
昨年の秋頃にDVDを購入した『大怪獣ヨンガリ』(原題 : YONGARY Monster From The Deep)です。この作品も以前から気になっており、ようやく手に入れました。
この作品、元々は昭和42年(1967年)に韓国の極東フィルムが製作した韓国映画なのですが、このDVDに収録されているのは翌年の昭和43年(1968年)にアメリカで劇場公開された『アメリカ編集公開版』となっています。ですので、このDVDでは英語吹替えの音声と日本語字幕となっています。
中東で行われた核実験の現場から地中を移動する物体が朝鮮半島へ向かっていく。地中から姿を現したのは、伝説の怪獣ヨンガリだった…という物語なんですが、本作の特撮パートの殆どは当時のガメラシリーズを手掛けた大映東京撮影所の特撮スタッフが中心となって設立された日本のエキス・プロダクションの面々が担当しています。
そういった事もあり、ヨンガリは口からメラメラとガメラのような火炎を吐き、鼻先の巨大な角からはギャオスの超音波メスの様な光線を発射し、更には鳴き声がバルゴンと一緒という、諸々の【素材】まで日本から持ち込まれた感じの(笑)、日本の特撮作品臭がプンプンする怪獣に仕上がっています。
また、ヨンガリに攻撃を行う戦車が61式戦車で、戦闘機はF-104戦闘機という、日本の陸上自衛隊、航空自衛隊の兵器が韓国軍の兵器として登場しちゃう無茶苦茶な映像を観ることもできるのです(笑)。
ミニチュアセットの雰囲気が確かに当時の大映っぽい雰囲気ですし、日本の特撮スタッフが手掛けた崇礼門(南大門)のミニチュアセットは映像からも立派に作られているのがよく分かります。でも、ヨンガリは大韓民国国宝第1号の崇礼門を直前に、ヘリコプターにまんまと誘導されて崇礼門には指一本触れずに去ってしまうという…なかなかの忖度怪獣でした(汗)。フツーそこまで接近して目の前にある建物は壊すだろ⁉一体何に忖度してやがるんだ?その土地土地の名所をを豪快に壊してこその怪獣だろうがよ!
…で、戦車やら戦闘機やらミサイルやらの火力を以てしてもヨンガリには全く効果が無かったのですが、物語後半ヨンガリが【アンモニアアレルギー】である事が判明し、早速主人公たちが合成アンモニアを急造、ヘリコプターに搭載して上空からヨンガリに振り掛けていく訳です。これを喰らったヨンガリは次第にのたうち回り、遂には漢江(と思われる)の畔に倒れて下血して絶命するのです。しかしまぁ…、下血して死ぬ怪獣ってのは後にも先にもコイツだけでしょうけど、この最期にも何とも言えない哀愁が感じられます。
まぁ…ここまで書いておいてアレですけど、決して他の人にお勧めしたくなるような映画ではないですね(笑)。

崇礼門(南大門)にこれだけ近付いて、このすぐ後に指一本触れずに向きを変えるヨンガリ!
どういう事なんだ!

メラメラと口から火炎を吐くヨンガリ。
これぞ【昭和の怪獣】って感じで、なかなか良い面構えです(笑)。

角からは超音波メスもどきを発射。ガメラとギャオスのいいとこどり!

超音波メスもどきを喰らって、クルマが真っ二つになる描写を実物のクルマでやるとこなんか、なかなか面白いんじゃないですかね!

結構広いスタジオでミニチュアセット組んでるのが分かりますね。

最期は川の畔で下血して死ぬっていう…何とも言えない表現ですな。

Posted at 2021/01/07 19:56:05 | |
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