私の愛車、アリストV300TTEバージョンには3000cc直6ツインターボエンジンの名機と言われる「2JZ-GTE」が搭載されています。
このエンジン、私大好きなんですよね~。
新車購入して20年経った今でも乗るたびに面白くて、とっても楽しいエンジンだと思います。
その楽しさにはクルマ自体も古くなってきているので、日頃のメンテが非常に大事です。
このエンジンではやはりオイルなどの油脂類などの管理が非常に大切になります。
そんなメンテをしっかりしているのにもかかわらず、今年に入りガレージの床にポタポタとオイル漏れを知らせる跡を発見。この前修理したのにもうオイル漏れ???
それからもう心配で、その漏れの原因を晴らすべく2月の初頭、浜松のKENT氏に段取りしていただいてネッツ静浜で点検をしてもらうことにしました。
早速リフトアップして診てみると・・・・・、
オイルパン下側にオイルが漏れてしっとりした汚れを発見。
診断結果は、ヘッド上部に漏れはなく、下側のみということでやはりクランクシールからの漏れが怪しいという報告。
しかしクランクシール漏れの修理は3年半くらい前に修理しました。
期間はそれだけ経っていますが普段乗らないんで、走行距離的には1万キロは走っていません。それはどういうことか???
オイル漏れはやはり治さないと、大事な2JZ-GTEの楽しさはきちんと味わえないんで修理をお願いしました。
その作業は点検していただいたネッツ静浜和田店のWさん。
KENTさんのアリストの主治医です。
この方は、約3年前にTTEを車検をお願いしましたサンストリート浜北店で作業をしていただいた方です。
20年前の入社時にアリストに憧れ、そのクルマを整備したいという意志で入社し、今では工場長として新車からこのアリストのような古い車でも信頼して依頼できる頼もしく嬉しくなる人物です。
今はこの和田店に転勤して、この2JZエンジンや1JZが大好きなエキスパートです。マイカーはプリウスαなんでちゃんとハイブリッドもしっかり診ることができる方です。
入庫時には同じ会社で以前はASK店長、現在鷲津店店長のSさんも駆けつけていただきました。
お気にかけていただき感謝です。
ありがとうございます。
さあ整備開始です。
まずは一番の懸念のクランクシールの不具合を調べます。
ラジエーターを外し前周りを開放します。
Wくん曰く、「絶対にその漏れにはきちんと原因があるんでバラしていけば必ず分かりますよ」頼もしい発言に嬉しくなります。
カバーにもベットリと付着しています。
まずはクランクボルトを外します。
これが固いんですよね~。
Wくんは上から長い鉄棒を差し込みゆっくりとトルクをかけていきます。
SSTもありますがゆっくりジックリという観点から使わないそうです。
固かったですがきちんと外れました。
しかし外してみて驚きました。
Wくんが「え??」と大きな声を出しましたので聞いてみると、クランクオイルシールが簡単に手で動いたというのです。
手で触ったら外れちゃいましたと。。。。
新品交換時にはキチンと打ち込むのでそんななはずはないというのです。
あとエンジンブロック側にも擦り傷の様な削り痕がありました。
きちんとはまっていなかったシールが動いていてエンジンブロックを削っちゃったそうです。
20年間大事にしてきたエンジンが・・・泣けました。。。。。
これが外したクランクシール。
こちらが新品のクランクシール。
相当動いて削られたらしく、厚みがこんなに違っていました。
オイル漏れは間違いなくココですね。
その原因は、オイルシールの打ち込み不足によりシール自体が踊って動き、少しづつオイルが漏れてエンジンブロック側にも傷がついたというのです。
このまま乗っていたらシールが外れてオイルが一気に漏れて焼き付き、エンジン交換になる恐れがあったそうです。
この時失神寸前!ブロックに削り痕がありエンジンもうダメか?と心配になりました。
そしてWくんは、「クランクがこういう状況だとカムシャフトシールも心配なので診てみたい」と熱望。
もうここまで来たので一気に診てください!とカムシャフトシール交換も視野に診てみます。
カムシャフトが見えました。
VVTプーリーを外しカムシャフトシール部分を見ると・・・・
Wくん予感的中だそうです。
今は漏れはないですが、シールにしわが寄っています。
これはきちんとはめないままプーリーを取り付けたことにより押しつぶされてはみ出てるんだそうです。これも交換決定ですね。。。
次はせっかくここまで来ちゃったので、ある作業のためにカムシャフトを外します。
お~~、見えましたね。
ものすごく綺麗なヘッドだと褒められました。
以前同じ作業をしたKENT氏のヘッドと比べる写真を見せてくれました。
やはり100%化学合成油を20年間新車から使っている成果が出ていますねということでした。いいオイル大事ですね。。。
そんな喜んでいたのも束の間、もっと驚いた事態が発覚!!
ちょっとこれ見てくださいとカムシャフトを見ると・・・・あ!傷だらけです。。。。
ちょうどカムシャフトオイルシールが乗る場所です。
以前のカムシャフトオイルシール交換時にマイナスドライバーなどでこじって外した後かもだそうです。固いシャフトが傷ついてるので相当強くです。
シールが乗る場所なので漏れるかも?と思いましたので、シャフトの価格を調べると1本5万!とビックリ価格。これは考えちゃう価格。。。。
Wくんは今まで漏れていなかったので大丈夫だと診断。
このままでいくことにしました。
でもいちゅ漏れるか分からないのでいつも見ていて下さいと悲しい宣告。。。
次の作業はカムシャフトまで見えたので、ずっと気になっていたバルブステムシールの交換をお願いしました。
これも最初は今回の修理メニューにはありませんでしたが、せっかくカムシャフトまで外したので一気にやってもらうことにしました。
2JZの持病であるオイル下がりによるエンジン始動時の白煙問題は、お知り合いの方々からよく聞くトラブルでした。
小さな部品ですがバルブステムシールが劣化すると、シリンダー内部にオイルが落ちてそれが始動時に燃えて白煙が出ます。
このオイル下がりは10万キロ近くになると出てくるという症状なので、私も9万キロ超えていつ白煙が出るかドキドキでしたので修理をお願いしました。
6番ピストン付近が遠いのでエンジン部分に入っちゃって作業の珍しい風景ですね。(笑)
バルブシムが金貨のようできれいでした。(笑)
これが劣化したバルブステムシールです。
こちらが新品です。
Wくん、吸気と排気で色の違いを教えてくれました。
新品交換でスッキリ安心ですね。
そしてこちらも7~8年ぶりのプラグ交換です。
私はNGK派ですので(笑)、今現在使用しているのはイリジウムMAXです。
純正6番手ですが、TOM'SのECUに交換してるんで7番手にしています。
これが外したものです。
こちらが新品です。
プラグ自体の意匠が変わっていました。
新旧問題なく使用できるとのことですが、気持ちの問題で同じ新バージョンに揃えました。
こちらもついでの作業ですが、いい機会だったのでHIDバルブも交換しました。
前回交換したのは約10年前!
最近だんだん暗くなってきたような感じがしていました。
浜定夜会くらいでしか夜に乗らないので10年間もちましたね。(笑)
ずっと在庫してあったBOSCH製のエターナルゼロです。
白さが自然でいいんですよね。
裏ぶたも漏水防止の観点から新品にしました。
さあ一連の修理が終わったので組付け作業に入ります。
今回のメイン作業のクランクシール交換です。
新品クランクシールの取り付けです。
新しいクランクシールをはめ込みます。
きちんと当たる部分にグリスを塗り込みます。
この状態だとまだしっかりと奥に入っていません。
さてここからがキモとなる作業です。
今回のオイル漏れの原因はこのクランクシールの取り付け不具合でした。
サービスエンジニアのWくんも、何回もこの作業をしていても気を使う作業だそうです。
通常はハンマーなどで均等にたたき込んではめ込むのですが、なかなか均等にするのが大変。しかしこれが均等にはめ込まないとまたオイル漏れの原因になります。
Wくんはこのオイルシールを均等にはめ込むために、このオイルシールの外周に合う円筒の金属部材を探してきてそれを上からたたいてはめ込むんです。
その丁寧な作業に脱帽でした。
これではめ込み完了です。
均等にしっかりとはめ込んでありますね。
これで組み立てて仕上げて完了です。
Wくんの責任施工完了です。
今回は本当にいろいろとありがとうございました。
作業時間や手順に気を使っていただき感謝です。
また同じアリストの仲間の方々もお願いするのでよろしくお願いいたします。
今回のクランクシャフトからのオイル漏れ修理、実は同じ修理を3年半前に施工しました。
前回の修理は8万キロ16年経ってから漏れましたが、今回は3年半で漏れてしまいました。
その原因は、そのシール類の取り付け不具合による漏れという診断結果。
今回その交換取付作業を間近で見ていて、その一つ一つの作業に細心の注意を払ってるのがよく分かりました。
すごくいいエンジンでもこんな小さなシールが駄目なだけでオイル漏れをする。
ホントエンジンはデリケートです」。
またエンジン内部の綺麗さは、オイル管理が大事だなと改めて思いました。
エンジンのオイル漏れ、この心配がなくなり本当にスッキリしました。
今回の一番の財産は、このように私の想いを分かってくれてしっかりと対応してくれたエンジニアWくんに出会えたのとそれをサポートしてくださる静浜の方々に感謝です。
本当に本当にありがとうございました。