっています。警察OBがいる審査機関がOKを出したものは、お上のお墨付きと一緒、警察も摘発しないという不文律があるから、警察OBの受け入れは必須。それはビデ倫も一緒だったのですが、実は強制捜索が入る数カ月前に、ビデ倫にいた警察OBが退任しているんです。つまり、警察OBがいなくなった隙に当局が動いたわけですから、ここに意図的なものを感じないわけにはいきません」(前出・メーカー社員)
ビデ倫でいえば、長らく事務局長という肩書が、警察の天下りポストとされてきた。このポストは、一説には週2〜3日出社し、1日5時間未満の労働で、月額60万円以上の報酬がもらえるといわれている。ところが、昨年夏からは、このポストから警察OBが外れているというのだ。
「警察OBが外れた原因は、ビデ倫が同ポストの待遇を下方修正しようとして警察が反発したとか、競合する審査機関が警察OBを厚遇で多数迎え入れ、ビデ倫に誰も行かなくなったなど諸説あります。いずれにせよ、この空白のポストと今回の逮捕劇は無関係ではないと思いますよ」(同)
こうした点をビデ倫に問い合わせたが、「今は、どのメディアからも取材は受けられない」というコメントを出すのみだ。だが、もしも今回の逮捕劇が、「過激化するAV市場への見せしめ」ではなく、「警察OBを保護するための見せしめ」だとしたら、世も末だと思わざるを得ない。
(編集部/「サイゾー」4月号より)*****************************************日刊サイゾー*********************
前回から似たようなネタになってしまいました。
しっかしまぁなんですな。
このインターネットの時代、ビデ倫なんてまだあったんですなww
ワタクシこういうヤラセの・・と言ってはいけません。なんちゅうんだ?
「ふつうの」? それじゃ普通じゃないのがあるみたいじゃんww?
まぁいいや、そういうものを見ませんので知りませんでした。
イマドキモザイクガチガチのを金を払って買う人いるんですかね?
きれいなものみたいならモザイクの要らん撮り方で、きれいに見た方がよかんべな?
いずれにしても捜査側が恣意的に摘発でき、なんとでもなるような事態は根本からなおさねばなりません。
が、前回の「三号ポルノ」もそうですが、モノがモノだけに真剣にやってくれる専門家があまりいないんでしょうねぇ。
世も末と言われて久しいですが、そのうち落ちるところまで落ちてゴツンと止まるのでしょうかね?
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Posted at
2011/09/12 20:51:33
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