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2008年12月13日

キャデラックCTS試乗記

キャデラックCTS試乗記  小生が子供の頃は、巨人・大鵬・卵焼き。
 もっとも、大阪の子供にとっては巨人ではなく阪神でしたが、それでも長嶋は皆大好きで、銭湯の3番ボックスを奪い合ったものです。

 そして車といえばやっぱりキャデラック。
 物心ついたころには自宅に小さな小さなマツダのクーペがありましたが、あの大きな華やかなキャデラックは、雲の上の存在でした。

 時は過ぎ去り、一昨年。
 今のE90を購入する際に、例によってさまざまな車を試乗検討しました。
 ニュルブルクリンクでチューニングしたという足回りと、シャープなスタイリングが気に入り、キャデラックCTSを試乗してみたかったのですが、なんと試乗車は東京に1台あるだけ。
 こいつは売る気がサッパリ無いなあと判断し、諦めていました。

 ところが先日の新聞大広告。よくよく見れば、大阪と神戸に試乗車が来るではありませんか。
 GMが存亡の危機に立たされているにもかかわらず、よくまあこれだけ広告宣伝が出来るものだ、と感心しつつ、早速試乗を申し込んだのでした。

 本来は大阪のディーラーが近いのですが、あいにく紅葉の撮影と時期が重なってしまい、神戸のディーラーまで試乗に繰り出しました。

 ディーラーに到着して驚いたのが、CTSの試乗車が3台もあること。何れも豊橋ナンバーで、VWやメルセデス同様にPDIが豊橋にあるようです。
 この試乗車の予定をウェブでみると町田と神戸を行ったりきたりで、3台を使いまわしていますが、東京に1台しかなかった以前よりは力が入っているようですね。



1、デザイン

 力強い面が組み合わさり、気持ち悪い端面処理もなく、力感みなぎるデザイン。そこに大きなグリルが収まり、大変インパクトのあるデザインだと思います。リアスタイルは古き良きアメ車のモチーフを取り入れ、実物以上に大きく見えます。
 好き嫌いがはっきりするデザインだと思いますが、こういうカクカクしたデザインは、小生は大好きです。文句なし。
 外装色は、イメージカラーであるこのクリスタルレッドが綺麗ですねえ。



2、運転席に座ってみて

 まず目に飛び込んでくるのがバックライトも明るい3連メーター。速度計を真ん中に、左がタコメーター、右に燃料、水温、油圧のコンビメーター。BMWの精密機械然としたメーターとは対照的で、文字のタイプフェイス含めちょっとおもちゃっぽい感じですが、視認性は良好です。
 ちなみにこの試乗車は、まだ2710kmの新車ですねえ。



 ダッシュボードは立体的なデザインで、スイッチがいっぱい。デザインのセンスと質感は、日本車の特に日産あたりと近いのではないかと感じました。
 ちょうどセンターコンソールのトップからナビのモニターがせり出してくることからも、そういう感じを持ったのかもしれません。



 一方、ダッシュボードトップの革シボは彫が深く、ステッチも決まってなかなか上質に見えます。

 オーディオの方は、BOSEサウンドシステムが装備されており、やはりこいつは良いですねえ。特にダッシュボードトップの中央にスピーカーがあると音場が良くなって、臨場感溢れるサウンドで、BOSEサウンドシステムを満喫した前車のRX-8を思い出しました。



 さて、シートポジションを調整しますが、これは残念でした。特に角度調整の幅が狭く、また標準的日本人の体形に合わせているため、フットペダルが近すぎます。ちょっと乗っただけで違和感を感じました。
 さらに、座面の長さが短いことも助長しています。
 天地が浅く、足を投げ出すようなポジションになりますので、上下方向がちょっと窮屈な感じです。

 試乗後、左ハンドルに乗ると、はたしてシートの調整幅も広く、ベストポジションがとれましたので、もし買うなら左ハンドルですね。

 サンフランシスコやサンノゼから、ナパのワイナリーやモントレーなどへ何度かレンタカーを走らせた頃の記憶をたどれば、アメ車はもっとペダルが奥深くてステアリングを抱え込むようなポジションでしたので、このキャデラックは欧州への輸出を考え、ペダルの位置を少し手前へ出しているのではないでしょうか。

3、走ってみて

 さて、いよいよ走り出します。
 軽~いステアリングを回して路上に出、アクセルをクッと踏み込みますが、我が320iよりもおっとりした加速です。試乗したのは2.8リッターなので、214psに対して車重は1760kg。
 まあ、国産車のようにアクセルを非線形にして、いきなりグワッと加速するよりはよっぽどスムーズに走れます。

 混んだ一般道を10kmほど走行しただけなので動力性能は試せませんでしたが、ちょっと低速トルクが細く、飛ばしたいなら3.6リッターでしょう。
 一方ステアリングは遊びもなく適度に軽く、メルセデスと近い感じ。昔のアメ車とは、隔世の感ですね。ただ、ウッドとのコンビの革の部分が、まるで韓国車の革のように安っぽく、惜しい点です。

 さて、乗り味です。

 なんともいえないふんわりした感じ。ゆらゆらして安定しないほどでもなく、ギリギリのところです。市街地を流れに沿ってゆったり流す分には、まず最も安楽な乗り心地。何かに似ているなあ、と考えていて思い出したのが、ゼロクラウン。
 おたがい、平均購買層が60歳を超え、何とか若返りを図って大きくモデルチェンジをしたことまで似通っています。

 なお、3.6リッターはぐっと締まった足回りだそうですが、左ハンドルの試乗車しかなく、日本で左はやはり怖いので止めておきました。
 やはりキャデラック本来の味は、この2.8リッターで出ていると思いますね。

 BMW信者の方にはこの乗り味は許容範囲外だと思いますが、小生は充分OKです。もし仮に通勤で毎日混んでる道を乗るなら、会社の帰りに疲れ果てて乗ることを考えると、キャデラックの方が良いですねえ。毎日BMWに乗るのは刺激が強すぎるかもしれません。

4、コストパフォーマンス(CP)

 ナビや革内装がついて500万円弱。320iのHi-Lineなら大して変わりませんし、値引きを考えると逆転するかもしれません。そう考えると、CPは良いでしょう。さらに、ドルは80円を切ると言われていますから、ますますお買い得になるのでは。

 ただし、BMWも酷いものですが、きっとこのキャデラックの下取り値も二束三文でしょうし、会社自体が危なくてアフターパーツも心配ですから、そこをどう見るかです。



 ところで、ディーラーで目に付いたのがこのハマー3。

 なんと右ハンドルも出るそうで、興味津々。幅もE90と8cmしか違わず、駐車場所さえあれば、こいつも良いなあ。

 あつかましく試乗まではしませんでしたが、運転席に座ると、左ハンドル版はポジションもばっちり。



 ウインドウグラスが天地に狭く、穴倉に入った感じで独特。何かに似ているなあと思い出したのが、十数年前に米国で乗った古いカマロかコルベット(車名をよく覚えてない)。雨降る夜に、小さなウインドウグラス越しに小さなワイパーが頼りなげに動いていた記憶があります。

 宝くじでも当たったら、セカンドカーに買うかもしれません。

以上、拙い試乗記でした。ヤナセグローバルモーターズ神戸支店さん、有難うございました。

PS.写真は全てGR Digitalです。ちょっとS5Proは持っていけませんでした。
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Posted at 2008/12/13 16:28:26

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この記事へのコメント

2008年12月13日 17:31
いや~、気合いの入った試乗記ありがとうございました。
こんな車に乗ったら、日本も右側通行にすれば良かったのに、って思いますね
コメントへの返答
2008年12月14日 11:31
たまさ。さん、有難うございました。

久しぶりの車ネタでした。

車はどうしても左ハンドルのほうがペダルを奥に出せますので、しかたがないですね。

2008年12月13日 18:19
ハマーの試乗記の方が興味あるんですけど明日試乗してきてくれませんか?(笑

最近の外車は以前に比べてマイナートラブル少ないとは言えやはり国産よりありますしね。
そういうマイナートラブルを許せる懐あってこその輸入車に乗れるって風潮もどうかと思いますね(^^;
コメントへの返答
2008年12月14日 11:33
すなわしさん、有難うございました。

そうですね、ハマーの右ハンドル試乗車が準備出来たら、乗ってきます。
この図体で、左ハンドルはちょっと怖いです。

マイナートラブルには、幸か不幸かすっかり感受性が鈍くなってしまいましたが、保証が切れてからの修理代は、痛いですよねえ。
2008年12月13日 19:44
アメ車の試乗記は滅多にないので、楽しく読ませて頂きました。
キャデラックという響きに憧れのようなものを感じます。年代のせいでしょか(笑)。
キャデラックCTS、意外と好きです。クラウンに乗りたいと思う時が来たら、きっと対抗馬になるかな。
乗り心地についてのインプレは、このようなジャンルがあっても良いのではないかと思います。
話はそれますが、試乗記と共に写真を見ていたら、GR Digitalが欲しくなりました。
コメントへの返答
2008年12月14日 11:38
joypapaさん、有難うございました。

以前からこのCTSのスタイリングが好きで、念願かなった試乗でした。

昔憧れたキャデラックがこの価格で手に入るとなると、現実味を帯びてきます。

こういう乗り味もなかなか良いなあ、と思う反面、前車のRX-8も懐かしく思うこのごろです。

GR Digitalは2に進化していますが、この小ささと軽さでこの写りは傑出していると思います。

プロがサブ機として愛用している気持ちが良くわかります。お薦めですよ。
2008年12月13日 21:25
こんばんは!

じっくり読ませていただきました。
もう 昔のような ふわふわ感は少なくなっているんでしょうね。
でも、ドイツ車と比べると まだ残っていますよね。

コメントへの返答
2008年12月14日 11:40
ぷーうたさん、有難うございました。

ドイツ車とは明らかに違います。
最初は、前々車のローバー75のイナシの効いた英国車の乗り味に近いかなと思ったのですが、それよりも真のところが柔らかく、やはり米国車だなあと思いました。
2008年12月13日 21:44
アメリカで乗るアメ車はゆったり乗れて良いんですが。。。
キャデラック、わたしには冨の象徴の言葉です。
頑張れGM!!
コメントへの返答
2008年12月14日 11:42
ミニ1000さん、有難うございました。

米国で借りるオールズモビルあたりとは、まるで別物の乗り味でした。

すっかりインターナショナルになったものです。

GMどうなるんでしょうねえ。
一旦倒産しない限り、負の遺産でどうにもならないと思うのですが。
2008年12月14日 0:32
ファンで無くともアメ車には頑張って欲しいです☆
キャデラックは富の象徴のような気がしてました。
アナログ時計が付いているのもスカイライン風ですね(^^)
コメントへの返答
2008年12月14日 11:45
やまけん@北摂さん、有難うございました。

マイナーチェンジ前はもっとスカイライン(モデルチェンジ前のV35)とデザインコンセプトが似ており、両方ともかなり好きなデザインです。

時計の近似性は気づきませんでしたが、そういえばそうですね。

双方のデザイナーに、何か関連があるのかもしれません。
2008年12月14日 10:44
キャデラックといえば大手企業のお偉い方が後部席に乗るクルマだと思ってましたが、BMW博物館さんのインプレでイメージが一新してしまいました。
また軽く1千万円は突破すると思っていた車両価格が、500万円で3シリと変わらないとは驚きです!
コメントへの返答
2008年12月14日 11:48
そーやんさん、有難うございました。

昔米国でキャデラックの後席にしばらく乗ったことがありましたが、あまりに柔らかく揺れて、酔ったことがあります。

このCTSはそれとは全くの別物で、買った人の満足度は相当高いようです。

合流などの時も、直ぐ相手が譲ってくれる押し出しの強さも、相当な物だそうです。
2008年12月14日 22:59
“押し出し”は、BMWの比ではありませんね。
さすがです。。。

リセールなど考えずにクルマ選びができるなら、よのなかもっとカラフルにもなるはずですよね。


でも3000Kmにも満たないのに、もうシートの座面になたるみが発生していますね。
一気に古臭く見えちゃいますね。
コメントへの返答
2008年12月15日 22:06
FrancoPさん、有難うございました。

一般庶民は虎の子の資金で買いますから、どうしても資産価値が気になりますね。

シートのことは書こうかと思ったのですが、長文になったので止めました。

このあたりが、米国車の品質の限界だと思います。

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