年も明けてそろそろ落ち着いてくることかと思いますが皆様いかがお過ごしでしょうか。
2018年はたくさんの方にブログをご覧いただきまして、ありがとうございました。
2019年も595とアバルトの魅力を伝えていきたいと思いますのでよろしくお願いします。

と、新年のあいさつはこれくらいにしときましてタイトルだ。
595は軽いのか?
なぜいきなりこんな事を言うのかというと、去年の一年でたくさんのアバルト好きの方と話したなかで、何人かが「595はパワーもあって軽いよね」と言っていた。
一番小さいAセグメントで、排気量1.4Lのコンパクトカーとしてはパワーがあるというのは同意するが、私は595が言えるほど軽いとは思ったことがない。
というわけで、各メーカーのホットハッチモデルを集めて検証してみようじゃないか。
まずは595コンペティツィオーネの車重だ。
595コンペティツィオーネ 5MTの車両重量は1120kg。
ターボ車とはいえ、2枚ドアのAセグメントカーと考えると1100kg以下であってほしいというのが本音。
ちなみに車両重量というのはガソリンが満タン(35L)入っていて、各種オイルや冷却水も指定量入り、バッテリーや車載工具等も搭載されて、あとはドライバーが乗り込めばすぐ走れる状態の重量だ。
その隣の車両総重量とは、その状態から55kgの人間がシート分乗った重量で、595は4人乗りだから計算すると1340kgとなる。
595コンペティツィオーネのスペックは以下の通り。
表示は排気量、最大パワー、最大トルク、車両重量の順だ。
【ABARTH】
・595 コンペティツィオーネ 1.4L 180ps 25.5kgf・m 1120kg
では比較するエントリーカーの紹介だ。
【日産】
・マーチ NISMO S 1.5L 116ps 15.9kgm・f 1010kg
・ノート NISMO S 1.6L 140ps 16.6kgm・f 1080kg
【トヨタ】
・ヴイッツ GR SPORT 1.5L 109ps 14.1kgm・f 1030kg
【ホンダ】
・フィット RS 1.5L 132ps 15.8kgm・f 1070kg
【スズキ】
・スイフト スポーツ 1.4L 140ps 23.4kgm・f 970kg
【Alfa Romeo】
・MITO クアドリフォリオヴェルデ 1.4L 170ps 25.5kgm・f 1250kg
【PEUGEOT】
・208 GTI 1.6L 208ps 30.6kgm・f 1200kg
【Renault】
・トゥインゴ GT 0.9L 109ps 17.3kgm・f 1010kg
・ルーテシア R.S.トロフィ 1.6L 220ps 26.5kgm・f 1290kg
【volkswagen】
・UP! GTI 1.0L 116ps 20.4kgm・f 1000kg
・Polo GTI 2.0L 200ps 32.6kgm・f 1290kg
【BMW MINI】
・THE MINI JCW 2.0L 231ps 32.6kgm・f 1260kg
【Audi】
・S1 2.0L 231ps 37.8kgm・f 1360kg
以上、11メーカー、14車種。
この中で595と同じAセグメントというとvolkswagenのUP! GTIと、Renaultのトゥインゴ GTしか比較対象がないのだが、それでは面白くないので、おそらく595コンペティツィオーネを買うにあたって比較されそうな2.0L以下のコンパクトスポーツも含めてみた。
それぞれを見比べてみると国産勢はパワーこそ控えめなもののどれも軽いですね。
スズキのスイフトスポーツは4枚ドアのターボ車ながら970kgという驚異的な軽さです。
全てが同排気量で同セグメントじゃないから一概には言えないけど、そんなに排気量も変わらない国産車と比べてしまうと595コンペティツィオーネは・・・
やっぱり特に軽いとは思わないなぁ・・・。
車両重量が1100kgを切っていたら軽いとは思うけど、あの公道レースカーと言われた2シーターの695Bipostoでさえ、車両重量1060kg止まりだったから、後席を残して1120kgから20kg以上のぜい肉をそぎ落とすのはかなり難しいのだろう。
単純に軽さだけで見比べてもつまらないから、ついでにパワーウェイトレシオ(以下:PWR)順に並べてみよう。
PWRとは車両重量を最大出力で割った数値で、この値が小さいほど加速性能が優れているとされている。
尚、ここに登場するすべての車種は生まれながらのスポーツカーではなく、使い勝手も重視された車をメーカーチューンしたホットハッチモデルであるから、どうしても前面投影面積が大きくなってしまい、車速が速くなるほどに空気抵抗が増して速度の伸びが悪くなってしまう事は覚えておきたい。
そしてPWRは単純に車両重量を最大出力で割っただけの数字なので、ギア比やトラクション性能、駆動方式などは加味されないので、この数値で勝ったから必ずしも加速性能が上回っているわけではない事も付け加えておく。
ではPWRの数値が優れている順に並べていこう。
1位
5.5kg/ps
【BMW MINI】
・THE MINI JCW
2位
5.8kg/ps
5.9kg/ps
【Audi】
・S1
5位
6.2kg/ps
【ABARTH】
・595 コンペティツィオーネ
6位
6.5kg/ps
【volkswagen】
・Polo GTI
7位
6.9kg/ps
8位
7.4kg/ps
【Alfa Romeo】
・MITO クアドリフォリオヴェルデ
9位
7.7kg/ps
【日産】
・ノート NISMO S
10位
8.1kg/ps
【ホンダ】
・フィット RS
11位
8.6kg/ps
【volkswagen】
・UP! GTI
12位
8.7kg/ps
13位
9.3kg/ps
いくら車両重量が軽いとはいえ、最大出力が控えめな国産車勢はPWRで比較すると下位へ落ちてしまいますね。
我らのアバルト595コンペティツィオーネはPWRが6.2kg/psで、なんと排気量2.0LのPolo GTIを抜いて5位と健闘しました。
それでは最後にトルクウェイトレシオ(以下:TWR)を見ていこう。
TWRとは車両重量を最大トルクで割った数値で、この値も小さいほどに加速性能が優れているとされている。
PWRが直線での加速性能とするなら、TWRはコーナーを駆け抜けることを重視した加速性能と言えるだろうか。
当然ながらTWRも単純に車両重量を最大トルクで割っただけなので、この数値で勝ったからといって必ずしも性能が勝っているわけではない。
ではTWRの数値が優れている順に並べていこう。
1位
36.0kg/ kgf・m
【Audi】
・S1
2位
38.7kg/ kgf・m
【BMW MINI】
・THE MINI JCW
3位
39.2kg/ kgf・m
【PEUGEOT】
・208 GTI
4位
39.6kg/ kgf・m
【volkswagen】
・Polo GTI
5位
41.5kg/ kgf・m
【スズキ】
・スイフト スポーツ
6位
44.0kg/ kgf・m
【ABARTH】
・595 コンペティツィオーネ
7位
48.7kg/ kgf・m
【Renault】
・ルーテシア R.S.トロフィ
8位
49.0kg/ kgf・m
【volkswagen】
・UP! GTI
【Alfa Romeo】
・MITO クアドリフォリオヴェルデ
10位
58.4kg/ kgf・m
【Renault】
・トゥインゴ GT
11位
63.5kg/ kgf・m
【日産】
・マーチ NISMO S
12位
65.0kg/ kgf・m
【日産】
・ノート NISMO S
13位
67.7kg/ kgf・m
【トヨタ】
となりました。
今回の検証の総評として595コンペティツィオーネは重いとまでは思わないけど言うほど軽くもなく、パワーで押し切っている感じでしょうか(笑)
そんなことより、595のベースであるFIAT500は2016年にマイナーチェンジをしているものの、12年間も続くロングモデルとなるわけだが、今回いろんな車種の諸元表等を見てきた中で、595に関してはさすがに古さを感じてしまったことが地味にショックだった(笑)
まだまだこの話も掘っていきたいところなのですが、今回初めてブログの文字制限を超えてしまいまして、ここらへんでお約束の第25回ABARTH 595の質問コーナーへ行かせていただきます。
595コンペティツィオーネはタイヤチェーン装着不可と聞いたのですが本当ですか?
205/40R17サイズタイヤに限りますが、タイヤチェーンの装着は
不可となっています。
とかなんとか言って、実際はなんとかいけるんじゃないの?と思っているかもしれませんので簡単ですが検証してみましょう。
595コンペティツィオーネとは言え過度に車高が低いわけではないので、物によってはいけそうな気がしますが、205mmの幅広タイヤだとサスペンションとの隙間はギリギリです。
上の画像はステアリングを右にいっぱい切っています。
タイヤ前方に注目。
ステアリングをいっぱいに切ると静止状態でもほとんど隙間がありませんね。
タイヤとフェンダーライナーの間は指が一本分ギリギリ入るので隙間はせいぜい1cmといったところでしょうか。
問題は反対側です。
タイヤ後方に注目。
指一本すらぶつかって入りません。
この隙間ではどんな薄型のタイヤチェーンであってもフェンダーライナーへの接触は避けられないでしょう。
205/40R17にどうしてもチェーンを装着しなければならない場合は、ホイールスペーサーを装着してホイールを出来るだけ外側にオフセットし、フェンダーライナーを外してタイヤが干渉せずに稼働できる隙間が出来れば物によっては装着できなくもないとは言えますが、フェンダーライナーを外した事によって内部の配線や防水のゴムキャップ、フォグランプやインタークーラーが剥き出しになり、かき上げられる雪がダイレクトにぶつかることでそれなりのリスクを伴います。
(205/40R17指定のチェーンはおそらく無いので、簡易型の汎用フリーサイズになるかと思いますが、実際に検証していないので、どこにも干渉せず、安全に走行できるかはわかりません。)
今回は文字数が無いのでこの一件で終りとさせていただきます
以上、第25回ABARTH 595の質問コーナーでした。
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Posted at
2019/01/03 05:51:01