
さて、続きですがオーナー君は
どんな走り方をしてしまっているのですか?
解析編です。
表面温度の画像を見ていただければ
特にオーナー君は
リアタイヤに仕事を要求しすぎて
滑らせてしまい、それがまた滑るを誘発するという状態。
画像はデータロガではイメージし辛いので
フリーハンドで書いて見せた時のモノで。
実線が澤操作のイメージで点線がオーナー君のイメージです。
今回のテストは逆同乗走行で実際の操作を見ているし
それがデータになるとこう出るのね!と言うのも確認したし
車載映像でも一緒に検証したのでかなり濃密でした。
車速、ハンドル角度、アクセル&ブレーキの強さ
この編を表してますが、
オーナー君の走り方を分析するとブレーキは以前に比べて
大分良くなってきています。
ただ、ダウンシフトも良くはなってますがまだブリッピングが多すぎる傾向や
シフト操作とクラッチとブリッピングが焦ると同調しない時があり
シフトロックを誘発しやすいので怖くて低い回転になってしまう・・・
という悪循環も残っています。
さて、続きですがハンドルを切り始める前にブレーキを終えてしまう・・・
これが次の問題です。
言い換えればブレーキを終えてから出ないとハンドル操作が始められない。
→
ここが表現の難しさです。
しかし進入速度の面から言うと、適正速度よりは若干高い
=曲り辛い状態 → アンダーステアを誘発。
その上に
”早くアクセルを開ければ速い”と
信じて疑わない方々が多いのですがオーナー君も一緒で・・・
向きがしっかり変わって加速体勢に入る前からアクセルを踏み込んでしまう。
この状態は私が見てきたまだサーキット走行に慣れてない方が最初に
当たる壁の種類の中で最も典型的な部類です(笑)
いわゆる
”正しい間違え方”!
だからクリップに向けて荷重が少ない状態でハンドルを切り出すので
切り始めのタイミングが遅く、切り始めの速度が速い割りに
その後の切り込み角度は少ない。
でも加速を開始してしまってハンドルが出口で戻せない・・・。
これが入口でアンダーを感じハンドル速度でごまかし、
出口でハンドル切りながら加速すてオーバーになりそうな恐怖と
必要以上に戦う事を生みます。
だから、クルマがそんな操作や挙動に耐えれるように
硬くなったり、低くなったりします(笑)
これは結果的に操作面からだけでなく、車両セットアップ面からも
タイヤを攻撃しますから一発タイムは出てもコンスタントには走れない。
→予選用と決勝用の違いもこういう傾向です。
コメントも【リアがルーズだ・・・】を繰り返すのですが
実際は入口のアンダーを操作で出してしまっているのが原因なので
それを治せば問題ないケースがほとんど。
アンダーステアってなかなか感じ辛く、
オーバーステアは挙動が大きいので気になりますよね?
でも、これが出来ないと先には進めませんし、
オーナー君も私が会う度に同じ事を言うので
【頭では判っているんだ!体が言う事を聞かないんだ!】と
笑ってます。
今回は同乗走行が出来たので私が口酸っぱく言っている事を実際に体感して
レース経験2年余りで2分20秒をなかなか切れなかった彼が
最後は14秒台、私のタイムの3秒~4秒落ちまで来て
Bクラスで表彰台が狙えそうです。
【今までより頑張らなくてもタイムが出るね~】と
上機嫌で愛車のAMGに乗ってシンガポールまで自走で帰っていきましたから
今年の成長が楽しみです。
→ でも運転は毎日の積み重ねです。
きっと彼もサーキットのゲートを出た途端にオートマの電子制御バリバリ、
切れば切るだけ曲ってくれるAMGで普段の運転に戻ってしまっているかも?
ポルシェカップカーは速度域的にはGT300と遜色ないレーシングカーですから
その辺がアマチュアドライバーにはとても難しく、差が明確に出やすいのです。
ちょっと長くて難しい内容でしたね。
まあ、私がこれらの事を英語で彼らに伝えなければ行けない事を考えると
彼のレベル上達率が先か?私の英語能力が先か?という競争も
一方では繰り広げられているという実態はあくまでも噂です(爆)
→ 私の英語レベルは2分20秒をまだ切れてないアンダー→オーバー状態
英語モードも大分低いレベルでは完治してきて、
上乗せが始まっているな~という今日この頃ですが残念ながら、今夜帰国します。
→ 成田のイミグレを通過した途端に普段の日本人に戻ってしまう澤圭太でした(爆)
Posted at 2009/03/02 12:26:47 | |
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