2016年05月04日
推測でモノを言う
5月のメイストーム吹き荒れているGWのきびだんご県です(=゚ω゚)ノ
夕方におっちゃんの飼い主?お犬さまの散歩にお出掛け前にいつも携帯しない、携帯電話
(ガラケーとPHS愛用)が鳴り響き、出て見ると5エリアの現在、KENWOOD TM-455と455Sを
2台修理依頼されているフレンド局長さんでした。TM-455Sは本体側メイントーンエンコーダが
調子悪くて周波数がランダムに飛び飛び表示なので先にSSB帯域幅や調整できる部分優先
して修理を進めていましたが、何と;(;゙゚'ω゚');もう1台TM-455Sで部品取り出来るドナー機体が
入手できたので修理に使えないかとのご報告でした。当然、このトーンエンコーダは生産終了
されてるディスコン品で交換するには一緒にコントロールしているICも疑って交換するのが普通
ですから、取外しと取付けの二重での苦労しますが、惜しげも無くドナー提供出来るのはありが
たいお話です。どうも、本体ユニットとコントロール部が別で良いところを合わせたニコイチらしい
のですが、これから部品取りするってことは、今度の無線機はなんとサンコイチに成ります( ´艸`)
修理依頼のTM-455Sはビスねじ関係も純正で無く、不足しておりエンコーダつまみの固定も
六角穴付き止めねじでは無く、十字頭なべ小ねじで止めてあり、何処かにぶつけたか?落下
させたと思われるエンコーダシャフトのがたつきが大きく出ていました。恐らくこの為に正確に
スリットを拾え無くて正規のピッチでパルス波形が乱れていると思います。分解修正しようにも
非常に精密な構造なのでこの様なモノは手を出さずに新品に交換するべき部品ですが、入手
不可だったのでお手上げだと早めにお伝えしてドナー探して頂きましたヽ(^o^)丿
その大切なご報告の後で、またまた無理難題なご相談で、この局長さんが長年使っていた
YAESUさんのFT-817の電源がパワースイッチボタン押しても入らなく成ってしまったとのこと
で、同じ型番でこの局長さんのフレンド局長さんのFT-817も久し振りに電源入れようとしたら
入らないと言う全く症状が同じ故障に見舞われたらしいです。その上にサイレントキーされた
方の形見なのでなんとか修理したいとのことでした。電池は使わずに外部電源にての使用
とのことなのと、1台は製造ロットが無茶苦茶に早い(YAESU関係者?)と思われるS/NO.で
2000年発売ですので、既に製造から、16年経過しておりますm(u_u)m
これぐらい古い年代の無線機なら、普通は修理を気安くお受けするのですが、実はこのFT-817
は、YAESUタイマーと言う必ず故障するぞ爆弾を抱えた迷機(普通はリコールだよ)なのです。
もちろん、メーカーさんも製造中に気が付いてどんどんと舞い込む修理依頼にある程度の対策
は行って来ましたが、後継機のFT-817NDでも全くその反省は生かされずに修理費で儲けて
しまおうと言う悪意に満ちた構成設計です(´0ノ`*)
初期バージョンから共通なのはQRP機なのにファイナルとドライバーのFETが壊れ易いこと。
基板実装チップ部品構成で1.8MHz~430MHzとかもっと広範囲に拡張出来るしFMラジオまで
聴けてしまう集積度のために部品交換がやり難いし、見た目の故障判定が難しいのです。
そこで、残念ですがお決まりの電源回路からずっと追いかけて原因を探して下さいとのお返事
しか出来ませんでした。お聞きした限りでは回路図も取説も持ってないようなので、サービス
マニュアルのコピー(英文ですが)を郵送しようと思います。
憶測でモノを言うのは簡単ですので、考えられる故障原因を記念にカキコして置きます。
①コントロールパネル向かって右上のパワースイッチ接点が接触不良。または半田不良。
部品番号:S4002
②DC外部電源ジャックの接点が接触不良。または半田不良。
③コントロールCPU異常 この場合はオールリセットで【HOME】+【POW】0.5秒以上押しで
直る場合もあり。(液晶表示異常などにも対応、但しメニュー設定とメモリ設定も出荷時状態に)
④外部電源がDC8V~16V範囲で3A以上であること。(QRPのくせに消費電流多い)
⑤コントロールパネルのアルミ電解コンデンサの液漏れまたは容量抜け
部品番号:C4038 470μF 16V アルミ電解ラジアルリード
部品番号:C4036 1μF 16V チップタンタル
部品番号:C4031 100μF 6.3V アルミ電解ベース付き実装CAP
部品番号:C4033 470μF 6.3V アルミ電解ベース付き実装CAP
部品番号:C4025 10μF 16V アルミ電解ベース付き実装CAP
⑥コントロールパネル電源FETトランジスタ故障または不良。
部品番号:Q4001 2SJ355
⑦初期型ロットには無いがヒューズユニットのチップヒューズ溶断
部品番号:F9001 KAB-2402-322NA31 (3.15A)
⑧内臓電池からのチップヒューズは外部電源使用なので関係無いが、メインユニットに
部品番号:F1001として⑦と同じチップヒューズが使われている。(初期ロット無し)
⑨メインユニットのパワースイッチコントロールトランジスタ故障または不良。
部品番号:Q1100 DTC144EU
以上のように電源が入らないだけで実に多くの疑うべき箇所が存在します。他にもFT-817
は何度も書きますが、QRPのくせに入力電圧をそのまま、9V、6V、5V、3Vと多くの種類を
レギュレータ駆動しているのでこれらの何処かが可笑しくなっても部品点数多過ぎて追跡に
時間ばかり浪費します。
一般的に古い無線機に共通しているのは、年数が経過すると金属部は腐食します。勿論
樹脂も石油製品であるが為に劣化して脆くなります。そして、現在は鉛抜きの半田ですが、
銅箔パターンや真鍮、メッキ部品に異種接合されているので境界腐食や湿度の高い日本では
電解腐食を起します。接点には少なからずもカーボンが生成され埃が挟まったり、放電作用で
溶けて隙間が広く成ったりして不良に成ります。そして、全ての電子回路で問題になる電解
コンデンサの寿命が短いこと。液漏れ、容量抜け。タンタルコンデンサの場合は通電が切れる
ことで他の部品に影響します。そして、トランジスタ、IC、LSIは製造から短期間で製造中止に
なること。また、金属リード部からモールド内部に腐食が及んで不良化したり熱影響で劣化
すること。このように幾ら修理レストア技術を持ってしても、片っ端から部品を全数交換して
いてはとてもじゃないけど対応出来ません。修理したからと言って新品の時の性能は出無くて
当たり前なので、高性能が良い方は修理せずに新しい無線機を買って下さい。代替部品を
世界中探して、回路図とサービスマニュアルにらめっこしてメーカーが買ってから1年しか保証
しない製品を何十年も経って直すのはとても割に合う行為では無く、愚行です。
安いからとオークションで購入した持ち主がジャンク(ゴミ)とはっきり言ってる無線機を買って、
おっちゃんに修理依頼されても、絶対に嫌ですから受付けません( ´艸`)
アマチュア無線資格持っているなら、ご自分で責任持ってスプリアスの多い古いゴミは処分
しましょう。トランジスタが100年壊れなかったって話を聞いたことが無いですよね?その点、
真空管は120年以上使えたモノが現存してます。ですから、おっちゃんのHF帯メイン機は、
YAESUさんのFT-401S改なのですよ(´0ノ`*)新しいのは買う気、有りません。
修理には知識も必要ですが、機材も多く必要で高額な無線機が山ほど買える測定器も高精度で
必要ですから、陸技持ってるからとか、1アマだからと言って修理調整は単純に出来ません。
自動車も整備士だからって資格だけでは本当の整備出来ないのと同じですね。
おっちゃんが使っているスペクトルアナライザ7GHzまで対応とか、シグナルジェネレータなど高額
なプロ用測定器の多くは現役時代に外洋航路で船舶の通信士だったOMさんにお借りしています。
測定に必要な高周波ブリッジとかRFプローブ、アッテネータなどは自分持ちで自作です。
自分でも測定器関係が欲しくて自作できる物は作ったり中古のオシロスコープなんかは購入
したのですが、現在は難病自宅療養中で収入がこの3年間ゼロで持ち出しばかりだから、今後
完治目途も無い限り、趣味とは言っても無駄な買い物は出来ません(´_`。)
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無線機 | 日記
Posted at
2016/05/05 02:04:40
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