表側に3%の洗剤を入れた霧噴きで確認するもピンホールは見当たりません。
そしてひっくり返し継ぎ目などを中心に切り噴きを噴きかけると....
ダイナキール前方角の部分よりエアー漏れ発見!
ある意味ホッと致しました。
一番困るのは接着不良による生地の継ぎ目からのエアー漏れ。
逆にこのようなピンホールの方が潔いwww。
水を拭き取り傷の部分を撮影。
拡大するとこちら!
ピンホールと言うよりは小さな裂傷といった感じですね。
恐らく秘密スポットのスロープに付着している貝類に引っ掛けた傷だと思います。
何故かって? 心当たりがあるから(笑)。
さてピンホールの傷ですが以前所有していたゼファーボートの時に補修作業の経験はございますが、今回は違う方法で試してみたいと思います。
参考動画こちら!
船外機チューンでお世話になりました雅工房の長松社長さんよりの参考動画です。
ゴムボートユーザー必見!!裂傷&ピンホール修理の完璧な手法!
ついでと言っては何ですが、先日長松社長からお電話頂きましたが、工房を移転されたようです。
一応微力ながら宣伝しておきます(笑)。
【新移転先】
〒311-3155
茨城県東茨城郡茨城町下土師632-1
雅工房
社長、また出来ればDT5でお世話になりますから宜しくお願い申し上げます。!
m(_ _)m
さて動画で指定されたウェーダー補修ボンドはこちら!
7月6日に958円で購入しましたが、今見ると927円になっとるがな!チッ...
正直容量の割にはお高めの接着剤ですが、これだけでピンホールの補修が出来るのなら魔法のような接着剤ですwww。
すでに2か月以上前に届いている現品はこちら!
他に準備するモノと言えば画像に写る爪楊枝のみ。
いかに修理するのが面倒だったのかが伺えますw。
ボンドを爪楊枝の先に少量付けます。
と、その前にパーツクリーナーで周囲の汚れは落としておきます。
これでも接着剤は多いくらいでした。
あとはブスッと穴めがけて差し込むだけ。
今回の傷口も大きく見えますが、PVC生地はそれなりに厚みがありますので実際奥の穴は小さい感じです。
イメージすると奥側と言うか裏側に接着剤の盛る感じで刺し込みます。
この際にエアーの圧は抜いておいた方が良いです。
接着剤多すぎて若干はみ出ていますが、ここの部分はいずれ補強パッチを取り付ける予定ですからその際にサンドペーパーを当てる事になると思います。
その後6時間接着剤を乾燥。
その後もう一度規定気圧までエアー充填。
そこから更に一晩(約12時間以上)置いて放置しましたが....
結果は完ぺきにエアー漏れが無くなりました!!
ちなみにキール部分、剥がれ防止のパッチを貼る予定だったので、更に漏れ防止は対策可能です。
イメージすると車のチューブレスタイヤの補修に似ています。
逆に大きな傷はやはり補修パッチの2重貼りをお勧め申し上げますが、よくある魚の鰭(ひれ)パンチによるピンホール傷には、今回の方法有効であることが証明されましたのでしばらくフィールドテストで酷使してみますね(笑)。
※あくまでも個人の感想につき個々の修理状況に適合するかは判りません。
本編補修記事を参考においての事故や故障については、当たり前ですが一切の責任を負えませんので自己責任上でご勝手に真似して下さい。
あとピンホール自体の感想ですが、電動ポンプの規定気圧で充填すると空気漏れが少なく感じます。
ほんと耳を澄ましても全く判りません。
恐らく伸びたPVC生地により傷口がある程度圧着され小さくなるからだと思います。
そして徐々に漏れ出し生地自体の張りが無くなるとエアー漏れは加速的に進み気室内のエアーが減少するような感じです。
更に申し上げますとこのくらいで本ボートは沈むことはございません。
当然船体スピードや剛性には影響してきますので、万一の際のフルスロットル走行などには注意が必要ですが、ピンホール発生時にいたずらにパニックになる必要もありません。
それよりも必ずフットポンプは携行し万一エアーが少なくなったら補充重点を行う。
また穴の位置が判れば強粘着力のガムテープなどで緊急対応を冷静に行うと大丈夫かと思います。
さて最近触らない船体ですが折角なので汚れを入念に落とし、他のところも気もち補修作業。
シートレールのささくれ、これはヒートガンで熱すればすぐに縮んで無くなります。
※カッターナイフやライターの炎などは危ないのでNG。
さて話は戻りエアー漏れについて少々考察。
このような船検を取得出来るゴムボートについてはJCI(日本小型船舶検査機構)において厳格な検査基準が設けられていますので、くどい様ですがこの程度でボートが沈むことはまずございません。
極端に言いますとこのような検査基準に合格しているパワーボートにおいては、1気室が完全にエアーが抜けても沈みません。
※そのようなテストを本検査で実施します。(予備検査付き新艇は行いません)
詳しくはJCIホームページ内、
膨脹式ボート特殊基準(R02.5.1改正)に書かれていますので興味ある方はお読みください。
そしてエアー漏れの一番問題となるのは次期定期検査での項目。
定期的検査のエアー漏れに関わる検査項目
第一回目検査(予備検査付き新艇は免除)
(4) 気密試験
全気密気室部について、設計圧力の1.25倍で3時間保持したのち、圧力を測定し圧力の減少が10%以内であることを確認すること。
(5) 過圧試験
気室の各区画ごとに設計圧力の1.5倍の圧力で30分間膨脹させ異常が無いことを確認すること。
(隔膜が共通する区画については、同時に試験をせず、順番に行うこと)。
二回目以降の定期的検査
(1) 外観検査
艇体の内外部を目視により異常のないことを確認すること。
ゴム引き布部分の材質の劣化、破損(裂け、切れ、こすれ)及び接着部のはがれ等については、次表に示す要領で確認すること。
(2) 気密試験
(i) 試験の準備
通常の圧力での膨脹状態で、適当な時間放置させておくこと。
(ⅱ) 気密試験の方法
通常の圧力での膨脹状態で気室に荷重(590N(60㎏f)程度)をかけ、濃度3~5%程度の石鹸水等により漏洩のないことを確認すること。
この場合、前(i)において内圧低下が認められた区画、外観検査で異常が認められた箇所並びに弁及び弁取り付け部については、入念に確認すること。
(ⅲ) 修理及び再試験
漏洩箇所が発見された場合は、当該箇所を修理させた後再度試験を実施し、その結果を記録しておくこと。
(3) 過圧試験
外観検査及び気密試験の結果、異常及び漏洩があり、必要と認められる場合は、修理後[Ⅲ]2.(5)の過圧試験(試験時間は15分間として差し支えない。)を行って異常がないことを確認すること。
異常が認められた場合は、修理後再試験を行い成績を記録しておくこと。
と結構な検査項目があります。
如何にメンテ不良の中古艇を一から新規登録するのは難しいか(素人では)....
更に平日に2日ほどの時間も要しますから、要免許艇の中古で検査適合要件を満たしているものがマーケットに少ないことも頷けます。
皆さんも騙されない様ご注意ください。
なお第一回目の検査より3年後中間検査、その3年後に定期検査となりますが、問題となるのは二回目となる6年後の定期検査。
その時にエアーが抜けるようなボートではまず船検通過は無いでしょう。
またPVC素材についてメーカー推奨耐用年数が約5年程度ですから、二回目の検査をクリアするのがせいぜいのところでしょう。
特にメンテナンスを怠ったPVCボートはエアー漏れのみならず、取っ手などの剥がれも起きます。
海水使用で拭き取りをしなかったモノや長時間紫外線下に置かれたモノは特に劣化が激しく、接着剤そのものがダメになっているケースがありますので注意が必要です。
また話脱線しますが、おまけとしてボートの畳み方は非常に重要です。
必ずPVCパーツの貼り付け角を折らない様畳むことが肝となります。
折り目がボートセンターに来るようにすればパーツ剥がれは起こりません。
こちらの台座もよく剥がれているのを見ますが、畳み方が悪いのも大きな要因となります。
ロゴマークよりこの位置で折り曲げるとうまく畳めます。
全体のエアーはしっかり抜きつつ綺麗に折りこむことによってパーツを傷めずコンパクトに畳むことが出来ます。
ここまで畳めると専用バッグで綺麗におさまります。
さて最後になりますが樹脂パーツ類などを補強するためのライトグレー0.7mmPVC生地も準備しました。
ボチボチとパーツ補強も進めて行きたいと思っております。
ではでは! 今回はこれくらいにしておきます。