ノートオーラニスモ(試乗前編)
電駆スポーツカーのノートオーラニスモが出ましたね。試乗できるようになる?のはまだ先ですが。しかし、日産の電駆スポーツが気に入っているものとして、試乗前レポートというか応援(;^_^Aでも書いておこうと思います。
試乗のチャンスがあるか分かりませんが、できたらいずれUPしたいと思います。
現行オーナとしてはとても気になりますが、買い替えなんてことにはならない予定です。
さて、新型3代目ノートは、e-Power1本化の構成となり、そのため専用シャシーとできたこともあるでしょう、巷ではとても好評に思えます。
当方も、
早い段階で試乗させてもらい、さらりとですがレビューしてます。
今回のブログで言いたいことは2点
1.設計思想の変化
2.電駆はテストドライパーの思想で決まる
の2点について、述べたいと思います。
まず、「設計思想の変化」ですが、2代目まではe-POWERらしさをいろいろな角度から打ち出す「違いを強調」の思想だったと思います。
ドライバビリティ上の最大の特徴はワンペダルで、これは内燃機関には無い独自の「運転操作方法」であり、拒絶反応も大きかったようで、「新しい提案に習熟しよう」という人たちと、「いかに従来内燃機関と同じことができるか」に囚われる人たちで真逆の評価だったと思います。
シリーズハイブリットは完全電駆なので、ワンペダル(加減速制御:アクセルと回生ブレーキ)での運転が肝になります。
2代目の初e-POWERノーマルノートは、古い車両ながら最新パワーラインでコストを抑えつつ未来カーの運転感覚を訴求し、エコといえばあきらめるしかないと思われたドラビリの劣化(ドライバの意思に関係ない加減速Gが生じるエコ制御と、ドライバがこう走りたい、と思うアクセルワークを、外部環境優先忖度で、置き去りにする石頭役人のような車が多く、それから比べると「なんと清々しい!」という乗り味でした。しかしながらシャシー性能は時代遅れで、ユーティリティパッケージは優秀ながら、まさに時代の中で日産がもがいて出した起死回生のバッターでした。
その後、ひょんなことからかみさんの車両入れ替え候補として良い出物が縁あって我が家にやってきました。試乗もしていないけれど、ベースとなったe-POWERは知っているし、そのおおむね25%動力性能UPとなれば、じゃじゃ馬だったとしてもエコで走れば買い物車とのジキル&ハイドでよかろう、と決め打ちしたのでした。
結果は大当たりでしたが、それらは過去記事でみていただくとして、
今回はノーマルとニスモの制御「思想」の違いについてです。
分かったことは、電駆車両の味付けはもう、すべてソフト次第。つまりテストドライバーがどんな特性にしたいか?でいかようにもなります。
そのことが、ニスモに乗ってよくわかりました。シャシーも絶妙にセッティングされており別物です。それもすべて「タイヤ」に合わせて運転が楽しめるように、
「車両運動性能を引き出せる人が乗る前提」にチューニングされていることでした。
ワンペダルのところで書きましたが「幅広い一般人の、とくに買い物車として乗る人」を対象にしたアクセルペダルの特性は、実に凡庸です。とはいえ内燃機関では成しえない緻密なG制御ができます。ただ、そのレスポンス、Gの過渡特性が大きく違います。
そこそこアクセルペダルワークのできる人でもオンオフ的に踏む癖のある人は、回生の強いワンペダルモードは拒絶するでしょう。なのでノーマルモードという「疑似内燃機関車」の特性を選びます。しかしこれだとあまりエコになりません。
次にエコモードを使うと、立ち上がりの角が大きく丸いので、低速トルクの弱い内燃機関的というか、HV車的な乗り味に。それでもトルクのあるモータはペダルのオンオフの入りが絶妙な間を持っており、ギクシャクを和らげています。
新型3代目ノートはこれが、さらによく言えば洗練、悪く言えば鈍(内燃機関的)になっていて、最後はクリープで止まらないワンペダルモードに代わってとても内燃機関的になっているのです。これが全く残念。
つまり、電駆の違いを強調した乗り味から、「ラフなペダルワークの人が乗りやすい」ワンペダル制御に。これを洗練と呼ぶか、は車両の位置づけによるでしょう。すなわちノートやオーラはこれで良しとしましょう。しかしニスモがあるから、、という切り分けできたから、というなら良いのですが、そこが私には一番の関心事項であり、
気になる「①設計思想の変化」です。
2代目のニスモとS合わせて最大14%ぐらいの販売構成比であったぐらい、ニスモとしては最大の売れた車両になりました。今回ノートにはニスモ設定せずに、オーラにニスモ設定したこともオーラのブランド上げとコスト戦略もあるでしょう。そのうえでオーラ全体で従来以上の構成比を狙っている節があります。それは私には「刃先がなまる」心配があります。
次に味付けの話ですが、今回動力性能はEM47になったことから、パワーは私のS並みになり、トルクは1割ほど低い諸元です。では、このニスモの制御はどうなったのか?。ニスモの車両開発部門の肝いりですからアップグレードした17インチ+ミシュランPS4のにきっちり合わせた作りこみがされているでしょう。当然限界性能はかなり高まっているはず。
そうすると、
私のニスモSではアクセルオフで、0.2secぐらいで立ち上がる減速G一定制御の回生(0.18G)がノーマルでは一呼吸おいて0.15Gが立ち上がる。3代目ノートは2秒ぐらいおいてなだらかに立ち上がる。これが違和感をなくしたのでしょうが、せっかくワンペダルを習熟したものからは、レスポンス悪くかつ停止直前の制御性も悪い。
Sモードは最大0.2G出るらしいが、2代目同様に車速応答型なのか、減速G一定型なのか?。これはスポーツ走行する上での使い勝手が決定的に違います。なので3代目は「ニスモモード」を作ったぐらいですから、これが期待です。
電駆スポーツの最先端だと思われるニスモ版は完全ワンペダルであるべきです。
ドライバースキルを最大限尊重する設計思想ならば。
減速Gの立ち上がりの間や、出方の大きさなどが鈍感な設定は、ドライバー側ではどうしようもありません。しかし敏感で急な設定なら、ドライバーがその間を作り出し、2字曲線的操作を行うことで調整できます。
これができることで、より一体感が高まるのですが、大体新型やマイナーチェンジがなされるたびに、「下手な運転スキル」の人の声ばかりが取り上げられて「ママチャリ化」してしまう。今回はノート、オーラ、オーラニスモと3段階も分けたんだから、これに加えて「ニスモモード」も入れたんだし「車両運動特性踏まえて、姿勢制御できるアクセルワークのできる人」を前提で作りこみました。、、、ぐらいにしておいてもらいたい。
幸い、私のニスモSは初代のために「そういうテストドライバーの要求」が反映されているようです。なのでノーマルe-POWERの乗り味とはまったくドラビリが異なるのですが、このことは乗り比べた人しか知らないので、ニスモSの作りこみが素晴らしいことから、3代目も期待していい??のか、興味あるところです。
最大トルクがオーラと変わらないのに、乗り味は別物で加速感が続く、、、様に制御されているとの動画多数見ましたが、そりゃそうでしょう、2代目ニスモSの加速曲線も3リッターNAのスポーツカーを疑似して作りこんでますから。
その際の作りこみのために、巨大な6軸シミュレータで制御パターンを数百から絞り込んで最後の10個ぐらいを実車確認で織り込んだそうです。この話が実にアナログというか、感性重視で面白く
「②電駆はテストドライパーの思想で決まる」です。
加速度曲線の作りこみを、「人間の感性」でやるんだけど、その感性の「これがいい」を持っている人が居ないとどうしようもない。
加速もノートは踏んでも電池メインで後から発電の合成出力ですが、このタイムラグが結構あります。3代目はさらに電池優先でBモード選ばないと発電支援は基本しないで済ませよう、でも3秒もべた踏みされたらしかなたいな、、と起動する、といった設定のようで、これもニスモになれば、間髪いれず発電支援でしょうし、私の同様Bモードにすると最初から発電モードでスタンバってくれるのでしょうね。
このへんもYOUTUBEの著名動画でも出てこないのは、e-POWERの実は多様な制御特性があることを知らないからで、物足りない点。
言えることは、ニスモが仕上げると車は「ドライバーオリエンテッド」な言うことを聞いてくれる車に代わっている、という点です。
昔から、国産車は「おこちゃま扱い」な「ドライバーにやさしい」と称しており、細かい操作の違いを受け止めませんが、欧州車に乗るとドライバーのアクセルワークやブレーキの踏み分けを反映してくれることで一体化もあるし、気持ちいいけど、国産に乗ると、ノーマルはどうやっても反応しないので、何もしない人と同じ動きになるような「なんだかな~」が
スポーツカーの皮を被った「スポーツカー風カー」と感じることが多かったのですが、かみさんのノートニスモSは、昔のキャブ車のようで楽しいです。
ただ、Sモードは確かに敏感すぎて一旦置いた右足をちょっと座り位置ずらそうとするだけで、車体が動いてしまうので、その時だけハンドルに「ホールドボタン」とかあるといいんですけどねw。今は、次のアクセル操作タイミングでパっとずらして加速度変化をごまかしてるw。エンジンのスポーツカーだと、峠で飛ばしてるときは高回転域を使うので自然とレスポンスも上がるし、タイムラグも消えてくるけど、電駆はそれらも制御で作りこんで行かないとならない。なので今乗ってるノートニスモSのそういった詰めの細やかなところに関心している。
問題は、オーラニスモに「S」は出るのか?。ですが、今んとこ期待薄だと思っています。価格面で厳しいのと、Zも出るしあるとしたら2モータの4WD版で回生0.4G出せるぐらいにしてバッテリーを2倍にした2シータ版、なんてのが330万ぐらいででたら楽しいかな(;^_^A