
今日は久々にオフだったので
しっかりレースの疲れを取って
明日からの名古屋出張に備えた
夏男:1000キロ男の澤圭太です。
改めて皆さん応援、
コメント、トラバ、メール、電話、
電報、伝書鳩
(無い無い!)
ありがとうございましたっ!!
僕のHPでもフォトギャラリーがアップされてます。
こちら
GTの人気や注目度の高さも再認識。
そしてファンの方や
いろいろな方に支えられて自分がいるんだな~と
レースが出来る環境に感謝しています。
またちょっと泣きそうです・・・。
早くオートスポーツが見たいですね。
今回はGT独特のレギュレーションのお陰で
シリーズの中でも一番チャンスのあるレースだったと言えます。
速い車を用意することが出来たチームと共に
この”チャンスをしっかり掴む事が出来るチーム”もまた
GTの中で強いチームと言えます。
金曜日は雨で自分もドライは走れず
土曜日は予選でいきなりドライ2LAP計測でしたが
ロガーでしっかり走りをチェックしてイメトレをして
ポールポジションの記者会見とピットウォークも
頑張って・・・(頑張るところ違う?)でした。
(土曜日までの自分の使命はそこですから)
日曜日の朝のフリー走行では
自分が出したタイムでクラス2番手で
タイヤの耐久性も確認でき、
ロガーで決勝前に自分の走りを再チェック。
決勝のシュミレーションでは
スタート竹内(80リッターで逃げる)
30秒差で28LAP目に澤へバトンタッチ
100リッターフル満タンで40LAP
更にギャップを広げる。
第3スティント嵯峨(再びフル満タン)
ギャップをキープもしくは広げる
(周りの状況を見て判断)
第4スティント以降はレース展開と
ドライバーの疲労回復度を見て組み立てる・・・
という形でした。
今回僕がチームに呼ばれたのは
レギュラーの2人がこけた時の助っ人ではなく
完全にレギュラーの一人として
レースシュミレーションに入っていることは
重々承知でしたので責任も重大でしたね。
僕は画像のように
フリー走行終了後からしっかり水分補給をして
エアコンのガンガン効いた場所には居ないようにして
直射日光に当たる時間を最小限にするために
スタート前のグリッドには
最後の10分だけ居るようにして・・・
なるべくエネルギーを余計に使わないように心がけてました。
レースが始まるとモニターで状況を見ながら
1000キロ恒例の仮設プールに
先に入って体温と血液をしっかり冷やし
20LAPを過ぎた頃から準備を始めました。
予定通り20秒近くのギャップを作って
帰ってきた竹内さんからバトンを受けて
フル満タンで38~40LAP始まりました。
この1時から2時過ぎ位の時間が一番暑いので
厳しいですがクールスーツも順調で
イメージどおりのレースが20LAP過ぎまでは続きました。
最初は満タンでも新品タイヤなので2分9秒台から始まり
10秒台~11秒台で10LAPまで
11~12秒台で20LAPまで
12~13秒台で30LAPまでというイメージどおりに
事は進んでました。
500を譲るタイミングが悪いと1秒以上落ちる
周もタマにありますがそこがワザの見せ所でもあります。
耐久レースで大事なのは一発のタイムではありません。
最初に9秒台を連発して酷使してしまうと
タイヤグリップの落ち込みが激しくなって
10LAP以降のタイムがバラついてしまったりして
スティント全体の平均ラップを落としてしまうからです。
とにかくブレーキやトラクションでタイヤを痛めないように
縦グリップをちょっと休ませて横グリップを使って
走らせたり、その逆をしたりして
タイヤのコンディショニングに全神経を使います。
500クラスのマシンが来れば一番タイヤを痛めず
タイムを落とさずに譲れるように考えて
ミラーやバックモニターを常に見ながら
抜かれる間合いを取って走ります。
無線ではタイヤの状況や
燃料消費量を伝えながら
黄旗が出ていたら伝えたりします。
でも必要最低限で
走りに集中するために常にしゃべっている訳ではありません。
ピットから出て行くときには
必ずトラぶってないか通話チェックをする事
ミラーやモニターが見え辛くなってないか?
気をつけます。
タイムをコンスタントに並べる事が大事で
走行にリズムが出てくると
結構長い距離も走れるモンです。
走りに余裕が出てくると
ヘアピンの外側に居る観客の人が移動したな~とか
コースサイドに居るカメラマンで
誰がいるな~とかも見えます。
500クラスが来るタイミングで
大体どんな展開になっているか?想像していたりもしますし
500のトップに抜かれるときは
きっと映像で撮られているだろうから
かっこよくスムーズに抜かれるように
特に注意します(B型的発想)
体にきつくない様に
ダンロップからデグナーや
ヘアピンからスプーン1個目までの長い間
Gの掛かる場所はハンドルの持ち方や
シートへの体の預け方も工夫してます。
セリカ特有の暑さ対策の為に
ヘルメットのシールドは敢えて閉めたり
ストレートでは小窓から手を出して
体にフレッシュエアーを当てたりもします。
そんなこんなと攻めつつもいろいろな事を
考えられる余裕があるのは25LAPぐらいまで
ここからは熱とタイヤとの格闘が始まります。
30LAPまではある程度予測できますが
そこからの10LAPはホントに根性です。
体は既にプチ熱中症で30LAPを過ぎてくると
逆に寒気がしてきたりペダル操作が緩慢になってくる時が
あります。ペダルも熱いので特に右足でアクセルを踏むときは
踏む場所をちょっとずつずらして走ります。
(熱いからといって踏まないわけには行かないので・・・)
この辺で相当精神的には意識が薄らいでいく
恐怖と戦いながら『あと1LAP頑張ろう』
『集中しろ~!』と心の中で叫びながら走っています。
(タマにホントに叫んでいるときがあります)
ドリンクのホースがヘルメットから外れてしまって
飲めない状況だったので第2スティントは特に
脱水症状も重なって最後の5LAPは気持ちだけで走ってました。
それでも14秒台~15秒台に落ち込むことも少なく
なんとか自分の1回目のパートは終了。
ピットに戻ると装備品を全部脱いで
(正確にはスタッフに脱がされている?)
氷の入ったプールに飛び込みます。
ザブ~~~ンっ!!
極楽~極楽~。
熱に犯されての体力消耗がほとんどですから
これで体温が下がると
30分ほどで70~80%ぐらいは回復します。
あとはしっかり水分補給をして
次のスティントに向けて集中力をもう一回上げていきます。
とまあこんな感じで進んでいって
第3スティントになると気温はどんどん下がってきて
嵯峨選手もいいペースで走っている。
1分以上のギャップが出来ているので
次の僕の使命は
ギャップをキープして最後のドライバーが夜間走行を
よりリスクの少ないマシンで走れるように繋げる事。
ドリンクは万が一に備えて今度は車載のドリンク以外に
手持ちのボトルもシートとボディーの間に挟んで
チューブをくわえながら走ってました。
スティントの間の1時間ちょいでは
完全に水分補給が出来てないので
ボトルの水は直ぐになくなってしまいました。
『おかわり御願いします』とは言いませんでしたが
ここからは車載のドリンクに切り替えて
チビチビやってました。
毎週バックストレートに戻ってドリンクボタンをちょっと
押す事が楽しみで楽しみで・・・
1回目のスティントよりはやはり気温が下がって
車内の暑さ的には(熱さ的のほうが正確?)
大分マシですが1回目の疲労度が抜け切れてないので
やはり最後の10LAPは本日2回目の見えない敵との
戦いのゴングが鳴ります。
マシンもこの頃には大分疲れてきてますから
ブレーキ、ミッションを労わり(これも企業秘密)
無線でも『ペースは余裕を持って走っているから
アップの時には指示下さい~』という感じ。
実際は残りの周回数を第5スティントドライバーと均等割りね
って言われていたので30LAPぐらいかな~?と思っていたら
25LAPを超えたぐらいで無線で『残り10LAPで~す』と
言われ、思わず『まだそんなにあるの~っ!』と
叫びました。
それと同時にと言う事は最後のスティントは
余裕を持って竹内さんが必要な燃料だけ足して
フレッシュタイヤで20LAP弱の夜間走行なんだな~とも
思いました。
若い嵯峨君だったら予定通り均等割りだったのに・・・。
(根に持っている?
←ミッドランド・・・いやっ冗談です)
ちなみにちょっとペース上げて~と言われまして
13秒前半で走行していたのですが
1秒半ぐらいはマージン持っていたつもりが
頑張ってペースを上げても12秒中盤でした。
(無線で『嘘ついてすみません』とは言ってませんが)
僕に与えられたミッションの仕上げは
ピットインラップです。
スピードリミッター開始ポイントまでしっかり全開で走って
きっちりドライバー交代をこなして
竹内さんに託しました。
あとはプールにもう一度飛び込んで
(ちゃんと海パンを下に履いているんで)
体を冷やしてからモニターでチェッカーまで観戦でした。
長くなったので今日はここまで。
余談ですが
レース中のベストラップクラスでは2番手ですが
自分が出したタイムでした。
上述の通り狙っていた訳ではありませんが
これもちょっと嬉しかったです。
どうです?簡単でしょ!
これで皆さんも鈴鹿1000キロ勝てます。
オイオイっ!!
Posted at 2006/08/22 23:02:02 | |
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