簡単におさらいしますと.....
なので、おおよそ95年以降に製造された船外機についてはメーカーより何らかの対策が講じられていますが、それ以前の機種についてはメーカーによって取り付けられているものとそうでないものに分かれます。
で、そうなって来ると.....
オークションサイトなどでも未だ旧品でもそれなりの売り買いがされておりますが、その殆どが一体どのような結末になっているんだろうねぇ?といつも疑問に思っております(笑)。
前置きかなり長くなりましたが、本題であるスズキ船外機の対象となるDT5・6・8の状況について。
パーツリストとして把握出来ているDTシリーズについて、一度大きなマイナーチェンジがございます。
DT5 前機型: ~’98 ※501、502型式
DT5 後期型: ’99~’00 ※503型式、504型式
DT6: ~’95 ※601型式
DT8: ~'02 ※801型式
結論から申し上げます'95年から2スト最終供給年度である'02年までのモデルで急発進防止装置が取り付けられています。
ですので、恐らくですがDT5は501型式から502型式に変わった’95年モデル以降対策済み。
全くケース形状などコンセプトの違う503型式504型式においては、土台形状など違うため検証の余地がありますが取付け可能かは不明です。
見た目は完全に違う形状ですが、別品番の重要パーツであるNISセット(品番18280-986A0)がDTシリーズの7,095円に対して4,125円とお得。
更に更にNISセットはワイヤーケーブルからロックに関わる樹脂パーツとのアッセンブルとなっているため、樹脂のロックパーツのみはDFシリーズのモノで代用出来ます(確認済)。
言葉だけでは中々伝わりませんので、図説と画像を折りこみながら、リコイルロープ交換作業も織り交ぜていきます。
まずはDTシリーズのリコイルスターター現物。
左が急発進防止装置付きリコイルスターターで右が旧品です。明らかに左のほうがゴチャゴチャとパーツが取り付けられているのが判ります。
左側パーツとしての図説はこちら。
青枠部分がNSIセットに関わるパーツ類一式ですが、割としょぼいくせに非常に高価なので驚きますwww。
そして一応右側旧品も。
さて今回触ります雅機に取付けられていた、こちらの元のリコイルスターターのロープ交換とNSIパーツの取り付け作業を行います。
準備したパーツとともに並べています。
※インターロックアームと言うパーツは後から見つかるwww。
ちなみにこちらは最初から意図的にロックを外されていたのか樹脂が壊れたのか微妙なところですが....本機購入時に雅工房長松社長さんよりちゃんと説明を受けておりましたが、少しでも早く手元に欲しかった事から承知の上で現状のまま送ってもらいました(笑)。
と言うのもこの形状のスターター幾つか手元にありましたので到着してすぐにポン付け交換www。
こちらのスターターキットは部品ストックとしてお蔵入りとなっていました.....が、今回のDT8レストア計画で再び日の目を見ることに。
作業しながら各パーツの構造を見ていきましょう。
まずは#2プラスネジを解除。
ローラーを外す際にグリスこてこてのゼンマイバネが飛び出しますので軍手必須(笑)。
メーカー出荷時の結び目はこのような形状となっています。
ささくれこそありませんが結構な汚れですね。
ちなみに海水で使用もあり得る船外機のスターターロープですが、農機具などと若干仕様が違います。
ケチれば何ぼでもでもやっすいのがありますが、オイル浸潤タイプで織込みの多いタイプをお勧めいたします。
またロープの太さも機種によっては全然違いますのでご注意を。
私はYAMAHA純正の4mmを使用いたしました。
このロープは長さを計測したのちにお役御免となり廃棄させて頂きました。
分解後は各パーツを洗浄。
しかし何故樹脂のロックパーツ、無くなってんだろな?と思うところですが、一つは何らか強い力が働いての欠損。
もう一つは意図的な削除。
前にも弄りましたDT5は意図的にこのパーツを取り除いていた痕跡ありました。
淡水のバスボートなど移動を急ぐような釣りスタイルの方は、いちいちギアをニュートラルに戻すのが面倒なのでしょうかね?
これが問題のパーツ。
DTのパーツカタログでは、バラでこのパーツを得る事が出来ません。
イチかバチかのDF5のパーツを試したんだけど.....
結果は寸分たがわず全く同じ形でした。
お値段400円弱(笑)。
併せてEリングもい必要となりますが、こちらは市販品のほうが絶対お得です。
サイズは6mm。
品番18280-91J00には樹脂と一緒に特殊バネ(キックバネ)も同封されています。
ワイヤーに固定されていないとこのように外側へ反発します。
で、このリコイルカバーのロック樹脂の台座、滑りが非常に悪い...??
まずはサンドペーパーで調整。
微調整ではなくかなりの調整を行います。
これでようやくスライドするように。
更にワイヤーをロックする樹脂台座も欠損あり。
ワイヤーの固定が出来ません。
ステンレスワッシャーで固定の補助。
これは手作業です。
このように削り込んで.....
これでワイヤーケーブルはがっちりと固定出来ました。
あとはパーツが飛ばない様、接着剤で更に固定。
スライドレール部分もかなり削り込みましたが、何故なんだろうね?この調整.....
グリス湿布。
樹脂パーツにEリング装着。
ちなみにこちらは現主機に取付けられている純正リコイルスターター。
何か記号が色々と書かれていますね。
こちらは今回レストアしているモノ。
樹脂の肌艶もさながら、謎の記号の刻印がございません。
???なのですが、どういう事なんでしょうかね?
謎は深まりますwww。
さてロックの取付けは終わりましたので、いよいよ新しいロープを取り付けての組上げです。
まずはカットした端をヒートガンで固めます。
ライターで焦がすのキライwww。
このようにコブを作り.....
持ち手側へ先にロープを通します。
長さはあらかじめ純正品と合わせるのですが、手計でざっと1.3m程度でした。
さてここからが何度やっても一番嫌な作業(笑)。
まずはロープを本体側に通しておきます。
その後樹脂系のパーツに付着したグリスは全て取り除いておいて.....
次なる作業はゼンマイバネをこのように樹脂のローラーパーツ内側に納まるまで丸めて収納。
赤丸部分にゼンマイを引っ掛けます。
グリスをたっぷりと湿布。
そしてここからが説明し難い作業。
ゼンマイ取付けたローラーを反時計回りに何度も回します。
ゼンマイは本体と中心部がフックで固定されるので反時計回りが所謂反発する方向となりますので出来るだけ絞り込みます。
そしてもう限界か?と言うところでロープを通す位置まで持って行く。
※青矢印部分

そしてバネが反発しない様に注意を払いながらロープをローラー穴に通し....
コブを締めたら完成。
コブの拡大。
あとは逆の手順にパーツを組んでいくだけです。
そんなにパーツも多く無いので紛失さえしなければまず間違えることはございません。
そしてつい先日の平日、予備機とジャンクDF15の2台を実家の物置土間に行って参りましたところ.....
無造作に放り込まれたDTパーツ箱の中から、インタロックアーム(¥1,540)とスナップリング(¥110)が出て参りましたwww。
あと後期型ティラーハンドルも!
非常に小さいパーツではありますが、特殊形状かつまぁまぁ高い部品なので何だか嬉しいですな(笑)。
これで一つ重要パーツが蘇りました。
これをDT8に取付けるのかどうかは未定ですが、DT5をパワーダウンの5馬力登録もアリかな?
とも現在目論んでおりますwww。
※5馬力キャブも余っているので。
リコイルスターター復活!

と言う訳でDT8レストアと並行しながら、思いつくカネの掛からない作業は進めております。
そして一昨日ようやくDT8のギアケースベアリング装着が終わりました。
個体差のせいか中々綺麗に挿入できず3回のやり直し、ケースの修正を経て完了しました。
何分素人作業&工具類につき、一度頓挫すると心が折れそうになりますが.....
これでDT8レストアも少しの光が見えて参りました。
作業の遅れによりパーツ発注が中々決まらず月内組上げは非常に微妙になって来ましたが.....
とりあえずこの2日間である程度まで進めて行きましょうか?
ではでは!