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black frogのブログ一覧

2024年01月25日 イイね!

EVで個性を出すのはそんなに難しいのか?

EVで個性を出すのはそんなに難しいのか?アバルト 695 esse esseが納車となり、早1か月が経過しました!怒涛のモディファイラッシュで、気が付けばパーツレビューもすでに46という超ハイペースw。未だかつてこのペースで弄ったクルマはありませんが、それだけめちゃくちゃ愉しい!ということ^^。いや~、アバルト素晴らしいです。最高♪そして唯一の懸案事項だったブレーキパッドも交換し、超絶快適になりました!!

さて、先日ブレーキパッド交換他諸々作業でディーラーをお邪魔した際に、代車で500eを出してくれました。EVチンクエはアバルト版もありますが、こちらは通常版。あまり期待せずに乗ったのですが、良くも悪くもザ・EVでした。どういう事かと言いますと、まず重量物(バッテリー)がフロアにあるので、低重心かつフロア剛性が高いです。フロントにエンジンが無いので、フロントの応答性は良く、またフロントタイヤの切れ角も大きく取れるためガソリン車と違って小回りが効きます。走りだしてみると、EVならではの出足の良さで、あっという間に法定速度に。アバルト500eのようなサウンドエンハンサーはついていないため、モーターがシュイーンと回る音のみ。足回りは硬すぎず、柔らかすぎず、総じて乗り心地はガソリン車よりも良さそう。後席の居住性、トランクスペースもガソリン車と比べると若干改善しています。



またインフォテインメントシステムは大幅に刷新されており、ガソリン車のUConnectと比べると隔世の感があります。インパネ周りは一気にモダンになり、ほぼ全面がデジタルディスプレイです。収納スペースもやや増えており、全体的にユーザーフレンドリーな印象となっています。このユーティリティの高さであれば、女性受けも良いのではないか、と感じました。というワケで、総じて私は良い印象を持ちました。アバルト版にもちょっと乗ってみたいと思えるほどに。だがしかし!ガソリン版のような個性があるかと問われれば、さにあらず・・。目隠しされて乗ったらこれが500eだ!と言い当てられる自信はありません。極端なことを言えば、VW iD4でも、BYDでも、日産サクラでさえ変わらない乗り味。EVでちょっと走りの面で個性があると感じるのはテスラとポルシェ・タイカンくらいで、後はすべて同じように感じます。つまり現存するEVは押し並べて没個性的なんですね。



私はEVには必ずしも否定的な立場ではない、と以前からこのブログで申し上げていますが、自由度が高いのに何故こんなにどの会社のEVも似たり寄ったりになってしまうのか、甚だ疑問です。モーターのチューニングや、制御、レイアウトなどなど、個性を出すポイントはいくらでもあるでしょうに。アバルト500eのように、6000時間かけて作ったサウンドエンハンサーも一つの「個性」には違いありませんが、個人的には少々ピントがずれているように感じます。加えて、デザインの自由度の高さもあまり活かされているように感じません。500の場合、バッテリーを積む関係上スペース上の制約もあったのかもしれませんが、敢えてガソリン版と瓜二つの見た目にしても良かったのでは?と思います。あとは航続距離。ディーラーから自宅まで往復30㎞ほどで残量が100%→84%に減ったのは萎えました。これではおちおち遠出も出来ません。まだまだ過渡期なのかな・・という印象でした。

Posted at 2024/01/25 15:44:20 | コメント(1) | 試乗記 | クルマ
2023年11月20日 イイね!

718ケイマンGT4RS試乗記@PEC東京

718ケイマンGT4RS試乗記@PEC東京ハイ、行って参りました二度目のPEC東京!前回は初参加、GT3で参戦しましたが、今回は718ケイマンGT4RSに乗りました。PEC東京のインプレは前回の体験記で詳細に語ったので割愛します。今回はローフリクショントラック、ローフリクションサークル、そしてハンドリングトラックの3つに絞ってやりました。それでもきっちり90分走り回ったので、お腹いっぱいになりました!アクセレレートプログラムを受けてみたい気もしますが、体力が持たないかもw。

さて、718ケイマンGT4RS(以下GT4RS)、今回が当然のことながら初試乗になります。この手のクルマはストリートで乗ってもイマイチその素性がよく分からないので、今回はクローズドコースで体験出来て良かったです。ちなみに今回はカレラT購入特典だったので、差額料金が保険料込みで16500円ほど掛かっていますが、かなりお得にに愉しめました♪さて、昨日の試乗では主に3つの評価ポイントがあると感じました。すなわち、①エンジン(サウンドやフィーリング含む)、②ハンドリング、そして③日常使いも含めた総合評価です。この辺について少し詳細に述べておきたいと思います。718系にお乗りの方にとっては少々厳しい内容かもしれませんが、飽くまで私見なのでご容赦いただければと思います。

さて、まずエンジン。これは言わずと知れた4L、500㎰を発生するポルシェ謹製のNAエンジンとなります。エンジンとトランスミッションはGT3と共通、ただしMRとRRですので、トランスミッションの搭載位置や吸排気系の取り回しが違います。ちなみにGT4RSは素のGT4と違って、リアクォーターウィンドーが無く、代わりに吸気ダクトに置き換わっています。この事に加え、ロールケージがあるので、斜め後方の視界はほぼゼロに近いと思って良いです。エンジンが真後ろにあり、吸気ダクトも頭のすぐ後ろにあるため、エンジン音、吸気音が容赦なく車内に入り込みます。GT3もド迫力でしたが、それ以上。ただ、個人的には余計な音が入らない分、排気音はGT3の方が澄んでいて綺麗だと感じました。GT4RSの日常での使い勝手は・・推して知るべしです。

エンジンのレスポンスはGT3の時に体験済だったので、新たな驚きはありませんでしたが、とにかく回せば回すほどパワーが出る様は圧巻ですね。特にカムが切り替わる5000回転前後からの怒涛の加速とNAの乾いた咆哮はゾクゾクします。もうね、このエンジンだけで2000万円の価値は十分ありますよ。ただ、RRと違って、リアアクスルの前にエンジンがあるため、GT3のような後ろを蹴飛ばされるようなトラクション感はありません。速いんですが、、踏み込むとTCが一瞬介入して前に出るのが体感出来ます。踏んだ瞬間にトラクションがかかるGT3とは同じエンジンでもレスポンスがまったく異なります。ちなみにTCオンにしておくとドリフトサークルでスピンモーメントを掛けるのに一苦労しました。

次いでハンドリング。一般的にハンドリングはMRの方がRRよりも良いと言われますが、GT4RSは結構曲がりにくいクルマだという印象を受けました。特にローフリクショントラックで顕著なんですが、フロントに荷重を乗せるほどではない速度域だとほぼアンダーが出ます。GT3はリアアクスルステアの恩恵なのか、ホイールベースが相対的に短いからなのか、サスペンションのストロークが長いせいなのか、はたまたフロントがダブルウィッシュボーンだからなのか分かりませんが、「曲がりにくい」という印象はまったく抱きませんでした。一方、速度域が上がり、グリップも上がるハンドリングトラックだと水を得た魚のように良く曲がりよく止まりました。それでも、切り始めのヨーの掛かり方はGT3の方が上だと感じました。RRの方が曲がりやすい・・そんな事あります?

一方、ドリフトサークルではさすがにGT3に比べると重量物が中心に近い分、ドリフト円を維持するのが相対的にやり易いと感じました。GT3の時は2/3周くらいしかドリフトを維持出来ませんでしたが、GT4RSは綺麗に一周回れました。とはいえ、慣れるまでは結構すぐにスピンしてしまい、やはりMRは一旦スピンモードに入ると止めるのは容易ではないと感じました。つまりは、お尻センサーを全開にしつつ、フロントとリアの荷重変化をしっかり意識しないとコントロールが難しいと感じました。ハンドリングトラックでは、ついクセで最初は911ではセオリーとなるV字走行をしていたのですが、インストラクターにダメ出しされ、コーナーは弧を描くように走ってください、とアドバイスされました。つまり、トラクションありきで走るのではなく、荷重を意識してブレーキはじんわり、切り始めは早目に、という一般セオリー通りのテクが要求されます。

GT3に限らず、911系=RRの場合は結構奥まで突っ込ん出鬼のようにブレーキをかけて、向きが変わったら鬼のようにトラクションをかけて脱出するのがもっともタイムが出る走らせ方ですが、GT4RSは違います。コーナー中ずっと横Gを感じながら走る走り方になるので、フルバケでも結構疲れます。何となくお尻が流れそうになる怖さもあり、ハーネスが無いとちょっと辛く、実際昨日は自宅に戻ってから若干腰痛になってしまいました(GT3の時はそのような事はありませんでした)。まあつまりは走らせ慣れていることもあって、私はGT3の挙動の方が断然好みです。ちなみに、現役レーサーをされているインストラクターは慣れて来るとGT4RSの方がコントロール性が高いとおっしゃっていて、実際走り慣れている方、上級者の方はGT4RSの方がしっくり来るのかもしれません。

まあ最終的には好みの問題ですが、私は自分で買うなら迷うことなく600万円のエクストラコストを支払ってもGT3にすると思います。あと無視できない点として、乾燥重量がGT4RSよりもGT3の方が60kg軽いんですね。この車重の違いも結構大きいと思います。特に限界領域では、車重が軽くてリアにトラクションが目一杯掛けられるGT3のメリットは図り知れません。まあこの辺の「差別化」はやはりポルシェの厳然たるヒエルラキー構造を考えると致し方ないのですかね・・。とまあGT4RSに対してやや厳しめの評価となってしまいましたが、決してGT4RSの出来が悪いというワケではなく、それだけGT3の完成度が圧倒的に高い、という事だと思います。こうなるとGT3RSはどれだけの高みにあるのか、ちょっと興味が沸きました♪

Posted at 2023/11/20 14:29:27 | コメント(4) | トラックバック(0) | 試乗記 | クルマ
2023年04月04日 イイね!

もう一つのRR ~ルノー・トゥインゴ試乗記~

もう一つのRR ~ルノー・トゥインゴ試乗記~デビュー当初から気になっていたクルマに試乗して来ました♪そう、ルノー・トゥインゴです。試乗した経緯ですが、もともと911以外で現存する最後のRR車ということで2016年のデビューから常に気にはなっていました。で、今回もし愉しいクルマであれば、妻と私の兼用アシ車として購入候補に上がったというワケです。買うなら中古車一択、目ぼしい個体も絞りこめたところで、いざ試乗へ!



まず、トゥイングの車種構成ですが、現在はインテンスというグレード一択となっています。ただし、キャンバストップも選べますし、一応トランスミッションはDCT(ルノー風に言うとEDC)とMT(ハードトップのみ)が選択出来ます。今回は妻も乗る前提だったので、ハードトップのEDCに試乗して来ました。ちなみにトゥインゴの場合、ATはターボ、MTはNAとなるため、最高出力が全然違います(前車は92㎰、後者は65㎰)。いくら軽量コンパクトなクルマとMTという組み合わせでも65㎰ではかなりパワー不足と感じることは想像に難しくありません。

トゥインゴはかつて3グレードの展開があり、さらには限定モデルも何度か作られて来ました。ディーラーの担当者曰く、現在のインテンスは過去の限定車で見られたような装備が標準化されたとのこと。ちなみにトゥインゴは現行モデルで終了することが決定しており、次世代は「5(サンク)」というEVに引き継がれるそうです。ルノーサンクと言えば、かつて「ルノー5ターボ」がラリーシーンで活躍したこともある痛快ホットハッチで、今となっては完全にクラシックカーの域ですが、根強い人気があります。さて余談はこのくらいにして、試乗インプレに移りたいと思います。

まず、車体の大きさですが、余裕で5ナンバーサイズで非常にコンパクトです。なのですが、実車は車高がそこそこあるせいか、不思議とそこまでコンパクトに見えません。似たようなサイズ感ですが、チンクエチェントの方がコンパクトに見えます。リアハッチはガラス仕様で高級感があり、スマートフォーフォーがベースですが、こちらの方がラテン風味のオシャレ感があります。リアのトランクスペースはミニマル、何せリアのフロア下にエンジンが載っているので底が浅いんですね。ただ、日常的な買い物+αくらいなら何とかこなせそう(夏場は生ものは積めなさそうです)。ちなみにフロントにもトランクがあるかと思いきや、こちらは冷却系の機械がぎっしり詰まっていてまったく荷物が積めません。



内装は合皮のシートにパイピングが施されており、これまたオシャレ。樹脂パーツはやや安っぽいものの、シボの作り方やカラーリングの配置が絶妙でチープ感を感じさせません(こういう所は国産車は大いに見倣ってほしいところです)。ナビは無く、スマホを繋ぐタイプの簡素なインフォテインメントシステムと、バックカメラが標準装備となります。この辺はライバルのチンクエチェントと大差ありません。独特なのがリアのウィンドー。ラッチを外して手動で開けるのですが、少ししか開かないw。後部座席のスペースは大人が乗るには少々窮屈なので、そもそも人が4人乗る前提ではないのかもしれません。ドラポジを合わせて、リアシートに収まると、ほぼレッグルームは皆無の状態。まあそれでも911よりは広いですかね。





イグニッションを回してエンジンをかける(この所作自体懐かしい感じがします)と、0.9L3気筒エンジンが目を覚まします。チンクエチェントのツインエアと比べるとプルプル感もあまりなく、意外にスムーズなエンジンで、EDCとの相性も悪くありません。深くアクセルを踏むと小気味良くシフトアップし、流れに乗る事が出来ます。速くは無いですが、遅くもない。まあ普通ですかね。で、期待していたRR感ですが、直線だと正直あまり良く分かりません。しかし、重心が低いからか、フロアの剛性感が物凄く高いと感じるため、このクラスのライバルと比べるとしっかり感が凄いです。さすがスマートフォーフォーベースと言ったところでしょうか。



RRであることを実感したのは坂道ですね。上りではリアの荷重が増し、トラクションがアップした感覚が分かります。と同時に、フロントの荷重が軽くなるためいわゆるドアンダーな特性。大人2人乗車でコレですから、荷室に荷物を積んで1人で乗っていたらどうなっちゃうんでしょう??この辺は結構クセ強めです。一方、下り坂ではニュートラルステアな感じですが、想像していたほどのキビキビ感がありません。良くも悪くもあまり機敏ではないのですね。「スポーツカー乗りを前提」とした911と違って、クセの強いRRを、誰でも運転出来るように敢えてこういうマイルドなセッティングにしているものと思われます。

ボディ剛性、アクセルレスポンス、ステアリング応答性はこんな感じでまずまずでしたが、ブレーキははっきりとダメでした。踏んでも全然制動力が立ち上がらず、結構おっとっととなりました(;^_^A。ココまで露骨にブレーキが効かないクルマはちょっと久々かもしれません。ディーラーの担当に聞いたらブレーキパッドだけ納車時から社外品を入れる方もいらっしゃるとか。これは十分理解出来ます。ボディ剛性感が下手に高いせいで、ブレーキのふかふか感との乖離に対して大いに違和感を覚えるんですね。変な話ボディが緩ければ、ブレーキが効かなくてもそれほど違和感を覚えないかもしれません(フィアット・パンダがそうでした)。

総評。まあ悪いクルマでは無いのですが、RRというレイアウトに期待するような動力性はなく、運転していて愉しいクルマではありませんでした。もう少し小気味よく走って、パンチのある乗り味を期待していたのですが、RRということで期待値が高過ぎたのかもしれません。このクルマが200万円くらいで手に入るのであればライフスタイルによってはアリかもしれませんが、新車だと乗り出し300万円超えるんですよ・・そこまで出すなら他にも選択肢はあるだろう、と思ってしまいます。で、帰りにメガーヌR.S.に乗り換えたら、「うわ!なんじゃこのピュアスポーツカー!最高じゃん!!」ってなりました(笑)。・・ま、乗り換えることは無さそうです^^。
Posted at 2023/04/07 14:15:56 | コメント(4) | 試乗記 | クルマ
2023年03月24日 イイね!

ポルシェ・エクスペリエンス・センター東京(後編)~992GT3試乗記~

ポルシェ・エクスペリエンス・センター東京(後編)~992GT3試乗記~さて、PEC東京の最終回は992GT3のインプレを書こうと思います。通常の試乗ですと、当たり前ですが公道でのインプレしかお伝え出来ませんが、今回はクローズドコースでのインプレですからね!しかも、サーキットが一番GT3にとっては「映えるステージ」ですから、そこで走れたのは本当に幸運でした。乗ったその日はちょっと興奮状態で頭の中が纏まらなかったのですが、アップしたいと思います!

まず見た目から。私は992世代の911は歴代911の中でももっともカッコいいと思っていて、これはカレラ系~タルガ/カブリオレ系~GTS系~GT3系に至るまで全部カッコいいと思っています。で、その中でもスパルタンなGT3、ボンネットのエアインテークや大仰なリアウィングは写真で見るとちょっとやり過ぎでは?と思ってしまいますが、実物を見たらやっぱり超絶カッコいい♪ただ997世代までの911と比べると991~992は大きく見えますし、特にウィングやエアロパーツで武装した992GT3はとりわけ大きく見えます。実寸は、というと全長4,562 mm×全幅1,852 mm×全高 1,271 mmなので、実際にはそれほど巨大というわけではありません(参考までに296GTBは全長 4,565 mm x 全幅 1,958 mm x 全高 1,191 mm)。

用意されていた車両は右HのPDKでしたが、最近日本に入って来る車両は右Hがデフォで左Hは特注品という扱いなんでしょうか?ここでハンドルの左右についての優劣を議論するつもりは無いのですがやはりペダルオフセットの関係で私は左ハンドルの方がしっくり来るように思います。で、座ってみると乗降性は普通のカレラ系とあまり変わりません。シートはバケットタイプですが、ポルシェのバケットはかなり大きく作られているため、フィット感はもう一つ。社外品のフルバケに慣れていると拍子抜けするかもしれません。一方、ストリートユースでの快適性もある程度担保しているため、サーキットに行かない方はこの程度のホールド性が好ましいのかもしれません。

上述の通り、試乗車はPDKでしたが、シフトレバーがカレラ系で見られるトグルスイッチと違って、ガングリップタイプのレバー(マニュアルっぽい見た目)になっています。うーん、これはどうなんでしょう??マニュアル車っぽい演出って必要ですかね?個人的にはカレラ系同様のトグルタイプの方がスッキリしていて好感が持てます。5連メーターは例に拠ってほぼ液晶で、視認性は悪くないのですが、懐古主義的なオジサンとしてはアナログ5連の方がポルシェには合っている気がします。操作系の剛性感やタッチはさすがに素晴らしく、後程自分の996カレラ4Sに乗り換えたらより一層その素晴らしさが際立ちました。ブラボー!!

で実際に様々なシチュエーションで走らせてみて感じた992GT3の特徴は大きく4つあります。一つ目はメカニカルグリップが凄まじく、その割に乗り心地が良いこと。マニアな方はご存知かと思いますが、992型からGT3系のみついにフロントサスペンションがダブルウィッシュボーンに変わりました。これがどのくらいスタビリティに寄与しているのかは分かりませんが、とにかく992GT3はどっしり安定、ローフリクショントラックでなければRRであることを忘れてしまうほどです。しかし、実際にESCをオフにして低µ路で走らせてみると、限界は物凄く高いのですが、それでもRRなので限界を超えた所は非常にピーキーです。

997世代くらいまでは、電子制御をオフにしても、腕のある人なら限界領域で車両をコントロール出来たと思いますが、992まで来るとちょっと難しいですね。グリップが高い分、限界を超えると一気に制御不能になります。インストラクターの方も、ケイマンGTSくらいが一番ドリフトサークルとかもやり易いとおっしゃっていて、その通りだろうなと思いました。定常円をやると、グリップ、グリップ、グリップ、アンダー出て来たかな・・ストーンという唐突な感じです。ただしその限界は物凄く高い。個人的にはサーキットでも公道でもESCをオフにしたいとは思いませんでしたw。

ESCの介入は非常に賢くて、ローフリクショントラックを走っている時は前後左右の荷重コントロールさえしっかりやっていれば凄く気持ち良く走れました。で、今回びっくりした2つ目のポイントがPDKの出来の良さ。黎明期のPDKは低速域がギクシャクしたり、アップシフトは良いのですが、ダウンシフトでガクガクしたり、とにかくあまり印象が良くありませんでした。しかし現行のPDKの賢い事、賢い事。絶対に人間の変速よりも速いですし、確実ですし、サーキットでもタイムが出るでしょうね。ダウンシフト時の回転合わせが物凄く上手です。296GTBも物凄くDCTの出来栄えは良いのですが、PDKの方が更に上ですね。流石でございます。

3つ目はエンジン。この4.0LNAエンジンについては991世代で空冷ブロックでなくなったことを嘆く声も当初ありましたが、その後どんどん改良されて、サウンド、レスポンス、回転フィールどれを取っても素晴らしい出来ですね。サーキットに於いて、RRのようなアクセルレスポンスが挙動を決定するようなレイアウトではこのエンジンは必須かもしれません。とにかく5000回転を超えたくらいからの迫力ある咆哮はひたすら荒々しいMetzgerエンジンともまた違って、もっと緻密な粒の揃った感じ。誤解を恐れずに言うなら、フラット6でありながらシングルプレーンV8に近いサウンド・フィーリングとなっています。これはきンもちいい!!ずっと回していたくなりますね^^。

そして最後に・・これはちょっとネガな部分ですが、やや一体感に乏しいということ。なんというか、センター付近の俊敏性が期待していたほどではないんですね。GT3というと、指1本分ステアリングを切っただけで強烈なゲインが立ち上がってカミソリのような切れ味を見せてくれるのが常ですが、ちょっとダルな印象を受けました。後にインストラクターに聞いたらタイヤは標準のカップタイヤではなく、ピレリを履いているとのこと(多くの方にとってカップタイヤはピーキー過ぎるから、とのことでしたが実際にはコストの問題?)。このタイヤが影響しているのか、はたまた単純に車重がやや重いからなのか、あるいはダブルウィッシュボーンサスの弊害なのか・・。

ハンドリングトラックでは911らしく、鋭角に入ってV字でコーナーを立ち上がると脱兎のごとく速いのですが、スパンスパンと曲がっていくような人馬一体感にやや乏しいという印象を受けました。もちろん、RRとMRという根本的なレイアウトの違いが大きいのだと思いますが、インストラクターの方も「718ケイマンGT4の方が断然乗りやすい」とおっしゃってました。タイムはGT3の方が出るかもしれませんが、乗っていて人馬一体感があって愉しく感じるのはもしかしたら718ケイマンGT4(RS)の方かもしれません。この辺は実際にまたリベンジした際に今度は718ケイマンGT4でチャレンジしてみたいところです。あ、ちなみにブレーキは今まで通り宇宙一でしたw。

それにしても、これほどまでにドライビングに没頭できるクルマ、没頭できるシチュエーションは久しぶりでした。やはり「スポーツ」ドライビングは愉しいですね。992GT3は間違いなく最高峰のスーパーパフォーマンスカーですし、そもそも買えないという問題はありますが、本気で走るのが好きな方にはとてもお勧めの一台です。ただ、その良さを引き出すにはそれなりの腕とシチュエーションが必要なのもまた事実で、公道だけでは勿体ない気がします。というか、自分だったら回さずにいられる自信がありませんw。日常使いもこなせて、でも週末はトラックに出かけて全開走行を愉しみたい!という方には最高のパートナーたりうる一台なのではないでしょうか。

(おわり)
Posted at 2023/03/24 14:28:14 | コメント(2) | トラックバック(0) | 試乗記 | クルマ
2023年02月20日 イイね!

アルファロメオ・トナーレ試乗(短評)

アルファロメオ・トナーレ試乗(短評)というわけで、さっそくトナーレの試乗に行って来ました!私の知る限り、みんカラで3番目に早いレビューとなりますw。記事を書く時間がいつもより少なかったため、今回は表題を「短評」とさせていただきました。元アルファ乗りとしての期待が高かった分、少々辛口のレビューとなってしまいましたが、トナーレはまだ出たばかりのモデルで、これから年次改良を経てどんどん良くなって行くものと期待しております♪

アルファロメオの新型小型SUVとなるトナーレ。この小型SUVというジャンルは国産車でも大人気のジャンルで、各メーカーこぞってモデルを投入してきています。個人的にはニーズがはあるのは分かりますが、正直自分が乗るとなるとあまり食指が動かないジャンルです。強いて言うなら妻のアシ車として、というところですが、今所有しているA4オールロードがかなり出来の良いクロスオーバーモデルなので、これを超えるのは容易ではありません。という視点も踏まえ、昨日は試乗をして来ました。ちなみにグレードはベーシックなTI、初回限定モデルのエディツィオーネ・スペチアーレ、そして新たに投入されたヴェローチェという3モデル展開。イメージカラーでもあるモントリオールグリーンはスペチアーレ限定色なので、レギュラーモデルでは現在選択出来ません。





パワートレーンは各モデル共通で、160㎰のガソリンエンジン+20㎰のモーターでシステム合計180㎰のマイルドハイブリッドシステムとなっています。欧州の厳しい排ガス規制を考えると、今後はこの手のシステムが各メーカー主流になると思われます。今秋にはもっとパワーのあるPHEV版(本国では発売済)が追加投入される予定なので、個人的にはそちらが本命となります。さて見た目ですが、サイドから見ると驚くほど過去に所有していたステルヴィオに似ていました。でも一回り小さいw。フロントマスクとリアのデザインはまったく違いますが、やはりフロントの3連ライトが往年のアルファを思わせるシャープなデザインでカッコ良いと思いました。今後MCを経て、ステルヴィオもジュリアもこの「トナーレ顔」になるのかな??



展示車はイメージカラーのモントリオールグリーンでしたが、試乗車はアルファレッドでした(こちらはちょっとイマイチ)。で乗り込んでまず最初に気付いたのが内装の安っぽさ^^;。ステルヴィオもジュリアも、樹脂パーツは多めながらも「安っぽい」と感じたことはなく、上位モデルとの意図的な差別化なのか、はたまた単なるコストダウンなのか・・。グローブボックスや、アームレストリッドなどの樹脂部品が悉くチープで、国産軽自動車並みのクオリティなのは元アルファ乗りとしてはかなり萎えました。同様に、ペダルやスイッチ、ステアリングなどの操作系も全体的に操作感が軽く、やはりチープな印象。アルファってこの辺の作り込みがもう少し上手かったような・・。写真映えはするので、上手いと言えば、上手いのかもしれませんが。





で、乗り出してみると、エンジンの回転上昇と加速感がイコールではない。D.N.Aモードを一番元気なDynamicモードにしてもあまり印象は変わらず・・結構モサっとしたエンジンです。過去に乗っていたステルヴィオディーゼルは踏んだ瞬間から怒涛のトルクがあり、ディーゼルながらスポーティな乗り味だったのとは対照的です(比べる方が酷なのかもしれませんが)。まあこのモデルはエコに振った仕様なので、燃費重視なのかもしれませんが、サウンド含めドライブトレーンはまったく惹かれませんでした。で、それよりもっと気になったのがステアリングフィール。これがここ最近乗ったクルマの中では極悪の部類。ロードインフォメーションが希薄な上に、応答性が悪く、かつ修正舵角が常に必要という。雲の上を走っているような感覚でした(これはステルヴィオでもジュリアでも見られなかった事です)。



一方、褒められる点は2つ。まずこのコンパクトな車体(全長4530mm)に対し、十分な後席スペーストランク積載性が担保されている点。このくらいのスペースがあれば、ファミリーカーとしても十分通用します(ゴルフバッグをそのまま積めるかと言われれば積めません)。2点目はインフォテインメントシステムの改良(従来モデル比)。ステルヴィオはそもそもナビがありませんでしたが、これがマイチェンでオランダだかどこかの訳のわからないナビが入って、これが大不評でした。それが、トナーレからはアイシン製となり、なんと360度アランドビューモニターまで追加で搭載されました。これはかなり良いアップグレード!ぜひステルヴィオ、ジュリアにも搭載してもらいたいと思います。





結論的には、まだ出たばかりのモデルということで細部の煮詰めが甘いのと、価格の割にチープさが目立つ点が気になりました。この辺は年次改良と、今後投入される上位グレード(PHEV)に期待したいところです。個人的にはエンジンがもうちょっとアルファらしく元気な物になり、内装がブラッシュアップされるのであれば、妻の足車候補には挙げて良いと思いました。ただ、モントリオールグリーンがスペチアーレ専用色ということですので、今後ヴェローチェにもレギュラーカラーとして選択出来るようにならないと、ちょっと購買意欲湧かないかもしれません。トナーレはグリーンが間違いなく一番似合うと思いました♪
Posted at 2023/02/20 14:31:43 | コメント(3) | 試乗記 | クルマ

プロフィール

「みん友さんのlidocaineさんにお付き合いいただき、見に行って来ました!大変綺麗な個体でしたが、結果は…成約に至らず😅。lidocaineさんお付き合いいただきありがとうございました✨」
何シテル?   06/09 13:05
趣味車→ 992カレラT(2023年式 左MT) ファミリーカー→ G63AMG(2022年式 W463A) アシ車→ アバルト695 esse esse(...
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