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2020年02月28日 イイね!

「・・・白いヤツ」のエネルギーマネジメント

「・・・白いヤツ」のエネルギーマネジメントe-POWERの乗り方で最重要な、アクセルペダルの使い方のその2です。

前回、踏む方の話を中心にしましたが、今回は抜く側=回生の使い方です。




以前から書いたように、エコカーとしてのe-POWERの使い方は、加速するモータが使うエネルギーとエンジンが使うエネルギ―が時間軸で一致しないことです。ですから、省エネのコツは、「モーター加速で使った電力を、如何に低燃費で回収し貯めるか」と言うことになります。

なので、従来の内燃機関型自動車の、急加速や、無駄な空ぶかし、エンジンは低回転でノッキング寸前で、、、なんて技術は全部通用しません。ま、空ぶかしはしたくても出来ないんですけどね(;^_^A

と言うわけで、「発電機の省エネ発電方法」が肝になります。ところがノートのe-POWER には、その直接制御できるすべが有りません。(後発のセレナには、本来の狙いが違うのですが、チャージモードとマナーモード(EV走行)ボタンがあり、ある程度の充放電をドライバー側で指示できます。)

この発電機の省エネ発電と回生ブレーキの使い方が連動してくるわけですが、ノーマルのワンペダルモードでは、「速度に依存する回生の強さ」になっています。ニスモ制御版のVCMは、回生の強さは一定にプリセットされています。マツダのi-DM使いの方ならその意味がよくわかると思うのですが、姿勢制御=減速Gをアクセルペダルで作るために、アクセルペダルの戻し量で減速Gを0.15Gまで、(B)ドライブ時は0.17か0.18G迄)を制御するのでこれは必須です。この時のペダルの戻し制御がブレーキでは難しいデリケートな減速制御を実にうまくできる(繊細に動かす足は要りますが)ので、使い勝手が良い。
最も、全戻しで停止までお任せの時の停止寸前の制御は私よりうまいです。この微細さはすごい。


また、人間が減速度で感じる不快感には、躍度の強さに相関が有って、研究してるデータでは、要は低い速度からの高いGは不快で、同じGでも相対速度が高ければ、そうでもない。そこで加加速度でみると、3G/secあたりを限度にそれ以上だと不快になるらしい。

で、「こいつ」の場合、Sモードが(0.15G/4セグ)約0.038Gが1セグに、Bドライブなら0.045Gとなります。これをうまく使って組み立てれば、ワンペダルですべてが完結します。が、峠では90度以上回り込むような場面では、さすがにブレーキ踏まないと、ちょっと手前から回生ブレーキで調整してると、リズムが狂います。なので、峠を走る場合、加速したら、コーナー手前で回生使って進入速度をコーナリング速度が0.2Gになるぐらいに合わせて、ワンペダルで組み立てると、バッテリーはほぼ減りません。


話を戻すと、発電機で充電させないためには、うまく回生を使って電池をためれば、発電機はかかりません(空調除く)。エコモード以外で走っていると、電池は全部で6セグメントあるのですが、1セグ欠けた状態をキープし、大きな加速をしなければ、EV走行で3セグになるぐらいまで走ってくれます。



大体の感覚ですが、発電機の一番省エネ回転域が2000~2400回転なので、ノーマルノートは電池無くなるとこの回転数で充電+走行し、満タンになるとエンジン停止、を繰り返す言わばエコカーとしてのセッティングになっています。一方ニスモ版では、そこを多少無視して、必要な発電量に追従させるようになっている?と推測。40-60km/hで定速走行時のエンジン回転は、この充電定位置回転数よりも低い感じですし、踏み込んで加速するときは即座にエンジンも追従して回転を上げます。(電池に回生余地を残すように充電し、踏み込んだ時の加速でバッテリーと発電の合成が最大トルクを出せるように発電機は制御されます。(特にBレンジの場合は、ちょうど1速落としが感じに発電機の回転が1段上がるようです。)



なので、バッテリーを充電すべく、エンジンがかかったら、なるべく細切れに始動と停止とならないように、2000回転あたりでチャージさせるため「走行で使う分+充電する分」が2400回転を超えないようにします。これがパワーメータのグリーン6セグ以内という感じです。これを超えて白セグが付くようになると、発電量が足りなくなってエンジンがもっと回ります。これを幹線道路でやって、発電しながら一定速度で走る場面を作ってあげると、発電機の省エネ運転ができます。このことと、峠での走りは切り離していいわけで、結構楽しんで走っても、これを組み込むとガソリン消費を抑えることができます。



回生ペダルの使い方は他のハイブリッドとは異なるもので、タイヤからの回転をダイレクトに発電機に返すことでの発電=回生になるため、エネルギー回収効率は90%近いそうです。なので、e-POWER車の定速走行時の燃費阻害要因の60%が空気抵抗らしく、通常の内燃機関だと、フリクションや燃焼効率で空気抵抗の阻害割合は14%程度らしい。

なので、空力はEVにとっては非常に大事なのですね。また高速走行は電費が悪くなるのも
なるほどな、と。そうは言っても100Km/hあたりなら十分いいですけどね。
Posted at 2020/02/28 20:05:37 | コメント(1) | トラックバック(0) | e-POWER | クルマ
2020年02月26日 イイね!

「連邦の白いヤツ」のその後

「連邦の白いヤツ」のその後「連邦の白いヤツ」のその後


まだまだ調査中の「連邦の白いヤツ」(劇場版では、連邦の白い悪魔?(;^_^A)ですが、まだ調査中で、「こいつ、うごくぞ!」と言う段階w。






まずシフトセレクターをブレーキ踏みながら入れると、あれこれ立ち上がって「グリーンのマーク:e-POWER起動=(正式名称:走行可能表示灯)が点灯する。




※:納車時までのアベレージ燃費:18.4km/Lを一旦リセットしました。


この途中で焦ってシフトしても拒否られるのだが、「システムオールグリーン」まではじっくり待っていた方が安全、安心である。そしてセレクターをDに入れて、ブレーキを離すと、じんわり動き出します(;^_^A
(完全電気パワトレなので、機械的結合など無く、ただパワー半導体回路から電気が流れるだけ)


さて、先の連休最後の24日はようやく晴れの天候で、娘と2人で改めて「試験走行」に出かけました。こいつの基礎体力、性能を測るためです。

このエントリでは、「アクセルペダルの使い方」について、書いてゆこうと思います。

下図のように、パワーメータなる表示が有りますが、これが大事。



まず、左4コマがブルーで回生のレベルを、右の12コマ中、最初にグリーンが6コマ、その上の6コマが白でパワー(踏み込み量)が表示されます。エコ運転は、グリーンの6セグメントまでを使って走ってね、と言う目安です。


これを使うと、ECOモードとSモードではペダル位置でこのセグメントの表示が異なることで、アクセルべダルの非線形ゲインがわかります。私の場合、Sで1セグメントずつ、踏んで制御できますが、奥さんのペダル操作だとざっくり12セグを3つずつ区切って4段階程度な感じです。高橋啓介がFDで10段階のアクセルワークの特訓してますが、連邦の白い悪魔は、12段階で訓練させてくれますw。

で、これがエコモードだと感覚5セグぐらい踏んで、やっと1か2と言う感じで、かなり緩いゲインになってます。なのでエコモードで3セグぐらいのときに、モード切替ボタン押すと次のノーマルモードになって、一瞬車が飛び出します。ペダル踏み込み量のずれ分の反映ですね。なので走行中に切り替えることができるわけだから、Sやノーマルからエコはいいけれど、エコからの切り替えはちょっと注意が必要。止まった時に切り替えるのが正規でしょうね。

で、ドライブの行きは、あれこれ試したりしながら、電池のセグメントが満タンにならないように、かつ、エンジンを掛けないようにするロジックを探りながら行きます。

基本エアコン、ヒータはかけない。充電でエンジンがかかった時だけ、ヒータも入れる、、てなことをしながら、回生が利かない放電モードにならないように考えながらです。

ですので、峠の登り区間(下りで回収するので、電池を減らすぐらいに踏んで楽しみます。
結構力強く速い。80km/hまでは相当な加速で、ニスモSの場合、100km/hまでなら頭打ち感はありません。で、下りで電池が満タンになったら、要は飛ばしても、飛ばさなくても燃費は変わらないので、楽しく飛ばします。

そんな感じで自宅から、山中温泉経由の福井、越前と走って海岸のお店でお昼。その間の区間燃費が27km/Lと優秀。ただし、少々寒いw(ヒータは極力充電中にかぶせた時だけつける感じなので、車内が十分温かいとはいいがたいw。

で、帰りは通常の国道や県道の巡航と一部市街地信号多数、を経由して帰宅ですが、途中最高で37.9km/Lを記録、カタログ超えもありつつ、最後到着したら32km/Lでした。

これらからわかったことは、エンジンの発電とモーターの消費が釣り合うレベルの時(電池がフルセグ状態)で、アクセル一定で速度維持させると、大体40~60km/hの時に、瞬間燃費で37km/lぐらいまで行きます。そこから速度を上げると、モータの電力消費でエンジンの燃料消費が増えてゆきます。なので、これをベースに、電動エアコンや、ヒータ代わりのエンジン起動の消費が減算されて、実用燃費になるのでしょう。

ここが、同じガソリンの使い方で、有りながら、発電機用エンジンの熱効率×発電モータ効率×充電効率×放電効率×モータ効率×駆動抵抗 VS エンジン熱効率×駆動パワーライン効率との勝負になって、40km/hの軽負荷時の加減速+ゼロ発進、信号停止の総合運動モードでの勝負になって、停止⇔加速⇔減速のパターンによって、優劣が変わって来るけれど、今の交通環境だと、ほぼほぼ、一旦電気に変えて電池に貯めて動かすe-POWERの優位性は結構大きいという感じ。

<下の写真は、先週ドライブした時の区間燃費>



この時、もう一つわかったのは、私の場合(ニスモSの場合?)エコ(ECO)モードよりもスマート(S)モードの方が省エネ走行がしやすいということでした。その中身は、アクセルレスポンスと電池走行にあります。無駄に速度を落とさず、車間を制御しつつ、周りの車との間合いを見ながらとにかく、リニアなアクセルを生かして素早く車速を載せて加速も減速もしないパワーメータが走行負荷分だけの1か2セグだけついてるような踏み加減で、ブレーキは一切使わず停止する。と言うような操作だと、相当な低燃費で運転できます(ゼロ戦の坂井氏が省エネ飛行してるような感じで(;^_^A )

これは、溜まった電池走行を主体に、エンジンを回さず極力走る割合を増やす効果のせいでしょう。40-60km/hは、加速しなければ電池だけで結構走れます。そして恐らくSモードの方が、回生をよく使うと多少学習効果もあるのでしょうか、電池がフルなるように積極的にエンジンで充電しない(気がします)。エコモードだと、ちょっと定常走行になるとノイズに紛れて「よし、エンジン回して充電しとこう」となるようなのです。

それが、ニスモSの制御は、アクセル依存型の制御になるようで、アクセル細かく制御できれば、エコモードよりスマートモードの方が、低燃費走行できるように思います。

それでも、交通の流れに乗ってのエコランでは、やっても40km/Lは難しいと思いますし、
e-POWERの面白さは、むしろ、積極的に走ってもそれなりの低燃費に「出来る」ことでしょう。峠でボーナス電気が溜まったら、捨てないで走りましょう!。そしてせっかく出した運動エネルギ―はうまく回収しましょう。そうやって結構なワインディングを走っていると、飛ばしても飛ばさなくても、あまり燃費が変わらないというのが素晴らしさです。
だから、「走らにゃ、損」と言う車が出来るとは、ほんとにありがたい。
Posted at 2020/02/26 22:51:35 | コメント(2) | トラックバック(0) | e-POWER | クルマ
2020年02月24日 イイね!

マン・マシンのシステムエラーについて (その1)

e-POWERが我が家に来て、鉄人28号から、機動戦士ガンダムに乗り換えるがごとくオペレーションシステムは異なり、意識改革をして脳裏に焼き付けるため、かみさんと日々勉強中なのですが、このエントリーは結構大真面目、かつ重要なものだと考えていますので、最近のハイテク車にお乗りの方は、ご一読いただきたく。

これまでも、環境規制や安全規制で「走る・曲がる・止まる」の自動車の機能とは別に、しかし、これなしには販売許可が下りない「商品」としては、受け入れざる得ず、そして進化してきたわけですが、今回はとうとう「内燃機関」という動力源が変速機を介してタイヤを回す機構だった自動車から、大きな技術チェンジを伴う「電気駆動車」に変わったわけです。

既に温暖化対応がうるさくなる頃から、人間が「こうしたい」と意識して「動作」し、メカシステムが機能していた車から、じわじわと電子機器の「スイッチ」入力で動く機械へと変化して来てはいました。今のメル子もそうですが、これが未だに慣れない。ウインカーレバー位置にあるシフトレバーならぬ「シフトスイッチ」。これのおかげで、何度か主題の「マン・マシンのシステムエラー」を経験しております。


さて、本題。
これまで「e-POWER」のよいしょ記事かと思われていた(;^_^A、かも知れませんが、にわか日産ファンと言うわけではなく「面白い技術であり、運転する価値がある車に仕上がっている」と言う視線で書いてきました。また、車を購入するにあたっては、電動パワートレイン車ということで、その技術的熟成度、信頼性についてもリサーチしておりました。

複雑な内燃機関とメカニカルCVTや電気的CVTでつながる旧来のハイブリッド車は、リジッドなメカを合わせ持つゆえに、複雑ではあるものの、一方でフェールセーフ面では冗長でもあり、足枷が安全弁になっていた面もあったかと思います。

ところが、e-POWER は電気的に繋がった「内燃機関式充電器」に過ぎず、走行に影響するリアルタイムなパワー制御には直接関与しません。つまり、ついにスイッチ操作のみの電気的間接制御で、すべての「走り」が実行されます。日産にはステアリングも間接的に制御する技術があり、法令改正により欧米なみにメカニカル締結要件が解除されたこともあって、今後は自動運転のために「走り・曲がり」まで間接制御化される流れです。加えて電気自動車的には、回生ブレーキ制御でほぼ、通常減速を賄い、最後の0km/hと保持と、あるいは緊急ブレーキやヨー制御に使われる動力源を持ったメカブレーキとなることで、「走る・曲がる・止まる」そのすべてが間接制御になろうとしています。


その技術が一般化して(社会に溶け込んで)行く過程として、この「マン・マシンのシステムエラー」を知識と経験両面で消化しておくことがとても重要だと考えています。
最近は、自動車もまた航空機並みにソフトウエア制御構成が入込み、安全装置、環境、省エネ、快適性などあらゆる制御機器を統合制御するシステムになって来ています。



このため、従来のFTAや、FMEAと言った故障探求ツールでは、間に合わなくなってきており、アメリカをはじめ、先端分野ではSTAMPやSTPAといった手法が注目されています。



このネタで、書き進めていたのですが色々自車で検証するなかで、疑問な部分も出てきており、現在進行形で調査中です。その為、デリケートな問題でもあり、しばらく記事はお預けです。

しかしながら、イントロを本日書いたのは、現代の複雑な車に置いては発売になっていても現在一番の脅威であるコロナウイルスのケースもそうですが、リコールのように顕在化して対処できるものもあれば、未だ潜在的なものとして、問題になっていないだけのものもあるはずです。それはモノ作りにかかわる人はみな、同じ思いでしょうし、今の複雑系の商品は、本当に大変です。

と言うことの注意喚起はしておきたいね、、と言うことでとりあえずのエントリでした。
Posted at 2020/02/24 21:15:05 | コメント(0) | トラックバック(0) | クルマ
2020年02月18日 イイね!

「e-POWER」とは何者か?。

「e-POWER」とは何者か?。電動パワートレインの自動車は、現在フルEVとこの日産の「e-POWER」シリーズHVということになります。
厳密には、エンジン駆動クラッチを持つPHEVのアウトランダーやe-HEVと名を変えたホンダのシステムも電動パワートレイン車なのですが、この場では駆動パワーを電気だけで賄い、かつ内燃機関が直接駆動する構成を持たない車にさせていただきます。

そういうくくりで話したいのにもわけがあり、合成ハイブリッドは所詮キメラのような異種混合複合機構であります。私も性質の異なる動力源というか、そういうものを複合させた機械を設計をしたことがあるけれども、お互いの気をつけねばならない弱点というか、例えば、振動、熱影響、ダスト、緊急安全装置などが、ことごとく性質が異なるため、それぞれを共存させるためにはそれなりの手当てが重要になります。けれどもそれは、本来片方ならば容易に、また精緻に対応できるものが、複合するがゆえにお互いが60点や80点同士で甘受せねばならず挙句、コストは無駄に跳ね上がる。

e-POWERのパワーラインは、本来の車両運動性能優先のパッケージの場合は、分散配置になるのだろうけど、生産性や軽量化の面ではモータやインバータ、コントローラを一体化してパワーユニット化している。これはフルEVのリ―フからのおすそ分けのところがあるけれど、おかげで買えるコストにもなっている。

e-POWERは果たして未来なのか、過去なのか、不思議なハイブリッドである。最新技術の電気駆動と制御装置に対して、蒸気機関車のような、エネルギー源となる部分は旧来の内燃機関によるモータ(発電機)駆動により「電力化」してそれを駆動する必要がある。

燃料を一度電気に変換させる構造を一体化したため、エンジンと発電モータと駆動モータが一体化した上に、インバータやコンバータなどパワー半導体装置もワンユニットとして搭載している。そこにはいろいろな工夫が見えて興味深いが、その工夫はすべて純粋に、「電気駆動車」としての成立要件に対するものに他なりません。電磁ノイズ、大電流の取り回し、冷却、振動、FFとしての重量バランス、そう言ったリーフで完成出来た電気駆動技術とはまた別の、内燃機関搭載部分との関係で苦労した部分が垣間見えます。

その構成はさておき、走りの性能における潜在能力は、現状ではEVより上だと思っています(今の実用化されている電池の範疇ではね)。

シリーズハイブリッドは、ご存じの方も多いと思うけれども、古い技術です。ポルシェ博士のエレファント戦車は有名だし、鉱山機械のダンプやパワーショベルはそういった構成でした。ただ、性能的にはメカ駆動に勝るはずだった机上検討はことごとく目論見に達せず、のろまな重い、低効率機械に甘んじて来た歴史があります。

その理由は、発電量の過渡応答を補う「バッテリー」の存在と、モータの冷却に問題があったと思います。近年の強力な磁石(レアアースがレアとなった所以:大量にニーズが沸いた)の発達があります。また制御機器の高電圧化、油冷などの機構の発達もあって、モータ側は相当な小型高出力が可能になっています。そして一番の玉手箱が、バッファとなるリチウムイオン電池です。

なかなかネット上で数値データが明らかになってこないのですが、リーフの場合はフルパワーの電力、定格なら80Kw程度なんでしょうが最大で120~130kw程度を全部バッテリーから供給受けて走る設計のはず。一方e-POWERのニスモ-Sの場合は、情報をつなぎ合わすと、エンジンパワーがMAXで61kwなので、発電パワーの効率を0.9として55Kw、これに1.5kwのリチウム電池が、実用上0.1kwから1.4kwの間で消費できるとして、中の人の話では、全開すると1分で使い果たす(恐らく、発電は連続OKですが、電池からは1.4kw*60min=84kwなので約80kwぐらいをもらうハズ)そうですから、合計55kw+80kw=135kw相当をモータに供給する走りが可能な設計だと推察。

つまりトルク上は排気量約3000cc相当の動力性能を発揮できる狙いの上で、エンジンは1200ccの発電機ですから、ダウンサイジングターボに置き換えると、1200ccで3000cc相当のパワーを出す感じですかね(実際にはパワーは136馬力なので、せいぜい1600ccってとこですが)。そこで燃費競争とすると、エンジンがいくら1200cc相当のフリクションと熱効率で頑張っても、e-powerの場合は現実運用上では走行全体の約25%程度しか、エンジンを掛けません。しかも必要な電力は、時間の合間を見て都合の良いときに、2000回転~2400回転あたりの効率よいところで発電してれば良いわけですから。

ただ、システムとしては冗長、複雑にはなります。しかしTHS(プリウス)ほどではない。


このバッファーとなる電池の性能が、実はe-POWERの秘密だと思います。こちらだけパナソニック製らしい電池ですが、リーフなどの充電サイクルが長い、放電回数の少ない特性ではなく、ほぼ、駄々洩れ的な、加速時や高速では充電分の大半をスルーさせながら使う電池は全く特性が違うチューンがされているそうで、故に寿命が気になるのですが、これは過去に聞いた営業さんも、リーフより新しく「まだデータが無い」状態だそうで、メーカの試験では100万回充電で80-90%にダウンするが、そこでサチって後はほとんど下がらない、、、と言うところらしい。 実際にはリーフと違ってユーザ側自体がそれを体感することは難しい。先ほどの全開が60秒走れたものが、悪くても48秒に減るだけで、実際には発電と放電の両方で使い果たすケースはまずないだろう。従って発電機が回る比率がホンのちょっと増えたところで、全く気が付くことは無いと思われます。

これに対して、新しいホンダのFITは設計思想が後出しな分、色々作戦練って開発されているように思います。今回、試乗を待たずにノ-トに決めてしまえたのには、若干考えがあって、一番はDS3の修理が迫っているかも、、、という時間軸で納車までの期間が待てなかろう、と言うのが一番ですが、走りの面でアドバンテージとする高速でのエンジン直結が、私の場合はあまりプラスにカウントしない使い方であり、コスト、品質、両面で熟成が必要な構成だな、と言うこともあります。
そしておそらくコストバランス上の判断でしょうが、ノート1.5kwに対して私の知る数値からの逆算では0.86kw程度の電池しか搭載していない感じで、ノート程の回生ブレーキが有効に使えないこと。エンジンが回る頻度はノートとの単純計算では倍ほどになるのでは?と。故に発電音に気を使って遮音してるし、エンジンが1.5Lでトルク型(より低回転に燃費の目玉を持ってきてるだろうと思います)また、合成電力による最大瞬発力は出せる時間が短く、ダッシュの一瞬のアシストだけで、通常は発電力で賄える分しか、パワーを使わない制御かも知れません。

<発電モータと駆動モータの2モータ構成ながら、並列構成の日産>
(上が駆動用、手前が発電用)



<同じ2モータ構成ながら、同軸構成のホンダ>
(エンジン側が駆動用モータ。同軸上とはいえ、当然個々は結合されていない)


しかし、いずれも激戦のBセグでシェアを取るために、今回FIT価格はかなり安く設定したと思いますね。(今回の私の出費と同じぐらい?、逆に儲け出るんだろうかと)。
これはノートのM/Cを睨んで、コスト優位な先発車に価格で差をつけられたくなかったのだろうと推測します。

一方、トヨタのヤリスはメディアでは、好敵手と言う扱いですが、私には営業力のみの差でFITより売れる要素は見当たらないのだけどもね。

さらに次なる新型ノートは、間違いなく世の中的にはスライドドアで、より使いやすく、広くなるでしょうが、個人的にはスライドドアの骨格で走り側にはマイナス要素が増えるのではと、つまりホットハッチの枠からは少々外れる気がしています。(しかしマーチ、キューブの穴を埋めて、ヤリス、プリウス、シエンタあたりまでカバーさせられるでしょうからね)


話はそれましたが、日産が作ったe-POWERは、「2016年のこの記事」を読むとわかるように、外れ者の部活で始まった車のようです(その昔R32GT-Rも同じでしたねw)。


使える部材が幸いなことに、社運をかけて開発したリーフの電動パワートレインの要素コンポと制御が使え、それゆえにモータのみで大パワーで走らせるクラスのモータやインバータが揃っていた。また、日産自身が(これは推測ですが)トヨタとの対抗軸として「渋滞の先頭はいつもプリウス」、「エコカー=プリウス=乗ってちっとも楽しくない」と言うことへのアンチが有ったのかも、、と言う気がしています。だから、ベース車両のノートe-POWERには、チューンの余地があった。(これは逆にホンダのFITには無い部分だと思います、あの構成はもう拡張余地がないように思えます。それだけ攻めた設計になってる。)


日産車を買ったのは、私上初(;^_^A の出来事でしたが、電動パワートレインに関しては、リーフで先行投資したリソースの恩恵で、非常に完成度高くノウハウも積み上げてあるなと感心しています。

非常に逆風ですが、エンジニアの方々にはぜひとも頑張って、フランス経由でチャイナに盗まれないように育てていただきたい。(EUはロシアの脅威にビビって、チャイナとは稼げる相手と勘違いして、5Gでアメリカを敵に回す気配ですが、日本は間違ってもチャイナ側に付いてはいけない、、余談でした)

Posted at 2020/02/18 19:50:41 | コメント(0) | トラックバック(0) | e-POWER | クルマ
2020年02月15日 イイね!

よくやった日産!、あっぱれニスモさん、イイ車です。

よくやった日産!、あっぱれニスモさん、イイ車です。家族車としては、ECOモードで25km/Lを出しながら、休日はホットハッチとして峠遊びをこなし、荷物も多人数も運べて万能。
特に、ニスモチューンの味付けは、わかってくれてる走りの味付けに感謝。ドライバビリティより燃費!と言う仮面をたたき割ってくれた面白い車。
Posted at 2020/02/15 18:26:56 | コメント(3) | クルマレビュー

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結構おやじですが、若いつもりです。 バイクとクルマの二股恋愛です。 交流のある方は、基本「見たよ」代わりにイイネ押します。 その他は、文字通り、イイネ...

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