もう4日もしたら、サンタさんが今年もよい子にしていたおっちゃんに、プレゼントを持って訪ねて来る
そんな待ち遠しい師走ですけど、相変わらずお天気次第で体調がいまいちです(´‐ω‐)=з
24時間自宅警備員なので、世間での情報を入手するのに、TVより普段はラジヲを聴いてます。
ラジオでも、らじおでもありません・・・ラ・ジ・ヲです(´0ノ`*) 英語では、ラジオではなくてRADIOと
書いて、レーディオと読みます。ラジヲは、和製英語の読み方。皆さんは、初めて聴いたラジオの
機種は何だったのか覚えていますか?
おっちゃんは東京オリンピックの時には産まれておらず、もちろん、大東亜戦争も経験しておらず、
丁度世間が高度経済成長の中、昭和40年生まれなんですけどその時には、既に我家には1台の
メインラジヲが、ありました。メーカーはSONY(東京通信工業:略称は、東通工 とうつうこう)
型番はTR-712と言う機種で、社名を東京通信工業からSONYへ変更して発売した、フラッグシップ
ラジヲで、7石トランジスタ、(シリコントランジスタでは無く、ゲルマニウムトランジスタです)
単一乾電池3本駆動電圧4.5Vの持ち手が付いたポータブル機です。大きさは持ち手を除いて、
280x90x140の長方形で、色合いはなんとも当時らしいブルーとグリーンを混ぜ合わせた
高級舶来家電のような60年代色です。製造年は昭和33年(購入も同じ年)社名変更の年です。
受信出来るのは中波のみで、当時表記だとBC BAND(BROAD CAST)で、周波数表記
では、KC(キロサイクル)表示です。昭和35年には、海外のアイルランドでも欧州向けが生産
されて、型番はTR-7120となり、同年の国内では短波SWバンドも聴ける2バンドラジヲとして
海外でも真空管ラジヲの出力トランスを使い、バリコンにアイドルプーリーで2重糸掛け式の大きな
チューニングつまみは軽くて微調整し易く大変人気の出た機種です。アメリカでの発売当時の
価格は、$59=21240円(固定円相場)であり、高級品でした。回路的には、出力にプッシュプル、
長いフェライトバーアンテナ、紙筒の電池ホルダー、ヘテロダインなどの特徴があり、おがくずを圧縮
したボードが裏フタに採用されていて、ところどころに当時の限界が判りますけど、メッキリング付き
のチューニング同調つまみ、ロータリースイッチ付きボリューム採用など斬新なデザイン機能も取り
入れていました(´0ノ`*)
*最初の回路図とどこが違うか?一目瞭然にわかりますよね?
このラジヲが発売された当時、大学卒での初任給は1ヶ月に1万円。そして、価格は9300円と言う、
とても高価な商品だったのです。その頃、わがやのオトンは、家業であるお寺の小坊主も兼ねて、
寺山の雑木を伐採し、炭窯で炭を焼いたのを村から町まで売り歩いたりして、町に1軒しかない電気
機器屋さんにて『今度、東通工から乾電池で聴ける新商品のラジヲが発売になるよ。』と、聞いて
しまった為に、その頃の村には庄屋さんや数件のお金持ちの家に大きな真空管式ラジヲがあれば
珍しくて、そこに村人は集まってラジヲ放送を聴かせて頂いていた時代ですから、山上にあるお寺
では、ラジヲが欲しくても、肝心の商用電源が敷設されておらず、オトンはラジヲを聴くのが好き
だった為に日々、雑木を切っては薪状に割木にして炭焼きを続けて売り歩き、ついに念願のTR-712
が発売になった日に手に入れたと言う歴史のあるラジヲで、営林署での木こりバイト中も山の中で、
ポータブルラジヲを持って作業に行くのはオトンだけでした(≧∇≦)ノ彡きびだんご県でも、県北です
ので、標高が有る為にかなり遠くの放送局も十分に聴けたようです。オトンは8人兄弟ですが、直ぐ
下の弟(伯父)が自動車整備工をやっている時に仕事中にも聴けるからと、しばらく貸し出されて
いたのですが、作業中に誤って棚から落としてしまい、ケース角に亀裂が入ってしまいましたが、
中身は壊れず、オトンに素直に謝って、自分で新しいラジヲ買うからと、また我家に戻された経緯も
あり、このラジヲの交換した乾電池を転がしておっちゃんをあやしている時に、初めて喋った言葉が
『ご飯』とか、『オトン』、『オカン』などの言葉では無く、『でんち』と言ったのは、後に聞きました
が、おっちゃんが中学生になる頃まで現役でずっと我家ではテレビと一緒に大切に使用された家電
機器です。このラジヲを手荒く扱うとオトンから、凄まじいカミナリが落とされたことは、書かなくても
容易に想像できると思いますΣ(・ω・;|||
残念ながら、トランジスタの劣化や内部金属部品の腐食で、20年間の寿命を迎え、おっちゃんの
なんでもジャンク箱に解体されて数年後には姿を見なく成りました( ´艸`)
おっちゃんが、ラジヲ好きなのは確実にオトンの遺伝子を受け継いじゃってるからだと思いますが、
今までに所有したどのラジヲよりも、一番好きなSONY TR-712であります。
当時からしたら、1chipで3.3V駆動のDSPラジヲなんて、宇宙人の作った謎の物体でしょうけど。
おっちゃんは、リハビリにお犬さまに毎日、散歩に連れて行っていただきますが、そんな時もいつも
ポケットにはラジヲを入れて聴きながら、楽しく過ごしておりますm(u_u)m