「関西大学第一高校」(大阪府吹田市)が今春の入試で、試験日の1カ月前に中学側と「受験相談」と称する事実上の入学者選抜を行い、中学での成績に基づき大半の合格者を内定した結果、内定者より79点も高い点数を試験で取ったのに不合格とされた受験生がいたことが分かった。「受験相談」の存在や結果は大半の受験生に知らされていなかった。大阪府は入試の選抜方法が不透明だとして同校を指導した。試験の前に生徒を早めに確保するこうした仕組みは全国の私立高校に広がっており、不公平な選抜や入試の形骸化につながるとして受験関係者の中から批判する声が上がっている。
関大一高がホームページなどで公表した今春の募集概要によると、入試は筆記試験が国語、社会、数学、理科、英語各100点の計500点。これに内申点として音楽、美術、保健体育、技術・家庭各20点の計80点を加えた580点満点の試験で合否を決めると明記し「中学3年間の活動実績なども考慮する」としているが、「受験相談」については一切記載していない。
しかし、複数の関係者や関大一高の内部資料によると、今年2月10日の筆記試験の約1カ月前、少なくとも数十校の中学の進路担当者が「受験相談」として決められた期日に関大一高を訪問し、受験生の内申点や中学でのテストの点数を提示。関大一高はそれを基に個々人の合否の見通しを中学側に伝えていた。ただし、多くの中学は「筆記試験まで勉強を続けさせる」などの理由で、受験生には受験相談の存在やその結果を明確に伝えなかったという。
関大一高側の説明者向けの内部資料には「中学側に『受験相談でマル(内定)をもらえば確約ですか』と聞かれれば『筆記試験でよほどのことがない限り不合格になりません』と言ってください」などと記されていた。実際、受験相談で内定が出た119人は全員が筆記試験を経て合格。試験での最低点は男子で312点、女子で284点だった。
一方、同校は主に試験の成績で合否を決める「当日枠」も設けており、当初はその定員を約50人と中学の進路担当者らに説明していた。しかし、受験相談での内定者が当初想定していた約100人から119人へと増えるなどしたため当日枠を削減。合格者は16人にとどまり、50人が不合格になった。合格者の最低点は男子で390点、女子で370点。不合格50人のうち47人は受験相談での内定者の合格最低点を上回り、女子では79点高い363点、男子では66点高い378点を取っても不合格とされていた。
こうした経緯を疑問視した関大一高の関係者は筆記試験の前後に複数回、大阪府に指導を要請。大阪府私学・大学課は「募集定員や点数の逆転に不透明な部分があり、内部から不公平との指摘が出ている」として同校に改善を求めた。
関大一高の橋本定樹校長は「中学からの要請もあり受験相談をしている。筆記試験の点数だけでなく中学での活動を考慮しているので、結果的に(合格最低点の)点差が広がってしまったが、分かりやすい制度にしたい」と話し、募集要項を変えるとしている。
***********************************************************************************Yahoo! ニュース 毎日新聞 2015/08/20****
こういうの、結構あるんだと思いますな。ホンネを言いますと中学側の要請が大きいような気がします。「中学浪人を出さず、とにかく進学希望の卒業生はもれなくどこかに押し込みたい」という大目標のため、事前調整ができたら便利ですよね。
それなら当日枠と分けた推薦枠をちゃんとすればすっきりするのですが、早く進学先が決まると校内が浮わついて困るとか、なにかと「内申書」にモノを言わすと中学での管理上都合がいい…ってことでしょうかね?
ワタクシの頃は「内申書重視(キリッ」ってな時代でコレが管理教育のツールになってましたな。
・おそらく内申点(今回のケースと違い主要五課も含めた九教科90点)毎に輪切りにされ、それこそ定員の9割くらいがこれで合格となる。←生徒自身はそれを知らないで本試験まで勉強している
・学校別の基準点に足らない生徒は親も呼び出して全力で志望校変更の説得をする(授業中に別室に呼ばれ2時間くらい帰ってこないヤツいましたww)。
・無理して受験した生徒はほぼ必ず落ちる、「先生が無理だと言ってたのに受かった」伝説はたまたま狭き一発勝負枠にはまったケースであり、リスクが高い。
・生活態度とかブカツとかその他の行動については日常的な脅し管理上、都合がいいので「内申書に書くぞ〜」と持ち出すが、たぶん受験そのものには反映しない、「ダメ人間」などと書かれたのがバレれば人権問題だしねww。

大勢受験する大学ならなおさらそんなモン見ているひまはないと思われw
・いわゆる部活枠もあったが、当時みんな知っていたにしろ制度的に公にはされておらずその分は定員を超えて入れている(400人定員なのに420人くらいいるのはソレ)。進学校なら本来2ランク下くらいのはずのヤツが「部活をやるため」入学する。
「内申点に達しているから当日余程のポカをやらない限り大丈夫だよ」などと言ってくれませんでしたので間際まで受験勉強したものでした。さらに当日数学で大きく間違い完全にダメかと思っていましたが、担任は「大丈夫大丈夫!!」などとなぜか自信満々だったのはそういうわけだったんですな。
しっかしまぁ、なんですな。
こういう入試方法があるのは悪いことでもありませんし、推薦枠、内申重視枠、一発枠などあらかじめ分けるべきですな。内申点は学期毎の試験結果を公正忠実に反映し、生徒を脅かす管理ツールにするような質の悪い振る舞いはやめてもらいたいですな。
Posted at 2015/08/20 15:30:01 |
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