明日は大寒でぐっと寒くなりそうですが、おっちゃんの昔話で今日はお送りしたいと思います。
まだ、日本がバブル景気で賑わっていた頃、知り合いの一人にアメリカ人のテッドと言う人物が、
居ました。彼の職業は、興業プロデューサー(ブローカー)で、アメリカ国内は元より世界中の田舎
街で色々な催し物を行なっては利益を出す仕事をしていました。その業界ではかなりのブラックな
お方で、売り上げを誤魔化したり、闇でチケット換金など評判は悪くて、小太りなおっさんを、皆さん
結構嫌っておりました。
とあるお金持ちのお嬢さんが、アメリカでは盛んなモータースポーツのインディカーレースのバック
スポンサーをしていて、前シーズンまで使っていた車両を売却し、新しいマシンと交換すると言う
ので、古いマシンをとあるサーキットのガレージ前で展示していましたが、エンジンからはオイルが
垂れ落ち、吸気系のパイプも外れているようなボロボロの未整備車輌でした。
エンジンだけでも使えないかと整備を進めて、ようやく完成し試運転と言う段階で、その車から
スタッフが離れている隙になんと、ドライバーでも無いテッドが運転席に座っておもむろにエンジンを
掛けたのは良いのですが、そのままガレージに向かって猛スピードで突っ込んでクラッシュしちゃい
ました。車両とガレージはボロボロに大破。テッドは幸いにも無傷でしたが、普通に考えられない
事故です。テッドはギャンブルや女遊び、酒癖も悪く、色々な投資も失敗続きだったようで、賠償
金を当然ながらお金持ちのお嬢さんに言い渡されましたが、その金額は、『100万ドル』で、別件
での催し物で多少なりともテッドに世話に成った温情の金額でした。
支払い期限が迫っても、一向に慌てた様子の無いテッドでしたが、薄い封筒に全額入っていると
渡したものは、アメリカドルではなくて、リベリアドルで100万ドルの小切手でした。
それと、一緒に諸外国を廻って切手収集の趣味があったテッドが封筒に何枚かの切手を同封
しており、それを売却すればいくらか現金になるだろうと書かれたメモが一緒に入っていて、
実際にその切手を鑑定依頼して売却出来た金額は、わずかに100USドルほど。
しかし、偽物と鑑定した人物がこれまた怪しい人物で、換金後に切手と共に姿を消しています。
風の噂では、テッドはアフリカ大陸に渡り姿を消したとなっていますが、切手の鑑定人も同時に
目撃されたのが最初から仕組まれていた茶番なのかも知れません。
おっちゃんの手元にはその時に換金された切手が数枚手元にありますが、鑑定には出す予定は
ありません。しかし、何故?インディカーのコクピットでエンジン掛けたのでしょう?その切手を
何故?おっちゃんが持っているのでしょう?世の中には、不思議な事件があるものです(爆)
Posted at 2017/01/19 23:55:42 | |
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