2013年12月24日
【賃金もだが】バス運転手不足で初の検討会【職場環境も大事よ】
バスの運転に必要な大型2種免許を持つ人が減り、数年後には大都市でも路線バスの運行が立ち行かなくなる可能性があるとして、国土交通省が、運転手の確保について話し合う検討会を初めて開きました。
国土交通省で開かれた初めての検討会には、交通政策の専門家やバス会社の経営者、それに運転手の労働組合の担当者など27人が出席しました。
バスの運転には大型2種免許が必要ですが、国によりますと、この免許を持つ人は、現在およそ102万人で、この15年間で20万人余り減りました。
これに伴って路線バスの運転手も、ピークだった昭和51年のおよそ10万7000人が、2年前にはおよそ8万人と、25%余り減っています。
このため国土交通省は、このまま減り続ければ数年後には大都市でも便数を減らしたり路線を廃止したりする会社が出てくる可能性があるとしています。
また検討会では、バスの運転手の平均年齢が、産業全体の労働者より6歳高い48.5歳に達しているほか、労働時間の長さに比べ、給与水準が低いといった問題が指摘されました。
検討会は、来年6月をめどに対策をまとめることにしています。
大都市の路線バスも運転手不足
運転手不足は、大都市の路線バスにも影響を及ぼしています。
川崎市に本社があるバス会社は、およそ350台のバスを保有し、川崎市と隣の横浜市の主に大都市で路線バスを運行しているほか、羽田空港との間にもリムジンバスを運行しています。
およそ720人の運転手が適性ですが、工夫を凝らしても40人ほど足りない状況が続いています。
川崎市川崎区の営業所では、深夜早朝の時間帯や、渋滞などで変更が出た場合、当初の勤務表ではシフトが回らないケースがたびたびあるということで、担当者が、乗務を終えた運転手に残業や休日出勤を頼むなどしてやりくりしています。
会社は当初、大型2種免許をすでに取得し1年以上の運転経験があることを、採用の条件としていました。
ところが確保がままならないようになり、10年ほど前、運転経験を問うのをやめ、その後も免許の条件を普通免許に下げたほか、大型2種免許を取得する際、およそ50万円かかる費用の一部を会社が負担することにしました。
それでも十分に集まらず、ことしからは大型2種免許の取得費用を全額負担することにしました。
さらに担当者が、北海道など全国に出向いて採用を行っています。
それでも追いつかず、ことし10月からは、本来、重要な収入源となる車体のラッピングを使い、乗務員募集の広告を掲げました。
しかし18日の採用試験でも、4人のうち2人が急きょ辞退したということです。
会社によりますと、思ったより仕事が大変だとか、自治体が運営するバスなどより条件のよい職場に転職する人もいて、必要な人数を確保できない状態が続いているということです。
運転手の勤務表の担当者は、「運転手のやりくりにいつも頭を悩ませていて、危機感でいっぱいです。なんとかして現状を改善してほしい」と話していました。
専門家「早急な対策必要」
路線バスの運転手が不足する現状について、専門家は、高齢化で身近な移動手段としてのバスの需要は高まる一方で、若者の車離れなどもあり担い手が減っているため、早急な対策が必要だとしています。
交通政策が専門で一橋大学大学院教授の山内弘隆さんは、「鉄道などと比べ、比較的、家の近くから乗車できるバスは、高齢化で需要がますます高まるのに、労働環境などが原因で運転手が集まらない状況になっている。事態は深刻で、今の状態が続くと地方の赤字路線だけでなく都市部の路線バスでも、減便や路線の廃止を検討する会社が出てくる可能性がある。早急な対策が必要だ」と話しています。
**********************************************************************************************NHK NEWSWEB 2013/12/24****
会社や局によって異なるのは勿論ですが、ひと昔ふた昔前ではそれほど待遇は悪くなかったと聞きます。 公営やJR分離バス(親会社からの出向者)や私鉄系はそこそこ条件はよかったんです。休日が不定期とか拘束時間が長いとかいうのは宿命というか、そういう性質の仕事なんですが、それでも勤務の決まりはきちんとしていて基本給自体もそれほど高くはないにしても悪くはなかったんです。
新免業者が出始めてから、特に貸切バスの運賃下落が大きく、コレがコタえた会社もあるでしょう。規制緩和自体が直ちに悪いわけではないはずですが、結局ルールを守らない会社が続出し、値下げ競争の消耗戦。放置すればそのうち大きな事故が…って言っていたら、なんとか隊が関越で大事故やって…やっと目が覚めた・・時既に遅しですな。
参入が難しい路線バスでも利用者が減り、減便・路線廃止してもまだ及ばず、給与に手を着けだしたり、勤務をきつくしたりしたんですね。貸切も持っていたところは貸切バスの収入でカバーできていたところもあるのですが、今やそっちのほうがお荷物扱いだとかで…。
私鉄系のバス会社も元々は鉄道会社のバス部門ということで、待遇も鉄道型に近いものでしたが、コレを分離し、「なんとかバス(株)」って別会社になったところが多いですね。社長が増やせるというメリット(?)はありますが、乗務員に至っては出向扱いならまだしも、元の会社を一旦退職(整理)し、新たに入り直すみたいなところですとベテランさんもトンデモナイ基本給からスタートになります。
昨今ではそれすらさらに地域別に分社したところもありまして、どんなメリットがあるのかようわかりませんが、待遇は推して知るべしデショね。
もはやバス事業はいち民間企業がやるにはある種の補助がないと無理でしょうね。今でも各種の補助はあるんですがね。
ここに来られる方も現役の乗務員さんいらっしゃるようですが、知り合いのところも人手が足りず時間外で対応って感じで、そういうところ多そうですね。それも入って間もない人が続々辞めていきます。
低賃金なので時間外ナシだと食べていけない(?)、時間外・休日出勤すれば疲労困憊、自分の時間が無くなり、「自分というものがどこにあるのかわからなくなる・・」ってんですな。
この仕事、二種免許取って来ればすぐなれるのではなく、会社によっては筆記・実技試験もありますし、人物も問われます。それが通っても適性検査(運転適性検査や医学適性検査・特に脳波ね)がダメならアウトです。
ようやく入社しても単独乗務出来るまで1〜2ヶ月かかります。ここまでで相当の経費がかかっています。法令や営業規則もありますしあまりバカでは務まりません(キリッ。一応は接客業の端くれですのでDQNちゃんじゃ困りますしw。
ゼニカネ言ってはキリがありません。それでもやっているという人はある種の「使命感」みたいのがあるんでしょうね。そこらは他の方のトラバを待ちたいと思いますな。
※後日註: この「使命感」みたいなのってのは、所属するカイシャに対してではなく、強いて言えば「社会」なのでしょうね。山間部の零細路線で、雪のため二時間近く遅れてきた、そのバスを待っていたひとりの乗客がいたんだそうです。その瞬間そのウテシさんは路線を守る使命の様なものを感じたに違いありません(事実物語)。でもそのウテシさん、その後カイシャに染まってしまいそんなことも忘れ今やパワハラ事件のヒコクニンとかなんとかというお噂もあるようでなんだかとってもなんだかなぁ…。
せっかく経費をかけて一人前にした乗務員を簡単に辞めさせてはなんにもなりません。やはり大切なのは「職場環境」なんぢゃないでショかね!?
新しい人を「下の人間」扱いしてきつい仕事を割り振り、容赦なく時間外労働をさせて、誰もフォローしてあげなければ早晩潰れてしまいます。
ミスをした人をいたぶるパワハラまがい行為やくだらん序列意識のない職場、みんなが意見を言える環境ってのが大切なのではないでしょうか??
レクリエーションなど勤務外までベタベタしましょうというのとは違いますよん。
離職者の少ない職場には、
・私欲のないリーダーがいる←私利私欲のない人は"オレがオレが"をやらない
・派閥やヘンな上下関係が無い←出世欲のある人ばかりのところはトラブルが多いようでw
・乗務員の中である種の自治体制が出来ていて日常の細かいことは上司の介入を待たず全部おまかせでやってしまえる←上司はその上層部との折衝に専念すべし
・勤務操配が合理的で平等・公正←序列ガーのところは不公平・不平不満だらけ
というような特徴があります(事実物語)。
いつも申しております
「よい仕事はよい職場から」
ってやつですね。
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2013/12/24 20:56:23
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