
さあ、今日はいよいよ北海道最後の日です。
今日の夜には、小樽に着かねばなりません。
まずは朝風呂。
いやあ、やっぱり朝っぱらから温泉に浸かるのは、最高ですなあ。
懸命に働いておられる現役世代の方を尻目に朝湯を楽しむのは、申し訳ない。
オープンで走っていると、かなり日焼けをするようで、顔も腕もヒリヒリします。
朝食は昨夜と同じレストランですが、朝からこんなに食べきれません。
塩辛いおかずが多いので、ご飯のお代わりをすればちょうどですが、朝からそんなに食べると体調を崩します。
セミダブルベッドの広い部屋、必要充分な食事、濃くて効きそうな温泉、これだけ揃って5,915円でした。
これはどう見ても安い、激安です。
昨日のドーミーイン稚内とエライ違い。
GoToキャンペーン、万歳!
外へ出ると、気温は9℃。
そりゃあ、寒いわけです。
でも、幌を開け放ち、シートヒーターをONにし、ヒーターをガンガンにかけて、本日最大の目的地、トロッコ王国美深へ向かって出発です。
途中、僅かに民家や牧場を見ましたが、原生林のような森の中を進みます。
こんな場所での生活はどんなんだろうか、想像もつきません。
昨日の夕方にも感じましたが、連日ずっと乗っていると、なにかこう、人馬一体感がぐっと増したような気がします。
トロッコ王国には、8:45頃に到着しました。
他に全く車が見当たらないので、おっかなびっくりで建物の中へ。
そこで直ぐに入国の受付が済み、9時からの第一陣で出発とのこと。
猛烈に寒いはずなので、事前に調べておいた防寒服の借用を申し出ると、プレハブに吊ってあるので勝手に持っていけとの指示。
一番ぶ厚くて大きいのを選んで着込みます。
ここは、日本一の赤字路線と言われた旧国鉄の美幸線の廃線跡で、トロッコを自分で運転して10kmも走ることが出来るテーマパークです。
到着したこの場所は、仁宇布駅の跡地。
ここから美深方面へ5kmの線路が残され、再利用されているのです。
帰阪後によく調べたら、美幸線は歌登を経由して枝幸へ伸ばす計画だったようで、今さっき通ってきた道道120号線のトンネルは、もともと美幸線用に掘った物だったようです。
枝幸と歌登の間は路盤がほぼ完成していたようで、GoogleMapでよく見たら、駅の跡地や路盤を簡単に見つけることが出来ました。
たしかに美深と枝幸を鉄道で結んだら便利でしょうが、沿線住民がこれだけ少ないのですから、無理がありましたねえ。
さて、唯一心配していたのが、空模様です。
あまり良くない予想だったのですが、一昨日から予想が好転し、綺麗な晴れ。
最高の天気です。
トロッコは、5kmほど走ってぐるっとUターンして戻ってくるコースです。
もちろん単線ですから、途中ですれ違いは出来ません。
その為、1時間おきに複数のトロッコを集団で出発させ、Uターン場所の線路上にトロッコを集め、係員がポイントを切り替え、一斉に帰路に着く、そういう運行システムです。
Uターン場所で撮影するのを失念しましたので、GoogleMapを借用します。
右上にポイントがあり、左下に向かって細長いUターンの線路が伸びているのがお分かり頂けるでしょうか。
さて、月曜日の朝一番でしたので、9時の第一陣は私だけです。
自由に好きなペースで走らせることが出来ます。
ちなみに、帰る時には車が3台いましたので、10時の第二陣は、トロッコが3台でしょう。
この出発案内所で注意を受けます。
・踏切が数か所あるので減速すること。
ただし、農道ばかりなので、人はまず居ないだろうとも。
・鉄橋は念のために減速すること。
・Uターン場所はカーブがきついので、歩くような速度で進むこと。
さあ、いよいよ出発。
私が乗るのは、この17号車です。
右足でアクセルとブレーキを踏み分け、速度をコントロールします。
グッとアクセルを踏むと背後のエンジン音が高まり、速度が増してきます。
おおっ! なんという爽快感!
で、でも、さ、寒い!!!
気温はきっと、10℃未満です。
おもわずアクセルを緩めます。
でも、あまりゆっくりでは運行に支障が出てはいけないと考え、頑張って速度を上げますが、寒くて手がかじかみます。
直射日光が射してくるとマシですが、陽が陰ると寒い。
途中、すぐ脇に鹿が登場したりしてトロッコを満喫しつつ、ようやく出発点へ帰ってきました。
所要時間は、約40分です。
こんな貴重な体験、もっと有名になって地域振興に役立ってほしいものです。
車に戻り、ヒーターをガンガンにかけて暖をとりながら、一路旭川へと向かいます。
美深町から国道40号を南下するのですが、すごく久しぶりの市街地走行で、信号もあります。
車も多くて、ペースもゆっくり。
旭川の手前くらいから、いよいよ雨が降ってきました。
時々結構強い雨になるのですが、昨日まで海岸線を走っていたことで付着した潮を、雨がきれいに洗い流してくれます。
北海道最後の給油は、永山というところにあるENEOS。
凄く大きなG.S.で、大型車専用の給油機などもあり、勝手がわからず右往左往。
見かねた地元の方に教えて頂き、有難うございました。北海道の方は優しい。
ここはEneKeyが使えず、ENEOSカードで支払ったのですが、なんと127円/L。
レギュラーと間違えたのか?と思いましたが、エライ安いですね。
給油を終え、南下を再開。
東神楽町を過ぎ、旭川空港の側を通り、美瑛を過ぎ、到着したのが四季彩の丘。
ここは12年ぶりなのですが、あちこち行った美瑛&富良野の花畑の中では、ここが一番気に入っています。
先ほどまで相当強い雨が降っていたのですが、幸運にも一時止んでくれました。
降り出す前にと、慌てて写真を撮りますが、牧草人形「ロール君」もマスクをしています。
さて、2Fのレストランで昼食です。
鹿肉ジンギスカン定食をチョイスしましたが、これは正解。
牛や豚よりも歯ごたえがしっかりしており、いやこれは美味しかった。
雨の月曜日だったのですが、レストランには10人近くもお客さん。
園内を見渡すと、やはりカップルが多いですね。
北海道民のデートスポットなんでしょうね。
トロッコ王国も四季彩の丘も、天気が持って良かった良かった、と幸せに浸っていたのですが、この後にあんな目に遭おうとは、想像だにしていませんでした。
さて、腹もくちたので、小樽へ向かいます。
本当は、札幌に1泊してみん友さんにお会いしたかったのですが、明日の晩には帰阪せねばなりません。
高速道路のSAに立ち寄る必要があったのでルートを検索したら、砂山SAしか候補がありません。
そこで、美瑛から芦別へ抜け、滝川ICから道央自動車道へ乗ることにしたのですが、問題はそこへ至るルート。
マツコネで検索したら、道道70号 芦別美瑛線しか選択肢が登場しません。
この道があんな道だったと知っていたら、絶対に選択しなかったでしょう。
後でGoogleMapでルート検索したら、道道851号と国道38号を使って南へ迂回するルートも出てきます。
しかも、こちらの方が所要時間が短い。
これはどういうことでしょうか。
それは、道道70号は山の中の未舗装のグラベルだったのです。
酷道愛好家の間では、どうも有名な道らしい。。。
最初は普通の舗装路だったのですが、いきなり未舗装になりビックリ。
舗装工事中かと思ったのですが、延々とグラベルの道が続きます。
ギアをセカンドに落とし、ゆっくり慎重に水たまりや陥没を避けながら進みますが、タイアが跳ね上げた小石が車体に当たり、派手な音がします。
轍を走ると跳ね上げがマシそうなのですが、車の腹を擦らないかと心配。
さりとて、轍を避けると派手に小石を跳ね上げ、車体が心配です。
ああ、なんでこんな目に遭うのだろうか。
フォレスターなら苦にならない道ですが、ロードスターは一番似つかわしく無いクルマです。
その時は頭がいっぱいで撮影するのを失念しましたので、帰阪後にストリートビューで見ようとしたら、Googleの撮影車も走っていません。
ちなみにこれは芦別側のストリートビューですが、これ以上先の映像はありません。
ネットで探した映像がこれですが、特に芦別に近いところは、傾斜もカーブももっときつく、雨は降っているわ、薄暗くなってくるわ、もし対向車が来たら、もし熊が出てきたらどうしようかと、もう泣きそうでした。
そしてこの道、どういう訳か、所々舗装しているのです。
おおっ、やっとグラベルが終わりか!
喜んだのも束の間、すぐまたグラベルが現れた時のショック。
そんな酷道を、10km以上も走らされました。
カーナビは、未舗装路であることを、ちゃんと表示すべきだと思いますね。
滝川からはずっと高速で、札幌JCTからは一昨日通った道です。
ああ、ぐるっと一周してきたんだ!
そう強く感じました。
乗船時間まではずいぶん時間がありますが、結構強い雨が降っていますので、ウイングベイ小樽という巨大なモールに退避することにしました。
イオンの地下の駐車場へ車を入れ、先ずは船内の食料品を調達し、つぎは夕食です。
魚一心という回転寿司屋へ行ったのですが、写真を撮るのを失念しましたので、Webから拝借。
せっかくの北海道なので、活け八角、産直三昧、蟹好き三昧などを食しましたが、うっかりして写真を撮れたのは八角だけ。
グラベルの後遺症でしょうか。
このイオンモール、月曜だからでしょうか、どこもガラガラで大丈夫だろうかと心配しましたが、とても温かい。
すっかり疲れて肩が凝ったのですが、なにかこう、北海道を堪能した気分です。
ちょっと早すぎるかなあ、と思いつつ、9時頃にフェリーターミナルへ。
車は、未舗装路を走った泥でグチャグチャです。
カウンターへ行くと、迷彩服をお召しになった方でいっぱい。
順にサーモメーターで体温を測定されています。
そうです、自衛隊の方々が沢山乗船されるのです。
そのせいでしょうか、なんと10時までには乗船場所へ車を並べろとの指示。
これは延々と待つことが無いので、ラッキーです。
ターミナルの土産物売り場も自衛隊の方々でいっぱいで、こんなに人の多いターミナルは初めて見ました。
なお、知人の娘婿が北海道の北部方面隊に居ますので、どこの部隊か聞こうかと思いましたが、軍事機密を探るのはやめておきました。
沢山の自衛隊の車を横目に、10:15頃に乗船。
日本海は時化気味だという船内アナウンスを耳にし、やっぱり。。。
早速部屋に入り、入り口に近い方へ進行方向に向かって布団を敷きます。
つまり、船の中央に近い方がローリングした時の上下動が少ないからです。
また、ピッチングに対しては船の後の方が上下動が少ないので、予約時にできるだけ後方の船室を予約しておきました。
う~ん、舞鶴までこれから20時間の船旅。
どうなるのでしょうか。。。
(つづく)