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澤 圭太のブログ一覧

2016年08月22日 イイね!

1Lapの速さではNo.1でなかった我々が勝てた理由【常に3つ以上の想定を準備】

1Lapの速さではNo.1でなかった我々が勝てた理由【常に3つ以上の想定を準備】一夜明けて無事帰国。

澤が”タンク”と言われる所以、今回1LAPの純粋の速さでは1番では無かった我々が日曜日のRd.10で勝てた理由に迫りたいと思います。

まずはレースライブTV映像をご覧頂きましょう~!

↓ ↓ ↓



勝因は幾つかあるのですが・・・

① タイヤのいいコンディションを日曜にのレースの為に全て準備をしたこと。

これは土曜日のレースで通常予選2回で2セット、最後の3セット目を土曜決勝で使用するのですが我々は予選Q2の澤担当時に一発の速さが週末を通して十分で無かった為に仕方なしに2セット目を使用、しかしこれを日曜日の決勝で使う可能性があった為に最小限のアタック2LAPで留めました。
もう1LAP行ったら1列目に行けた感触はあったけど我慢。

そして日曜日のレースは澤がスタートで新品タイヤを満を時して投入。
この時点で上手く行ってトップ争いが序盤から出来る(プラン1)、序盤はポジションキープ(プラン2)、バランスが悪くて防戦系(プラン3)を想定。

スタートしてからの1~2LAPでプラン2である事を認識し序盤はタイヤを温存。
5番手以下AMG勢のペースがイマイチ上がらなかった事も助けになった。
(マカオGPで活躍するEngelもGT-Asiaのコントロールタイヤでは圧倒的な速さでは無く十分戦える相手である事も分かった事は収穫でした)

前を走る37号車(フェラーリ488GT3)と55号車(ランボウラカンGT3)はお互いチャンピオン争いをしているから絶対に離されたくないハズ、まずは新品タイヤの澤は週末を通して速さで敵わなかった37号車(日曜のスタートは中古タイヤ)にプレッシャーを掛けてタイヤを使わせる。
37号車が追われてペースを上げれば自ずと55号車もプッシュせざるを得ないと踏んでました。

澤スティントの後半残り10分でまずはタイヤが厳しくなった37号車を労せずしてパス。
55号車に照準を合わせてタイヤを使い切るべくトラコンをプッシュモードに。

金曜日のプラクティスでロングランでリアタイヤが厳しくなる事が判明していたのでターボエンジンで決勝スタート時に燃費の問題で他より重くタイヤに厳しいベントレーのデメリットを消すべく序盤は我慢。
マシンが軽くなってからの勝負としていました。

また、ピットイン後、後半担当のJONOはタイヤを予定通り澤のQ2タイヤにチェンジ。
最小限アタックに留めたタイヤでピットアウト後2位でコースに復帰すると、頑張って55号車の前に入ってタイヤが温まるまで我慢で抑えられた。

② その場その場の状況判断が良かった。

ピットインが迫るレース中盤、澤はランボ15号車に迫ってました。
この勢いでは抜けるからもし抜けたらギリギリまで引っ張ろうと無線で提案。
15号車にゆさぶりを掛ける事でタイヤにゴミを拾わせ更にペースを鈍らせる。
苦しそうだったブレーキングでパスして事実上の2位へ。
時間はあと1LAPは行けるという事で前が開けた澤が猛プッシュで追加の1LAPを実施してPitへ

シルバーコンビに課せられる16秒ハンデを消化してコースに帰ってきた時に前半12秒近く離してトップだった55号車は背後という状況、ここでもし追加の1LAPをせずに1-2秒遅れて55号車の背後でコースインしていたらこの後起きるPORSCHEとランボ55号車のバトルに巻き込まれて無駄に温存していたタイヤを使わなければならない状況に変わっていたかもしれません、そうしたら勝てるレースを落とす可能性すらあった。

③ やはり運も見方をしてくれた

ピットアウト後PORSHCEがトップでしたが中古タイヤで後半も戦わなければならずペースがよくない、そこに周回遅れも現れ一気に我々は追いつきパスしてトップに立てました。
ここはJonoの頑張りの部分、そして当然ながらトップに出てから10秒マージンを作るまでもペースも素晴らしかった。
その後2番手に落ちたPORSCHEは後続ともバトルをしてくれてその間に逃げられた。
そして残り15分の時点で既に10秒のギャップで勝負アリ! でした。

こうした勝因が重なって、チームとドライバーが確固たる実行力と最低3パターンの想定をしていてその場の状況に臨機応変に対応出来た事が一発の速さで劣っていた週末、苦手意識があってもそれと向き合って解決させて結果に結び付けられたと思います。

だから強くなれた開幕戦の韓国とはまた違う充実感を感じてます。
また実は一番大きな要員は④・・・
チームがドライバーの単純な速さだけで勝負をさせたら絶対にこんな事にはならない。
チームが澤を信頼し、澤もチームからの信頼に応えるべく与えられた仕事を全う出来た結果。

澤は満タン+新品タイヤで7秒後半~8秒台(実際7秒9から始まり8秒2-3でラップし終盤もまだ8秒台)
Junoは軽くなったタンク+2Lapタイヤで6秒後半~7秒台、マージンが開いてからは8秒台。
(序盤に全力プッシュしたから後半は仕方ない)

指示されたペースでしっかり2人とも走れるのが強みだと言う事です。

個人的に言うと・・・私もドライバーだから速さをチームに証明したいと思います。
でもチームがドライバーをちゃんと絶対的なタイム以外でも評価してくれるというお互いの信頼関係が私を更に”与えられた条件の中で最大限の走りをしてくてくれる、ミスなく車を壊さずに必ず帰ってくる澤、悪い条件でも文句を言わずに想定したタイムをきっちり出してくる、今回はJonoが初の上海サーキット走行だったので練習走行から彼にどんどん新品タイヤを履いてもらって予選のシミュレーションを、私は予選で初めて新品タイヤを履く事になりましたがある程度想定出来ていたので全く問題なし・・・だから澤 = タンク(戦車)”と言われる所以、チームに速くて若いDrが2人居るとこの辺がチームのコントロールが大変なんだと思います。

速さだけでなく戦略や総合力と実行力も試されるレースは見ている方は少し難しいかもしれませんが、やっている身としては40歳の大人のレースみたいで非常にやりがいがあるものです(笑)

”澤は持っている”って言われるのは嬉しいですし、最低限のものは当然持っているでしょうけど、実は本当に持っているのは運とか瞬間的な速さだけではなくチームからの信頼と確固たる実行力なのかもしれません。。。
Posted at 2016/08/23 00:24:39 | コメント(0) | トラックバック(0) | 日記
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